小学校に上がると気になるのは「学級崩壊」という言葉。
「うちの子のクラスは平和だから」「うちの子はまだ低学年だから…」と安心するのはちょっと待って!
小学校に子どもが通うママたちに実施した学級崩壊についてのアンケート結果からは、思わず背筋がヒヤッとするようなリアルな実情が見えてきました。
わが子が学級崩壊を経験したというママたちの事例や実際に行われた対処法などから、学級崩壊が起きる原因や注意すべき前兆を解説していきます。
授業が成り立たず、学習が遅れる・いじめが起きる・不登校になる…など、見逃せない問題が起きる学級崩壊。
もしもわが子の学校やクラスで起きたらと思うと不安ですよね。そもそも学級崩壊とはどういった状況なのでしょうか?その定義や事例を詳しくみていきましょう。
文部科学省が定めた学級崩壊の定義では
実際に学級崩壊が起きているケースでは
学級崩壊が起きる原因は何なのでしょうか?文部科学省が学級崩壊の102の事例から調査・分析した結果ではその要因を「学級担任の指導力不足の問題や学校の対応の問題,子どもの生活や人間関係の変化及び家庭・地域社会の教育力の低下等がが考えられる」としています。
また、「これらは(中略) 複合的な要因が積み重なって起こります。問題解決のための特効薬はなく、複合している諸要因に一つ一つ丁寧に対処していかなければならないものと考えています」としていることからも、学校や担任のせいだけとは言い切れない、今の教育のあり方や社会にも要因があることがわかりますよね。
今回、話を聞いたママからは「コロナ禍で行事が中止になったり、担任の業務が増えて教室にいる時間が取れなくなったことも、学級崩壊を加速しているのでは?」という声も聞かれました。
参照:教育改革Q&A ~教育改革に関する様々な疑問にお答えします~
おやこのくふうでは小学生のママ16人に「学級崩壊」についてのヒアリングを実施。ママたちが体験した学級崩壊の内容や原因、当事者のわが子へどういった声かけをしたのか?など、気になるその実態をみていきましょう。
「学級崩壊」という言葉をニュースなどでは耳にしても、幼児期はとくに他人ごとに感じているママ・パパも多いのではないでしょうか。しかし今回話を聞いた小学生ママの半数以上が「子どものクラス、または学校内で学級崩壊があった」と回答していました。
「学級崩壊があった」と回答したママに「何年生のクラスで学級崩壊が起きましたか?」という質問をしたところ、「5年生」と回答した人がもっとも多く、次に多かったのは「2年生」、その後は多い順に「1年生」と「6年生」、「3年生」と「4年生」と、すべての学年で事例がありました。
このことから学級崩壊は決してひとごとではなく、身近に起こりうる問題であることがわかりますね。
わが子または学校内のほかのクラスでの学級崩壊を経験したママに、学級崩壊の原因やきっかけを聞いてみると、
「授業中立ち歩きやおしゃべりする児童とそれを注意する児童で対立した」
「クラスに問題行動を起こす児童が集まったことでからかいやいじめが発生した」
「先生と一部児童との間で関係が悪化し、その児童と仲が良かった児童も巻き込んだことで学級崩壊につながった」
「経験が浅い先生だったため授業がまとまらず、いじめや喧嘩も増えて学級崩壊になった」
「先生の問題発言がきっかけで親からの信頼が失われ、親からの批判を聞いた子どもたちが先生をバカにするようになり、言うことを聞かなくなった」
実際に学級崩壊を経験したというママの声の中で、気になったのは崩壊に至るまでの周囲の大人の行動です。
「赴任してきたばかりに先生だっため、学年主任など管理職の先生との関係性が浅く悪化した」
「問題児童の親子を中傷するLINEが保護者間で広まり、さらに状況が悪化した」
ではこのような状況の中、学校側やママ・パパはどうやって立て直しを図ったのでしょうか?学級崩壊を経験したママたちの声からは、一筋縄では解決しない様子が伺えます。
「教育委員会や学校に何度も相談し、学期の途中に担任が変わったことで落ち着いた」
「学校側が状況説明の手紙を配布し、問題のある児童を別クラスに分けた」
「保護者が学校に訴えたことで補助教員が配置された」
というように、対処することで改善が見られたというケースがある一方、
「問題児童の親の意向があり、対処できず学年が変わるのを待った」
