忙しい夕方の「見て見て!」はコレで解決。保育士が実践する、子どもが大満足する"5秒の法則"

忙しい夕方の「見て見て!」はコレで解決。保育士が実践する、子どもが大満足する"5秒の法則"
「先生見て!」「ママこれ見て!これ!ママ!」ひっきりなしに呼ばれるその声。 ご家庭でも大変ですよね。 保育園ではそれが一度に10人20人と押し寄せます。 私たち保育士は、その「見て見て!」が単なる「作品自慢」ではないことを知っています。 それは「私を見て!」という心の叫び。 その無限の承認欲求と現場でどう向き合っているか、その視点をお話しします。
目次

1. なぜ「見て見て!」は、無限なのか

「見て見て!」という言葉。 その根っこにあるのは自分の「存在」を確認したいという切実な願いです。

「僕はここにいるよ」「私愛されているかな?」その答え合わせが「見て見て!」なのです。 とくにブロックで高いタワーができたとき、絵が完成したとき。

それはその子の「できた!」という自己が一番高まった輝かしい瞬間です。 その瞬間を一番信頼する大人、つまり保護者の方や保育士に「目撃」してほしい。

その承認によって初めて、その子の達成感は完成するのです。 この承認が得られるまで子どもは安心できず、何度も「見て見て!」を繰り返します。

2. 全てを見ることは物理的に不可能

この無限に見える要求。 それ全てに100点で応えることは物理的に不可能です。

これはご家庭でも園でも同じです。 保護者の方は料理の手を止められないかもしれません。

私たち保育士は20人の子どもを同時に見ています。 一人が「見て!」と言ったその瞬間に、別の子が転んでいることも日常茶飯事です。

もし全ての子の全ての要求に完璧に応えようとすれば、親も保育士も燃え尽きてしまいます。 「全部は見られない」

その現実をまず受け入れることが、この終わらない要求と上手に付き合う第一歩になります。

3. 「10分間の生返事」より「5秒の本気の共感」

私たち保育士が現場で何よりも大切にしていること。 それは対応する「量」や「時間」よりも、その「質」です。

子どもは驚くほど敏感です。 親が10分間スマートフォンを見ながら生返事で相槌を打つよりも、たった5秒間自分の目を真剣に見て「本当だ!すごいね!」と心から驚いてくれる方が、何倍も心が満たされます。

もし本当に手が離せないときは、私たちは無視や生返事をしません。 「今おむつを替えているから、終わったら絶対見に行くね。待っててくれる?」そう正直にそして誠実に伝えます。

その「あなたを大切に思っているよ」という姿勢こそが、子どもの信頼を育てるのです。

4. 「承認」の供給源を分散させる

保育園という集団生活の中で、保育士がよく使うテクニック。 それは承認の供給源を保育士一人に集中させないことです。

「すごいのができたね!みんなにも見せてあげようよ!」そう声をかけ、子ども同士で「すごいね!」「かっこいいね!」と褒め合う文化を作っていきます。

自分と対等な仲間であるお友だちから認められるという経験。 それは大人から褒められるのとはまた違った、大きな自信に繋がります。

子どもが私たち大人だけでなく仲間からも承認を得られるようになること。 それがその子の社会性を豊かにし、無限の「見て見て!」を上手に分散させてくれます。

5. 最終目標は、子どもの心に「自分の軸」を育てること

「見て見て!」という承認欲求は成長の証です。 でもいつまでも他人の評価だけで自分を測っていては心が疲れてしまいます。

最終的な目標は子どもの心の中に「自分で自分を認められる軸」を育てることです。 「見て!」と言われたとき最初は「すごいね!」と共感します。

でも少し成長してきたらこう問い返します。 「この絵のどこが一番上手に描けたと思う?」

親の「すごい」という評価を待つのではなく、子ども自身が自分の作品の価値を見つける。 その練習を繰り返すことで子どもは他人の評価に左右されない、本当の「自己肯定感」を手に入れていくのです。

まとめ

「見て見て!」の嵐は親も保育士も本当に大変です。 でもそれはその子の心が順調に育っている素晴らしい証拠。

その無限に見える要求。その一つひとつに完璧に応える必要はありません。 たった一度の本気の眼差し。

仲間同士の温かい称賛。 そして最後は自分で自分を認められるようにそっと導いてあげること。

私たち保育士はその大切な心のサインを、日々そうやって受け止めています。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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