地元の病院に通院していたときのことです。
待合室で自分の順番を待っていると、自動販売機の前で困り果てている男性がいました。 財布を何度もひっくり返すようにして、焦った様子でポケットや小銭入れを探っています。
どうやら飲み物を買いたいのに、小銭が足りないようでした。 あんなに慌てた顔をされると、どうにも放っておけません。
見かねた私は財布を取り出し、男性に声をかけました。
「これ、使ってください」
100円玉を2枚差し出すと、男性はハッとした顔をして深く頭を下げました。
「本当に助かります、ありがとうございます!」
無事に飲み物を買えた男性はほっとした表情になり、その後、ベンチで少しだけ雑談をすることになりました。 世間話の流れで、私が「じつはコーヒーが好きで、毎日欠かさず飲んでいるんです」といった話をしたのを覚えています。
すると男性は、真剣な表情でこう言いました。
「今日のお礼をきちんとお返ししたいので、ぜひ連絡先を教えていただけませんか?」
「ほんの小銭ですから、どうぞ気になさらないでください」
と伝えたのですが、男性が「どうしても!」と譲らないため、一応連絡先をお教えすることにしたのです。
それから数週間が過ぎ、病院での出来事もすっかり忘れていた頃のことでした。 自宅のアパートに、ずっしりと重い大きな荷物が届いたのです。
送り主の名前を見てもまったく見覚えがありません。 首をかしげながら箱を開けてみると、そこには数万円はしそうな、とても立派なコーヒーメーカーが入っていました。
驚いて箱の中を確認すると、一通の手紙が添えられていました。
「先日は温かいお心遣いを、本当にありがとうございました」
あの日の男性からの贈り物だと悟り、私は思わず「えっ、ウソ…!?」と声をあげてしまいました。 あんな小さな親切が、まさかこんなすてきな形で返ってくるなんて思ってもおらず、心底たまげました。
今でも毎朝、そのマシンでコーヒーを淹れるたびに、あの日の出来事を思い出します。
(男性/61歳/自営業)
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています
※この記事はAI生成された画像を一部で使用しています
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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