「学校と話し合ったり、子どもと話し合ったりしたが対処できなかった」
「保護者が授業の見守りを名乗り出たことで状況は改善したように見えたが、見守りを行った保護者を中心に噂話が広がった」
このように結局、学年の切り替えや卒業を待つしかないケースや、親が介入することでさらに状況が悪化してしまうケースもあるようです。
一度、学級崩壊が起きてしまうと、学校や先生への不信感や問題のある子への陰口、保護者間のトラブルなどもおこりがち。
経験者のママたちによれば、問題そのものの対処のほかに、学校と保護者との間のコミュニケーションにもフォローが必要なケースが多いよう。
「不安があれば親同士ではなく学校に知らせてもらう体制を作った。子どもが安心して過ごせるよう親から過剰な情報を与えないよう学校側が保護者に一斉周知した」
「問題のある子や保護者を元から知っている親を中心に『わんぱくだけど良い子、保護者も把握している』などといったフォローをした」
「親は先生を悪く言わない、先生とは連絡を取り合ってコミュニケーションを活発化することを心がけた」
学級崩壊からの立て直しには学校側だけでなく、ママ・パパからのアクションや協力もとても大切だということがわかりますよね。
身近で学級崩壊が起きた時に心配なのはわが子のこと。いじめなどの当事者となってしまった場合のフォローはもちろん、クラスの雰囲気が変化したり、先生が変わったりと、不安定な環境の中で戸惑う子どもへの接し方に悩みます。
「息子が学校へ行きたくないとなったら、その気持ちを受け止めるようにしていた」
「授業がしんどくなったら学校を休んだり保健室に行ってもいいことや、休み時間は図書室に行ったりと、周りに巻き込まれなくて逃げていいんだよという話をした」
「いじめを受けていたので、休んでもいいよ、何かあったらすぐ教えてと話した」
「勉強は塾で補填すること、いじめには加担しないことを伝えた」
「大人(先生)に言っても解決しない…というあきらめの気持ちがみられたので、親は動けるし相談できるという姿勢を見せた」
実際に経験したおやこでは、「つらい時は我慢しなくていいんだ」という、子どもの気持ちに寄り添った声かけ事例が多くみられました。 また、高学年では大人への不信感も芽生えやすいため、親は味方であることを行動で示したという頼もしい意見も!
一方で、親も試行錯誤していてうまく声がけができていなかったかも…という、子どもにどう声をかけるべきか悩んだという意見も。そういった状況で親も不安になるのは当然のこと!
焦らず、おやこで何がベストなのか相談しながら寄り添っていけたらいいですね。
さまざまな理由で、身近な場所で起きる学級崩壊。もしもわが子の学校で学級崩壊が起きたらどうしたらいいのでしょうか?まず大事なのは学校と協力体制を築くこと。文部科学省が提示した学級崩壊の要因にも「学校と保護者との間で信頼関係が築けず対応に遅れた」という事例が多くありました。
学校側の対応にいら立つこともあるとは思いますが、そこで対立してしまっても問題は解決しません。学校と保護者との協力が早期解決のためのポイントです。また、子どもの変化に気づいて声をかける、何か不安があれば学校に相談するなど、学校任せにせずママ・パパが積極的に動くことも大切になってきます。
学級崩壊には以下のような前兆があるといわれています。子どもの様子やクラスの様子で気になることがあれば、授業参観や学校開放日に以下の内容をチェックしてみてください。
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学級崩壊からの立て直しには、学校とママ・パパとの協力が不可欠!そして学校との連携では「子どものため」という姿勢が重要です。両者が常に「子どものためになっているか?」を考えながら、ひとつひとつの問題を解決していけたらいいですね。
ライター Ichika
山梨県生まれ。関西、九州での生活を経て11年ぶりに地元に戻りライター業をスタート。身内や友人に教育関係者が多く、たくさんのヒントを得ながら自分なりの育児を模索中。子育て経験をもとにした体験談やコラムも発信しています。
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