「もう赤ちゃんじゃない!」5歳児の自立心とまだ甘えたい気持ちについて。

「もう赤ちゃんじゃない!」5歳児の自立心とまだ甘えたい気持ちについて。
「もう年長さんなんだから」という言葉。 5歳児クラスの子どもたちにとって少し重たい呪文でもあります。 園では一番大きいお兄さんお姉さんとして小さい子の手本になろうと張り切る。 でもお家に帰ると急に赤ちゃん言葉になったり抱っこをせがんだりして保護者の方を戸惑わせることがあります。 自立心と不安の間で揺れ動く5歳児の心。 今回は就学を控えたこの時期特有の繊細な心理と、大人ができるサポートについてお話しします。
目次

1. 年長さんというブランドの重み

4月に年長クラスのバッジをつけた瞬間から子どもたちの顔つきは変わります。 「自分がこの園で一番大きいんだ」という自覚。

それが彼らの背筋を伸ばし行動を変えます。 泣いている小さい子がいればティッシュを持って駆けつけ、散歩では車道側を歩こうとする。

その頼もしい姿は決して演技ではありません。 彼らなりに「かっこいい自分」であろうとする等身大の正義感とプライドの表れです。

園での彼らは常にアンテナを張り巡らせ、期待に応えようと小さな体を精一杯張って頑張っています。

2. 家は鎧を脱ぐ場所

園で気を張って頑張っている分だけ家ではその反動が出ます。 「着替えさせて」「ママがやって」など。

外では一人で完璧にできていることでも家では急にできなくなります。 これは退化ではありません。

外での頑張りを支えるためには家で脱力する時間が必要不可欠なのです。 「外ではちゃんとしているから大丈夫」そう割り切って家でのダラダラを受け止めてあげてください。

3. 見えない未来への不安との戦い

5歳児の心の奥底には「もうすぐ一年生」という期待と同じくらいの大きな不安が渦巻いています。

勉強って難しいのかな。 友だちはできるかな。

見えない未来への恐怖は大人でもストレスになるものです。 ましてや子どもにとっては未知の世界。

そのプレッシャーに押しつぶされそうになったとき、無意識に赤ちゃん返りをすることで「守ってもらえる自分」を確認し安心しようとします。

甘えは不安に対する心の安全装置なのです。

4. 「甘やかし」と「甘えさせ」の違い

この時期に甘えさせることは自立を妨げることにはなりません。 お菓子やおもちゃを無制限に買い与える物質的な「甘やかし」は我慢する力を弱めます。

しかし「抱っこして」「話を聞いて」という心の求めに応じる「甘えさせ」は、自立するためのエネルギーを補給する行為です。 十分に依存できた子だけが安心して自立へと旅立つことができます。

今は突き放す時期ではなく、たっぷりと愛のガソリンを注ぐ時期です。

5. 誇りを傷つけずに甘えを受け止める

子ども自身も「甘えたいけどかっこ悪くて言えない」という葛藤を抱えています。 だからこそプライドを傷つけないような受け止め方が大切です。

「赤ちゃんみたいね」と笑うのではなく「今日は疲れたんだね」「充電タイムだね」と言い換えて抱きしめる。 本人の「年長さんとしての自立心」を尊重しつつ、弱音を吐ける逃げ場を用意する。

そのさじ加減が子どもの自己肯定感を守ります。

まとめ

「もう赤ちゃんじゃない!」と言いながら膝に乗ってくる。 そんな矛盾した姿こそが5歳児の愛おしさです。

行きつ戻りつしながら、子どもは確実に大人の階段を登っています。 甘えてくるのは信頼されている証拠。

小学校までの助走期間、その背中を温かく支えてあげてください。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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