文部科学省が定義する「確かな学力」とは、読み書き計算といった基礎的な「知識・技能」だけではありません。将来にわたって必要となる「学ぶ意欲」や「思考力・判断力・表現力」を含んだ、幅広い学力のことを指します。
学校で得た知識だけで社会の変化に対応することが難しくなってきているため、子どもたちが学校卒業後も生涯にわたって学び続けられる力が求められています。
文部科学省が掲げる「生きる力」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 これは、変化の激しい社会で、子どもたちが個性を生かしながら問題を解決し、生き抜くために必要な力です。
「生きる力」は、以下の3つの要素によって構成されています。
・確かな学力
・豊かな人間性
・健康・体力
つまり「確かな学力」は「生きる力」を育むために不可欠な土台なのです。 しかし、現代の子どもたちは判断力や表現力が不足していたり、学習意欲が低かったりする傾向にあります。
そのため、生きる力を知的な側面から支える「確かな学力」を確実に育成することが、今後の教育の大きな課題となっています。
文部科学省の提言には、学校・地域・家庭が連携して学力を向上させるための具体的な取り組みが示されています。その柱として「知識・技能を活用する力」の育成や「読書活動の充実」が挙げられています。
これまでの「知識の定着(暗記)」に偏りがちな指導から、問題解決学習や探求的な活動を充実させ、知識を使いこなす「活用力」を育む方向へとシフトしていく必要があります。
文部科学省の新学習指導要領では「確かな学力」を育むために、習熟度別の少人数指導が推奨されています。
同じ学年や学級の中でも、子どもの学習の習熟度には大きな差があります。 そのため、習熟度が近いグループに分けて、それぞれに合わせたきめ細やかな指導を行うことが効果的です。
このような少人数指導は、子ども一人ひとりに合わせた丁寧なサポートが可能になるため「確かな学力」を育みやすい環境と言えます。
「確かな学力」は知識の詰め込み型から、子どもが主体的に学び、不確実な社会を生き抜く力を育む教育へと変わっていく中で、特に重要視されている能力です。
これからの時代において子どもたちが自立して生きていけるようになるためには、教育現場だけでなく、私たち周囲の大人の理解とサポートが不可欠です。
(おやこのへや編集部)
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
おやこのへや編集部
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