保育園にわが子を預けようと考えたとき、保育時間はとても重要な情報ですよね。子どもを預けられる時間や実際の保育現場での運用はどうなっているのか、保育士ライターのKarinが解説します。
具体的なルールや手続きは、自治体や保育施設ごとに異なります。調べ方も紹介するので参考にしてみてください。保育園のシステムを正しく知って利用しましょう。
そもそも保育園に預けられる時間は、各家庭ごとにママ・パパの実際の勤務状況などによって決定されます。保育園は働くママ・パパだけのものではありませんが、この記事では就労を前提に解説していきます。
子どもを預ける時間は保護者の勤務状況をもとに、市区町村から「保育標準時間」と「保育短時間」のどちらの認定を受けるかがポイントになります。
「保育標準時間」とは、月120時間以上のフルタイム勤務を想定して認定されるものです。
「保育標準時間」の認定を受けた場合には、原則8時間利用することができます。ただし、通勤時間や残業など家庭の状況によっては最長で11時間預けることも可能です。
「保育短時間」とは、パートタイム勤務を想定して認定されるものです。「保育短時間」の認定を受けた場合には、最長で8時間の利用が可能です。ただし、就労時間が短ければ何時間でも良いというわけではありません。
認定に必要な最低限の就労時間は、1ヶ月あたり48〜67時間の間で市区町村ごとに設定されているので、問い合わせてみましょう。
気になるのは、保育園に入園後にフルタイムからパートタイム勤務など、就労状況が変わった場合です。
自治体によって対応は異なりますが、就労状況に変更があった場合には、時間変更手続きを行うことで「保育短時間」から「保育標準時間」へ(またはその反対)の変更ができることが多いでしょう。
手続きは各自治体の保育課に申し出ることでも可能ですが、保育園に直接相談する方法がおすすめです。
ふだんから関わりのある保育士さんから必要な書類や提出先などの情報を教えてもらえるだけでなく、緊急連絡先である職場の情報が変わる場合にはこのときにまとめて保育園に伝えてしまえるというメリットも。
保育課と直接やり取りして手続きをした場合も、結局保育園にも伝えて対応してもらうことになるので、はじめから保育園を通す方が何かと便利ですよ。
基本的な保育時間は、保育園によってそれぞれ決まっています。8:30までには登園、16:00を目安にお迎え、などとそれぞれの保育園で時間割が決まっているので、園見学の機会も利用しながら確認しておくと安心です。
また、保育園によっては1日のタイムテーブルをホームページ上で公開している場合も。こうした情報も参考にしながら、最終的には園の職員に直接尋ねる方法が確実です。
ルールがあっても、きょうだいの受診や、やむを得ない事情があれば、柔軟に対応してくれることが多いでしょう。遅めの登園や早めの降園は朝の補食やおやつの提供にも関わってくるので、できるだけ早く連絡を入れるようにしましょう。
時間が確定していない場合も、変更の可能性がある旨を事前に伝えておくことでスムーズに対応してもらいやすくなりますよ。
保育園は働くママ・パパたちに寄り添いながら子育てをサポートする存在ですが、お迎え時間については厳しいという印象を持つママ・パパもいるかもしれません。
じつはこれも、子どもの安全を考えてのこと。朝早くから夜遅くまで開園している保育園では、保育士たちのシフト制によって回っています。夕方になれば、早く出勤した保育士から順に保育室から減っていくため、時間が経てば経つほど子どもを見守る目が少なくなってしまいます。
保育園では配置基準と呼ばれる、年齢ごとの園児に対して必要な保育士の数が法律で定められています。
このため、お迎えが遅れる場合には、保育士も残って子どもを見守ります。しかし、明日も元気に子どもたちの笑顔を守るためには、毎日のように何時間も残るわけにはいきません。
保育士のシフトは、事前に保育園と家庭とで約束している保育時間に基づいて組まれているため、各家庭が時間を守っていれば、問題なく保育は行われます。
