HQ（人間性知能）とは？教育界が注目する理由とIQとの違いを解説

教育の場で注目されるHQ（人間性知能）

HQ（人間性知能）とは、脳の「前頭連合野」が担う知能を指します。

前頭連合野は、言語や論理といった様々な知能を統括するコントロールセンターの役割を果たしています。

各知能をサッカー選手に例えるなら、前頭連合野は「監督」です。監督の采配のように、HQの高さがその人の人生の方向性を大きく左右する可能性があります。

このHQを向上させる取り組みが、幼児教育から重要視されつつあるのです。

HQを向上させる最大のメリットは、「生きる力を得られること」です。

HQを司る前頭連合野は、未来を見据える能力や、社会性、感情のコントロールを統括しています。 HQが高まると、将来のビジョンを描きやすくなり、他者への配慮や感謝の気持ちを持って行動できるようになるでしょう。

HQが前頭連合野の知能を指すのに対し、IQ（Intelligence Quotient）は、「知能の水準」を表す数値です。 IQが高いことは、知識や学力、合理的に対処できる能力が高いことを示しますが、未来を見据える力や社会性は含まれていないとされています。

専門家によると、知識を増やすなどの学習能力を伸ばしてもHQは伸びないものの、HQが高くなるとIQも向上するという見解があるようです。このことから、人にとってより重要となるのは、知能の水準を表すIQではなく、それを統括するHQであると言えるかもしれません。

HQの必要性が叫ばれている背景には、脳科学分野での重要性だけでなく、教育界からの強い危機感があります。

日本の教育は基礎学力は身についているものの、答えが一つではない問題への対応力や発見力、すなわち「生きる力」を伸ばす教育が遅れていると指摘されています。

世界で求められているのは、想定外の状況に対する対応力といった「生きる力」であり、詰め込み教育では、この力を伸ばすことは難しいと考えられています。そのため、今こそHQを伸ばす取り組みの必要性が叫ばれているのです。

夢を叶える力にもなりうるHQは、幼児期から伸ばすのが最も効率的だと言われています。これからの時代を生きる子どものために、HQを伸ばす取り組みに目を向けていくことも、親の大切な役割になるかもしれません。

（おやこのへや編集部）