【保育士監修】幼稚園のクラス替えが不安な子に。悲しみを安心に変える声かけ

【保育士監修】幼稚園のクラス替えが不安な子に。悲しみを安心に変える声かけ
新クラスの名簿。そこには残酷な現実が待っています。「仲良しのAくんと離れちゃった…」と肩を落とす我が子。1学年が4クラスも5クラスもあるような大型園では、クラス替えは一種の「民族大移動」であり、子どもにとっては不安がおしよせる大事件です。彼らに必要なのは、無理やり前を向かせることではなく、その不安を具体的な安心材料で埋めてあげることです。今回は春の嵐に揺れる小さな心を守るための、親の言葉選びについてお話しします。
目次

1. 「悲しいね」は「楽しかったね」の裏返し

まずやってはいけないのが「泣かないの!」「すぐ新しいお友だちができるよ」と悲しみを否定することです。 大好きなお友だちと離れるのは、大人で言えば信頼していた同僚全員と部署が別れるようなもの。 不安で当然です。

まずは「寂しいね」「Aくんと一緒が良かったね」とガッカリする気持ちに100%共感してください。 そして「そんなに悲しくなるくらい、Aくんと仲良くできたんだね」と伝えます。

別れがつらいのは、それだけ充実した一年を過ごせた証拠です。 悲しみを否定せず「良い一年だったね」という達成感に変換してあげることで、子どもは自分の感情を肯定的に受け止められるようになります。

2. 友だちは交換ではなく追加される

子どもは「クラスが替わる=今までの友だち関係がリセットされる」と誤解しています。 古い友だちを失い、ゼロから新しい友だちを作らなければならないというプレッシャーを感じています。 ここで伝えるべきは「友だちは減らない」という事実です。 「Aくんはずっとお友だちだよ。それに新しいクラスでもお友だちができたら、遊べる人が2倍になるね」と教えます。

人間関係はスクラップ&ビルド(破壊と再生)ではなく、コレクション(追加)です。 「休み時間はAくんとも遊べるし、Bくんとも遊べる。最強だね」と、世界が広がるイメージを持たせてあげてください。

3. 園庭という「共有スペース」の存在

大型園のメリットは、クラスが違っても園庭や廊下で必ず会えることです。 「教室は違うけど、外遊びの時間は一緒だよ」という具体的な情報を伝えます。

子どもは「会えなくなる」と思っているので「会える場所」を具体的に提示するだけで安心します。 「給食は別々だけど、バスは一緒だね」「靴箱の場所は近いね」と、つながっている接点を探して教えてあげましょう。 完全に分断されるわけではないと分かれば、クラス替えの壁は少し低く見えてきます。

4. 担任の先生は「新しい味方」

友だちと同じくらい不安なのが新しい担任の先生です。 「怖い先生だったらどうしよう」と感じる子もいます。

そんなとき、親まで一緒になって「あの先生、厳しそうよね」と噂話をするのは厳禁です。 子どもは親の不安を敏感に感じ取ります。 「今度の先生、ピアノが上手なんだって」「ニコニコして優しそうだったよ」と、ポジティブな情報を事前にインプットします。

先生を「評価」するのではなく「あなたのことを知りたがっている新しい味方」として紹介します。 親が先生を信頼している姿勢を見せることが、子どもの安心感に直結します。

5. 家だけは「変わらない場所」であること

環境が激変する春、子どもは外で気を張って疲れています。 だからこそ、家の中だけは何も変えないでください。

特別なことはしなくていいのです。 いつも通りの朝ごはん、いつものお見送り、いつもの「おかえり」。 外の世界がどれだけ変わっても、帰ってくる場所(家と親)は絶対に変質しないという事実が、子どもの挑戦を支える土台になります。

「クラスが変わっても、ママは変わらないよ」と抱きしめてあげてください。 帰れる場所さえあれば、彼らは新しい教室という海へまた漕ぎ出していくことができます。

まとめ

クラス替えの涙は、お子さんが「人とのつながり」を大切にできるようになった成長の証です。

別れではなく拡大。 知らない場所ではなく新しい冒険。 少しだけ言葉を変換して、背中を押すのではなく、横に並んで一緒に新しい春の景色を眺めてあげてください。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

line
執筆者

保育士 でん吉

でん吉さんの記事一覧をみる

おすすめ記事

「子育てのヒント」人気ランキング

うちの子の年齢別情報

おやこの毎日に
役立つ情報をお届けします

facebook instagram