どうして小学校の先生は「〇〇さん」と呼ぶの?元小学校教諭が教える明快な理由

どうして小学校の先生は「〇〇さん」と呼ぶの?元小学校教諭が教える明快な理由
お子さんが保育園や幼稚園で「〇〇ちゃん」と呼ばれていたけれど、小学校に入ったとたん「〇〇さん」と先生に呼ばれてとまどった経験はありませんか? 最近は保育園幼稚園でも「〇〇さん」と呼ぶところもありますが、まだ少数です。 筆者モリハナも、1年生を担任したときに「〇〇さん」と全員をさん付けで呼んでいました。 どうしてだろう?元小学校教諭モリハナの例をお伝えします。
目次

どの子も同じように大切にしたいから

モリハナは「どの子も同じように大切にしたい」との思いで全員を「〇〇さん」と呼んでいました。 性別、年齢、国籍関係なくどの子も同じ大切な存在です。 「みんな大事だよ」の気持ちをこめて全員を同じように「〇〇さん」と呼んでいました。 さらに以下のような理由で「〇〇さん」と呼んでいました。

「ちゃん」「くん」の呼び分け区別は?

「ちゃん」「くん」の呼び分けはどうやってするのでしょうか。性別でしょうか。 一般的に女の子は「ちゃん」で男の子は「くん」で呼ぶことが多いですね。では、なぜ大人は「さん」?

何歳から「さん」と呼ばれるのでしょう。 そして、目の前にいる子どもは男の子、それとも女の子? 「もちろん男の子です。」と断言できる理由はどこでしょう。外見?ではその子どもの心は?

いろいろな人がいて当たり前

性的マイノリティという言葉を聞いたことがありますか。

体の性と心の性が一致しない人、また男女どちらの性でもない「ノンバイナリー」の人もいます。 性的マイノリティの人は10人にひとり、左利きの割合と同じと言われています。

例えば、目の前にいる子どもが、体の性が男として違和感を持って毎日を過ごしている子どもだったら。 先生に「〇〇くん」と呼ばれたとき、その子どもはどんな気持ちになるでしょうか。 学校生活がつらいものになるかもしれません。

性の自覚には年齢差がある

年齢の小さいうちは、自分は男の子!女の子!と自覚がないまま大きくなります。

小学校入学前に「あれ?なんでお姉ちゃんはスカートをはくのに、自分は小学校にはいて行ったらだめなの?」 「なんでお姉ちゃんと自分は違うパンツなの?同じなのにどうして?」と違和感を持ちだした話を聞きました。 思春期に入り「なんで胸がふくらんでくるの?」とショックを受けた子もいます。

もちろん、男の子の体で生まれ、男の子として大きくなる、女の子の体で生まれ、女の子として大きくなる子たちがたくさんいます。 ですが「あれ?」と思っても言えない子もいるのです。

モリハナがたくさんの人と接して学んだこと

モリハナは性的マイノリティの当事者の方と話したことがあります。 中学校の制服のスカートが苦痛だった、と話してくれました。 男の人が毎日スカートをはいて学校に行きなさいと言われたらいやですよね、とも。

最近は男女関係なく着ることができるジェンダーレス制服を採用する中学・高校も増えてきました。 目の前の子どもに対等に接し、1人の人として大切に名前を呼ぶ。 いちばんしっくりするのが「さん」でした。

おわりに

元保育士・幼稚園教諭・小学校教諭のモリハナせんせいです。 0歳から12歳を担任してきました。たくさんの子どもから、たくさんのことを学びました。みなさんの子育てのお手伝いができれば嬉しいです。

ライター/監修:モリハナせんせい(小学校教諭第一種免許状・小学校教諭第二種免許状、幼稚園教諭第二種免許状、保育士免許)

line
執筆者

保育士資格 幼稚園教諭2種 小学校教諭1種2種 モリハナせんせい

モリハナせんせいさんの記事一覧をみる

おすすめ記事

「子どもとの暮らし」人気ランキング

うちの子の年齢別情報

おやこの毎日に
役立つ情報をお届けします

facebook instagram