子育ては自分の時間を子どもに与え、頭の中や感情までも子どもに支配されるような感覚がありますね。
特に生活のすべてのお世話が必要な0歳児、イヤイヤ期の1歳から3歳児、反抗期の4歳から5歳児と、小学校入学までは特に保護者の方々がイライラする時期が続きます。
小学校に入学した後は、違った悩みや心配に変わっていきますが、子どもの自立とともに保護者がイライラするようなことは減っていくものです。
まだまだ小さくて保護者を必要としている健気なわが子……。わかってはいるものの、どうしても怒鳴り散らしたり、イライラしたりとヒステリックになってしまい、自己嫌悪におちいることもあるのではないでしょうか。
そこで保育士ライターの炭本まみが、保育園の保護者との関わりや自分自身の子育てを通して経験した「子育てのイライラ」を乗り切るポイントを詳しく紹介します。
子育て中のイライラは、誰にでもあること。子育て世代向け情報サイト「いくじてん」が1〜3歳の子供を持つ保護者100人を対象に行ったアンケートでは、9割以上が子育てにイライラを感じているという結果になりました。
またアンケートによれば、子どもと接する機会の多いママのほうが、イライラすることが「よくある」と答えています。
子育てでイライラするのはどんなときでしょうか。同じ場面で昨日はイライラしなかったのに今日はイライラを強く感じたということもありますね。
日ごろの育児疲れの蓄積によってイライラを感じる場面が変わることもあります。
アンケートによれば、もっともイライラしやすい時は「食事」でした。
子どもの食事時間にいちばんストレスやイライラを感じるのは、寝かしつけ・身支度・お風呂や排せつ・夜泣きなどに比べ、事前準備や手間が必要になるからでしょう。
子どもの食事をせっかくしたのに嫌がって食べない、食べさせようとしたら自分で食べたがる、小食・過食、遊び食べ、汚れの後始末など、食事の前後にも多くの手間がかかります。 せっかく作ったものを食べないほど、疲れが増幅することはありませんね。
筆者にも同じような経験があります。わが家の長男は極度の偏食があり、決まったものしか食べませんでしたが、初めての子どもだったのできっちりと栄養を考え、作り置きをしたり調理方法を変えたりと工夫しました。
それでも決まったものしか食べず、嫌がって泣いたり怒ったりと壮絶な時間が毎日のように続きました。食材も作った労力も無駄になり涙がこぼれるときもありました。
今では、なんでも食べるようになりましたが、その当時は必死だったことと、力の抜きどころがわからず、イライラが強かったのを記憶しています。
上記のアンケート結果でそのほかの項目についても、仕事を持つ保護者やワンオペ育児気味の場合は、イヤイヤ期や注意を聞かない時期の子どもに対しイライラが強くなるでしょう。 子どもとの生活は、保護者の思う通り・時間通りにはいかないことだらけ。イライラが募るのは当然のことなのです。
子育てのイライラの原因は、思うようにならない子育て・子どもが原因ですがそれ以外の理由としては、自分の時間がない・パートナーや家族・家事や仕事との両立・経済面の順になっています。
それぞれの原因に対してイライラを抑えるポイントはどのような方法があるのでしょうか。
思うままにならない子どもに毎日関わるとき、イライラしない方法など本当にあるのでしょうか。
時間や思考、行動を自分以外の誰かに邪魔されたり妨害されることが何年も続くのは非常に忍耐が必要であり、辛いことですね。それがたとえ愛するわが子であっても、人間には限界があります。イライラするのは当然のこと。
子ども自身を変えることはいくら保護者であってもできません。極端ですが、子どもを暴言・暴力で怖がらせ言いなりにさせることは虐待となり、子どもの心の中に一生の傷をつけることになります。
子どもを変えることは子どもの成長に大きな影響を及ぼします。変えられるのは保護者の気持ちの持ち方かもしれません。
子どもに寄り添う子育てはとても大切なことです。ですがその中で、保護者は自分の中で折り合いをつけ、ここまではする、ここからは手を抜く、自分を許すという線引きをしてみましょう。
子育てのイライラには、家族やパートナーに対するイライラが大きい場合もあります。 自分以外の家族にイライラするのはなぜでしょうか。
そこには、相手に対する以下のような「期待」があり、その期待が裏切られるからでしょう。
家族やパートナーに対して、このような気持ちを抱いては、打ち砕かれ、イライラしてはいませんか?