また、働くママ・パパと同じように、毎日同じ場所に通う子どもも疲れているもの。少しでも早く、刺激にあふれた集団生活とはまた違った温かい家庭に帰れるようにすることも、大切な子どもの健康管理です。
お迎え時間を守ることが大切だと分かっていても、仕事の状況やアクシデントによって間に合わない日もあります。焦る気持ちばかりが募るこんな場面では、どのように対処したらいいでしょうか。
お迎え時間に間に合わない場合、延長保育を利用する方法があります。保育園によって異なりますが、20時以降まで預けられる園もあるでしょう。申し込みの際は、担任に言うのか園長に直接言う必要があるのか、申請書を提出するのか、保育園によってさまざまなルールがあるので、こちらも見学の際に要チェック。
遅い時間になると補食や夕飯の提供もあるため、食材の発注や調理の関係で申込期限が厳しく設定されていることもあります。必要になった時に慌てなくて済むように、申し込み方法を事前に確認し、必要だと決まったら直前になったとしてもすみやかに申し込むようにしたいですね。
延長保育の時間にも終わりがあります。あまりにも遅くなってしまいそうな場合には、近くに住む祖父母や親族の力を借りるのも手。ただし、防犯の観点から、お迎えに規定を設けている保育園も増えてきています。
ふだんお迎えに来ている方からの連絡なしにほかの家族の方が来た場合には、基本的に引き渡すことができません。お迎えに来る可能性のある方の情報は、事前に保育園に提出して相談しておくと安心です。
また、保育園の玄関にナンバーキーが設定されている場合、協力してくれる方には番号を教えてしまうより、インターホンで保育園の職員と繋がってもらうようにしましょう。保育園としてもふだんお迎えに来ない方が来園したことが分かって、ていねいに対応してもらえることにもなります。
祖父母や頼れる人が近くにいない場合には、ベビーシッターや自治体のファミリーサポートなどを利用する手も。保育園の送迎のほか、家でのシッティングのサービスが受けられます。
どちらも、祖父母や親族にお迎えを頼む場合と同様に保育園への事前の連絡が必要です。最近では「ファミサポさん」とカジュアルに呼ぶほど、利用する方も一般的になってきています。
また保育園まで迎えに行ける人はいないけれど、家で子どもを見守れる祖父母ならいるという場合、送迎タクシーサービスという選択肢もあります。タクシー会社で事前に登録をしておくと、子どもだけで乗車できます。いずれも、送迎は代行してもらえてもママやパパとは遅くまで会えないことに変わりないです。子どもと、ママやパパに代わって見守ってくれる大人との相性は大切にしたいですね。
育児・介護休業法では、3歳未満の子どもを育てる社員が残業免除の申請をした場合、事業主はそれを認めなければなりません。
仕事の量が多すぎたり、人手が足りないことで、残業せざるを得ない人も多いでしょう。時には子どもの心と体の健康、そして頑張るママ・パパの健康を守るために、権利を主張しても良いのではないでしょうか。
仕事に一生懸命な姿ももちろんすてきですが、子どもは、ママやパパの笑顔が大好きです。健康的で笑顔あふれるおやこ生活を、育児休業法は守ってくれているのです。
参照:育児・介護休業法のあらまし(令和4年11月作成)所定外労働の制限/厚生労働省
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認定区分や時間の変更申し込みなど、何かと決まり事が多い保育園への預け時間。その理由の多くは、子どもが安心して安全に保育園で過ごせるようにするため。
事前の準備や手続きが必要なことも多いので、余裕を持って情報を集め、ママやパパも安心して働ける環境を作りましょう。
ライター・保育士 Akari
0・1歳の子どもたちと笑い合い、3・4・5歳の子どもたちと語り合ってきた保育士経験を持つWebライター。おやこ生活に役立つ記事を発信していきたいと思います。コスメライターの資格取得を機に執筆を始めたので、美容Webサイトを中心に執筆中。
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