言葉が遅い子どもでも安心!言葉以外の豊かなコミュニケーションとは。

言葉が遅い子どもでも安心!言葉以外の豊かなコミュニケーションとは。
周りのお友だちがおしゃべりを始めると「うちの子はまだ単語しか…」と、つい比べて焦ってしまう。 そのお気持ち、私たち保育士は痛いほどわかります。 言葉の発達は個人差がとても大きいもの。 でもそれ以上に私たちが日々感じているのは、言葉という枠に収まりきらない子どもたちの、驚くほど豊かなコミュニケーションの世界です。
目次

1. 言葉の「早さ」と心の「豊かさ」は別

まず知っておきたいこと。 それは言葉の習得が早いことが、必ずしも心の豊かさや思考の深さに直結するわけではないということです。

私たち保育士は、たくさんおしゃべりができる子も、ゆっくりと言葉をためている子も毎日見ています。 大切なのは言葉の「数」ではありません。

その子が今どれだけ自分の五感を使って世界を感じているか。 どれだけ心に伝えたい「思い」をため込んでいるか。

言葉はあくまでその「思い」を乗せるための器の一つに過ぎないのです。

2. 最高のコミュニケーション、それは「眼差し」と「指差し」

保育園ではこんな場面が日常茶飯事です。 子どもがふと空を指差す。

見上げると飛行機が飛んでいる。 子どもは言葉の代わりに満面の笑顔と「先生も見て!」という熱い眼差しで、私たちに訴えかけてきます。

これが言葉以外の最高のコミュニケーション「共同注視」です。 「同じものを見て、同じ気持ちを共有したい」その心のキャッチボールができていること。

それこそが言葉の発達の、何よりも大切な土台が育っている証拠なのです。

3. 体は言葉よりもおしゃべり

言葉はコミュニケーションのほんの一部です。 子どもの体は、言葉以上に雄弁にたくさんのことを私たちに伝えてくれています。

保育士の服をぎゅっと引っ張って、絵本の棚へ連れて行く。 これは「読んでほしい!」という強い要求です。

給食で苦手なものをそっと横に押しのける。 これはいらないという明確な意思表示。

うれしくてジャンプする体。 悲しくてうずくまる背中。

私たちはその小さな全身から溢れ出す豊かな「心の言葉」を日々受け取っています。

4. 「聞く力」は静かに育っている

「言葉が遅い」と心配なとき、私たち保育士がまず注目するのは「話す力」よりも「聞く力(理解する力)」です。 「赤いブロックを持ってきてくれる?」その呼びかけに子どもがぱっと反応し、たくさんのブロックの中から正しく赤色を選んで持ってきてくれる。

それは子どもの頭の中に、言葉の意味がしっかりと蓄積されている証拠です。 話すことはまだゆっくりでも、聞くという「入力」の機能はどんどん大きくなっている。

その静かな成長を何よりも大切に見守ってあげたいですね。

5. ご家庭でできること。焦らず比べず、ただ一緒に

親御さんの「早く話してほしい」という焦り。 それは子どもに伝わり、かえって言葉へのプレッシャーを感じさせてしまうことがあります。

私たち保育士が心がけているのは、焦らず比べず、ただ楽しい言葉のシャワーを浴びせ続けることです。

「ブーブー来たね、かっこいいね」「お花きれいだね。赤色だね」など、親が楽しそうに世界を実況中継してあげる。 そして子どもが何か指をさしたら「本当だね!」と思い切り共感する。

そのあたたかいやり取りこそが言葉の芽を育む最高の土壌になります。

まとめ

言葉の発達は一人ひとり、歩く速さが違うのとまったく同じです。 周りと比べて焦る必要はありません。

子どもは今、言葉にはなっていないたくさんの「思い」を、その小さな体にためています。 その豊かな内なる世界を信じて待ってあげること。

そしてもちろん、どうしてもご心配なときは一人で抱え込まず、保育士や専門の窓口に気軽に相談してくださいね。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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