たとえパートナーや家族とはいえ、ひとは自分が日常的に経験していないことに対して、イメージをすることはできても本当の理解はしがたいものです。
子育ての本当の辛さ、逃げ場のなさ、子育てをする人の代わりがいない大変さ、自分の思考さえ子どもに支配されているような閉塞感は、なかなか理解できないことでしょう。
それを言わなくても察してほしい、なぜわからないのか?とパートナーを責めても、残念ながらわからないものはわからないのです…。
本当の意味での理解をしてもらうのはむずかしくても、相当大変なのだということを理解してもらうためには、「察してもらう」ということを期待するのは難しいもの。
また、なぜわからない?見ていたらわかるだろう?と相手を責めることは、お互いに心の距離を離してしまう可能性があります。
「食事をさせるときが大変で辛いんだ」「家事がまったくできず、子育てにばかり手が取られて、部屋の掃除まで手が回らないんだ」「一日中抱っこしていないと泣き止まないから体がすごく辛いんだ」など、日ごろの辛さを淡々と話してみましょう。我慢したり、察してもらうまで耐えることは、イライラにつながり、良くありません。
一緒に子育てをするパートナーに、大変さがわからなくても、辛さや忙しさを訴えるだけでもイライラは減ってきます。
それでも、要領が悪い・子育ての仕方が悪いなどと責めてくる人がいるかもしれません。そんなときは、半日から一日、子どもを預けて思い切って出かけてみましょう。理解してもらうには一番の近道のはずです。
子育ては24時間休みなく毎日何年も続くことです。辛くても疲れていても、手を休め子どもから離れ、自由な自分だけの時間を持つことはできない…。そんなイメージがありますね。
もちろん保護者として子育てを放棄することはできませんが、リフレッシュする時間を持つことは可能です。
本当は何時間・何日も子どもから少し離れて休みたいところですが、そうもいきません。 そんな保護者のためにあるのが、一時預かりなどの子育て支援です。
実家に預けることができない、ママ・パパのお休みがない、周囲に頼る人がいない、イライラと疲れが抜けない、そんな保護者におすすめです。
暮らしている自治体にもよりますが、認可保育園・認可外保育園、幼稚園、こども園、企業主導型保育園では、一時預かり事業を行っている施設があります。
仕事をしている保護者、仕事をしていない保護者、短時間勤務など様々なシチュエーションによって方法や料金が違います。また、自治体によっては預かり保育・一時保育が無料の場合もあります。
そのほかにも、一時的に利用ができる「ファミリーサポートセンター事業」や、「子育て短期支援事業」などを実践している自治体もあります。
詳しくは、自治体の子育て支援課などへ問い合わせてみましょう。
一日数時間でも自分だけで動ける時間、休める時間があるだけで、イライラは劇的に減少します。一時預かり事業を利用している保護者の中には、「数時間離れただけなのに、子どもにとても会いたくなりました。」と言いながらお迎えにくるひともいました。
数時間だけでも子どもと離れ、自分の思うままに考え動けることは大きなリフレッシュになるのです。積極的に利用し、心身ともに休みましょう。
共働き家庭の場合、仕事と子育て、家事と3つのことを毎日何年間も続けていくのはイライラや疲れが積み重なることでしょう。
また一方で、共働きではない場合は経済的な不安が募り、心に余裕がなくなりいつも考え込んだり不安な気持ちを抱えながらの生活になるかもしれません。
楽しくトライできる節約術や、フリーマーケット・オークションなどへの出品、仕事をしていない場合は、保育園に預けて働きに出るなど、原因に対する具体的な対処法を実践しましょう。
パートナーや家族がいる場合は、仕事と家事・育児についての分担や、子どもが欠席をしたとき・病院に連れていくときなど緊急の場合はどうするかなど、さまざまなシチュエーションについて話し合っておきましょう。
子育てのイライラが抑えられず、自分を責めて心を病んでしまったり、子どもに手をあげたり暴言を吐いてしまうようになったとき、また、子どもと関わることができなくなったり、眠れなくなるなどの状態を感じた場合は、すぐに相談機関へ相談をしましょう。
子育てに限界を感じる前に、日頃から不安や悩みを気軽に話せる人を増やしておくことは、イライラがピークにならない方法です。
子育て支援センターや、幼稚園・保育園の先生、児童相談所は、プロの子育て機関なので、さまざまな悩みに対する具体的な対処法を的確に教えてくれます。
つらいときは自分が思うよりも大幅に視野が狭くなっているものです。住んでいる地域にあるプロの相談支援や子育て機関に相談することで、視野が広がったり、良い方法を教えてもらえるはずです。
また、子育ての方法や子どもの発達の悩みなどに対しての関わり方や、専門機関の紹介をしてくれます。
どんな小さなことでも恥ずかしいことではありません。深く悩む前にぜひ気軽に相談してみましょう。
***
思うようにすすまない子育て中の日常生活は、誰もがストレスを抱えイライラしてしまうものであり、自然なことです。
自分を責めたり、周囲に当たり散らしてしまうこともあるでしょう。
でも大変な時期の子育てには必ずゴールがあります。それまでは、保育園に預けて仕事をしたり、一時預かりを利用するなど子どもと少し距離をおくことで、子育てから離れることで、イライラやストレスが収まることも多いもの。
保護者が心に余力を持って子どものすべてを受け止めてあげられるように、家庭環境と自分に合った方法でイライラする子育て期を乗り切りましょう。
炭本まみ
保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。
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