この春、保育園に初めて入園した子どもたち。まだ慣らし保育の最中でしょうか。それともすっかり慣れて笑顔で登園しているのでしょうか。ママ・パパも大変な時期だと思います。
保育園へ入園すると、保育園側からのルールやお願いごとなどが多数伝えられます。説明を聞いたり資料があっても聞き逃していたり見落としていたりすることもあるはず。そして、なぜ?と思うお願いごとがあったかもしれません。
今回は、元保育士の炭本まみが、保育園生活を送る上で家庭でも心がけておきたいこと、保育園のお願いごとの「ワケ」をひも解き、親子で楽しく安心した保育園生活を送る手助けになることを紹介します。
園生活では、保護者に対するお願いごとやさまざまなルールなどがいっぱい。慣れるまでは大変ですね。けれどその理由を知れば納得できるかも!?よくあるお願いごととそのワケを探ってみましょう。
保育園や幼稚園では通園バッグや着替え、お箸やおしぼりに至るまで、すべてのものに名前を書くようにとお願いがあるはず。細かなものや毎日使うもの、水に濡れる衣類や食器類に名前を書くのって本当に大変ですよね。
実は便利な園グッズは、お友だちと同じものを持っていることが多いもの。特にキャラクターやブランドは人気で、クラスに何人もの子どもが同じお箸やコップを使っていることもあります。
どの園でもそういったアイテムの「迷子」があり、記名をしていないばかりに自分のものかどうかもわからず、結局不明になってしまうということも…。
子どもの物はどんなものも、思い出の詰まった服やグッズになるはず。園とのトラブルや、子ども同士のケンカや取り合いにつながらないためにも細やかな記名をお願いしています。
初めて集団生活をする小さな子どもにとって、知らない子どもや大人が大勢いる中で1日を過ごすことは大変な疲れとストレスを抱えることになります。
遊ぶだけではなく、食事・お昼寝・トイレ・着替えと生活の場が一変してしまうのですから、大人であっても大変なことですよね。
入園後の「慣らし保育」では、午前中の遊びまで、給食後まで、お昼寝後まで、そして丸1日…と少しずつ保育時間を伸ばしながら保育園生活に慣れるようにします。
「慣らし保育」は、子どもの体や心に負担がかからないようにするのが目的。
ここで無理をすることで、体調を崩したり、園に行きたがらなくなる子どももいるので、保育士としてもていねいに進めていきたいと考えています。
仕事の都合などもあるでしょうから、担任の先生とコミュニケーションをとりながらすすめていきましょう。
園は大切な子どもの命を預かる場所。欠席や遅刻をする場合は、必ず連絡するようにしましょう。また、早退する場合もなるべく早めに連絡をしましょう。
さらに、送迎をする保護者がいつもと違う場合も連絡をしておく必要があります。急にいつもと違う保護者がお迎えに行っても、事故や事件の懸念から子どもをお渡しできないことも。
祖父・祖母・近所の人・子育て支援の人、いつも送迎しないパパなど、先生方が会ったことのない人が行くときは、事前に連絡をしておきましょう。
園ではアレルギー除去食の子どもがいる場合、給食だよりなどの献立表をチェックし、担任も栄養士や調理員も把握してメニューを作っています。
それでも保護者から「今日のメニューの●●は、除去でお願いします。」と一言伝えておくと双方が安心でしょう。とくに入園シーズンの給食時間は先生たちも慌ただしいもの。わかっているはず、と思っても伝えておきたいですね。
園生活では、「汚れても良い服装で」とよくいわれますが、そんな衣類ばかりを持っているわけじゃないのに…そんな風に思う保護者も少なくないでしょう。
けれど、絵の具や植物の汁など、洗濯をしても取れない汚れがつくことがあります。また、お散歩にでかけて転んで穴をあけたり、木の枝にひっかかって裂けてしまうことがあるかもしれません。
それでも仕方がないな…。と思える服装で登園させてほしいなと思います。
また、髪の長い女の子は編み込みなどむずかしいヘアアレンジで登園すると、お昼寝後に髪型を直すとき、先生方がちょっと大変。なるべく登園したときのようにしてお返ししたいのですが髪の長い子どもが複数いる場合は、直すのに時間がかかってしまいます。 寝起きにグズりやすい子もいるので、一つ、または二つ結びくらいが無難でしょう。
入園すると、毎日どんなことをしているのかな?友だちはできたかな?とわが子には聞きたいことがいっぱいあるはず。ついつい質問攻めにしてしまっていませんか?
聞いてもはっきり答えられなかったり、返事がなかったりすると、心配になりますね。また、なんだか楽しくなさそうで、疲れている様子のお子さんがいるかもしれません。入園したての子どもに、家庭で気をつけたい関わりとはどんなことなのでしょうか。
帰宅したら夕飯を食べずに朝まで眠ってしまったり、夜泣きをしたり、おねしょをしたり…また、いつもできることなのに甘えたりめんどくさがって自分でやらないなど、入園によって子どもがさまざまな変化を見せることもあります。
これは、初めての集団生活で心も体も疲れているから。
いつもと違うな、ちょっとわがままになっているなと感じたら、しっかり受け止めてできるだけ応じてあげたいですね。
家庭は安心できる場所だとわかり、心も体もママやパパに見守られ休ませることで、明日からの保育園生活へ活力になることでしょう。
「もう保育園(幼稚園)へ行ってるお兄さん・お姉さんなんだから自分でやって!」、「できるでしょう!園ではできるのにおうちではできないんだね」などの言葉は、子どもはちょっと追い詰められたような気分になってしまいます。
しばらくは甘えやわがままが続くかもしれませんが、それも保育園生活に慣れればなくなっていくはず。大目に見てあげたいですね。
園での様子が心配で「友だちできた?」「今日は何して遊んだの?」「給食おいしかった?」など色々聞きたくなってしまうのが親心。
けれど子どもは「忘れた。」「んー。」「遊んだよ。」など、あまり多くは語らないかもしれません。
初めての経験を細かく説明するのはむずかしいこと。色々な初体験をして子どもは刺激をたくさん受けているのは確かなことです。
あまり質問をしすぎず、どうしても知りたい・心配なことは保育園や担任の先生に直接質問したり連絡帳で連絡をしてみましょう。
子どもが入園してしばらくの間は、心も体もクタクタに疲れていることでしょう。保育士としてはお休みの日は、おうちでゆっくり過ごすことをおすすめします。
家族が一緒にいる安心感や、おうちで自由に過ごす開放感が、子どもの疲れを癒すことでしょう。
ゆっくり休む日を作ることで、体調を崩すことなく、また、登園を渋ることもなく、スムーズに園生活に慣れていくはずです。
お子さんとたくさん一緒に過ごし、遊んであげたりおやつを食べるなど、向き合う時間を多めに作ってあげたいですね。
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保育園や幼稚園へ入園したら心がけてみたい対応や協力、おうちでしたいお子さんへのフォローなどを紹介しました。
園へ預けたばかりの時期は、ママやパパも職場へ復帰したてだったり、忙しい時期かもしれません。
家族みんなで協力し、元気に過ごせるよう応援しています。
炭本まみ
保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。
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