自然や地域と関わる取り組みや農業・栽培体験。わが子にどのくらい体験させたいですか?【SDGsと保育に関する意識調査】

自然や地域と関わる取り組みや農業・栽培体験。わが子にどのくらい体験させたいですか?【SDGsと保育に関する意識調査】
保育園に子どもを預けている保護者を対象に実施した「保育園での社会的な取り組みやSDGsに関する取り組みへの関心度に関する調査」では、SDGsを認知する保護者の8割以上が「SDGsへの取り組みが保育園を選ぶ基準になる」と回答。保育園での社会的な取り組みが子どもの生きる力につながると考える家庭が一定数以上存在することが明らかになりました。
目次

2020年、その言葉が広く浸透したものの一つといえばSDGs(エス・ディー・ジーズ)ではないでしょうか。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称**で、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「気候変動に具体的な対策を」など17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

「SDGsの認知と保育に関する意識の把握」を目的に、保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香がアンケート調査を実施。その結果、「保育園で社会的な取り組みを行うべき」と感じる保護者が8割以上いることがわかりました。

保育園に導入して欲しいものとして「自然や地域と関わる取り組み」が25%も!

「あなたは、保育園において自然や地域と関わりノスタルジーを感じさせる取り組みと幼児教育として英語や体操等のカリキュラムを積極的に導入することのどちらを行ってほしいと思いますか?」と質問したところ、「幼児教育」が28.0%、「自然や地域と関わる取り組み」が25.0%という回答に。どちらも行ってほしいという回答は38.0%に。

自然や地域と関わる取り組みを行ってほしい理由として「自然が少ない都会に住んでいるから(36歳)」「自分が住んでいる地域のことを学ぶことは大切だと思う(35歳)」などの声がありました。

地域社会に関する取り組みが行われている保育園は8割

「あなたのお子さんが通っている保育園では、周辺施設や地域住民との交流など地域社会に関係する取り組みが行われていますか?」と質問したところ、「頻繁に行われている」が34.0%、「年に1・2回程度行われている」が48.0%で、トータルで82%。

その具体的な内容としては、「戦争時代を一緒に考える」「老人施設への訪問」「介護施設への訪問」などが挙げられました。このコロナ禍で、残念ながら施設の訪問はしばらく難しそうですが、核家族が大半となっている現代ではお年寄りとのふれあいは貴重な体験ですよね。

子どもに取り組んでほしいもの第1位は「農業・栽培体験」

「地域社会に関する取り組みが行われていない」と回答した人に、「今後、あなたのお子さんが通う保育園で取り組んでほしい取り組みを教えてください(複数選択)」と質問したところ、「農業・栽培体験」が66.7%、「職業体験」が58.3%、「昔ながらの遊び」が41.7%となり、上位3位を占めました。

田植えや稲刈り、芋ほりなどの農業体験や、野菜などの植物の栽培体験で子どもが学ぶことは大きいもの。また、家ではなかなかできない、駒回しや竹馬、お正月の羽根付きなど昔ながらの遊びも保育園での時間で体験できたられしいですよね。

SDGsの内容を知っている保護者は約3割。そのうちの約8割が「保育園選びにSDGsへの取り組みを重視」と回答

「SDGsとは、『持続可能な開発目標』として、国連で決められた国際社会共通の目標です。あなたはSDGsについて知っていましたか?」と質問したところ、「名前だけでなく内容も知っている」が35.0%、「名前は知っているが内容は知らない」が35.0%。 最近SDGsは色々なメディアで目にする機会が増えましたが、まだその内容を正しく知っている人は少ないようです。

「名前だけでなく内容も知っている」と回答した人に、「SDGsを掲げる保育園が少しずつ増えてきています。保育園を複数の候補から選ぶ際、SDGsへの取り組みは基準の一つになりますか?」と質問したところ、「なる」が62.9%、「ややなる」が20.0%という回答に。

未だ保育園の数は充分ではなく、とくに都市部では「入りたい保育園」よりも「入れる保育園」に入園することになるのが実情。しかし、選べるのであれば世の中の流れに合った取り組みを行う保育園は魅力的ですよね。

「保育園で社会的な取り組みを行うべき」と思う保護者は約8割

「保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきだと思いますか?」と質問したところ、「とても思う」が22.0%、「思う」が56.0%、トータルで78%に。

未来を生きる子どもに「環境問題」への取り組みはぜひ関心を持って参加してもらいたいですし、地域での活動が希薄になってきているいま、園生活を通じて自分が済んでいる地域に愛着を持てるような取り組みがあれば魅力的ですね。

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幼保一元化により、英語や算数といった認知能力を養う幼児教育を取り入れる保育園も増えている中、人格形成の基礎につながる非認知能力を育む活動が重要だと考えている保護者も実際には多い様子です。
地域や社会とつながる取り組みは、社会性や思いやりなどが学べる活動として、保育園選びの観点からも存在感を増していく要素となりそうですね。



調査概要:SDGsと保育に関する意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年12月9日〜同年12月10日
有効回答:保育園に子どもを預ける保護者100名

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執筆者

ライター 山口 舞

大学卒業後、テレビ局に勤務。幼児番組などを担当する。退職後、書籍・雑誌の編集に携わり、実用書や英語テキスト等を担当する。現在は、4歳男子の子育てをしながら、児童書の編集、児童文学創作、ソビエト児童文学の翻訳など活動中。

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