親がつねにスマートフォンを持っているのが当たり前、生まれたときからデジタル機器に囲まれて生活する今の子どもたち。
中でも、外出先や静かにしてほしいときなどに手軽に見せられる動画は、視聴したことのある子も多いのではないでしょうか。
親にとってはメリットがある一方、子どもがハマってしまい動画ばかり見たがるようになるなど、付き合い方に悩むことも多いもの。
幼少期の動画との付き合い方について、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいました。
新型コロナウイルス感染症の影響で生活スタイルも大きく変化していますし、今や子どもを完全に電子機器から遠ざけることは不可能ですよね。そしてこれからの時代、テクノロジーとの共存が当たり前になっていくことを考えると、むしろ電子機器を活用していくべきでもあります。
ただし、動画やゲームなどは小さな子どもは容易に中毒になってしまいます。電子機器を使う目的を明確にして、ルール付けをすることがとても重要です。
電子機器を使う目的は大きく3つあります。
ひとつは「学習のため」、次に「テクノロジーを使う側になるため」、そして現在の社会状況下では特に意識したい「運動のため」。
これらの目的を意識して、特に中毒になりやすいと言われる10歳頃までは、親が子どもの電子機器との付き合い方をしっかり管理していくことが大切です。
そして、これ以外の目的ではなるべく使わないことをおすすめします。
特にYouTubeは娯楽系や勉強系などチャンネルが豊富で、子どもの注意を引くにはもってこいですよね
一度見た動画から興味に合わせた別の動画が自動で表示される機能があり、子どもがハマりやすいのは言うまでもありません。
しかし、おもちゃを使った遊びや手を動かす学習と違い、YouTubeはただ見るだけの受動的な活動になり、脳を含め子どもの成長につながるとは考えにくいです。
ただ、もうすでに普段からYouTubeを子どもに見せている、また理由があってこれから見せたいと思っている場合は、YouTubeの性質を理解して見る時間や方法などのルール付けをしっかりしていきましょう。
YouTubeの中でも子どもが喜ぶ娯楽動画ですが、先に挙げた3つの目的に合致しないこと、中毒性が高いことからあまりおすすめしていません。
優良なチャンネルもあるとは言え、親が見てほしくない動画にも子どもが自由にアクセスできる危険がありますし、何よりハマってしまったあとが大変です。
外出先での待ち時間などに活用したいと考える家庭もあるかもしれませんが、まずは絵本などほかのツールを試して、動画以外で集中できるものを見つけましょう。そして、特に見せたいものがある場合でも、基本的に10歳までは与えないことをおすすめしています。
すでに娯楽動画に親しんでいたり、これから与える場合はYouTubeをテレビと連動させてテレビで見る、家にあるパソコンを使うなど持ち歩けない方法で見るようにしましょう。
そして、見る時間や方法などを家族で話し合ってルールを決め、家族全員でそのルールを守るようにすることが大切です。
後付けではなく見始める前に、こういう理由でこういうルールにしようね、と子どもと一緒に考える時間があるといいかもしれません。
文字や計算を教えたり、英語にふれることができるなどお勉強系の動画、社会見学的に教養を得ることができる動画は、完全に見せてはいけないとは言いません。
ただし、見せるときは、スマホのような小さな画面に子どもが釘付けにならないように、テレビやパソコンで見るなど、できるだけ大きな画面で見るようにしましょう。
また、いくらお勉強系とは言っても、テレビの付けっ放しは子どもにとって受動的な時間になるため、時間を決めて見せるようにしましょう。
そして「学習のため」の目的を意識して、子どもが自由に扱えないようにして親の管理のもとで見せるようにしてください。
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YouTube動画は、大人も時間を忘れて見てしまうことがありますよね。そんな大人でも簡単にやめることが難しいものは、子どもが自分でルールを守って付き合っていくことはとても難しいこと。
それが原因で叱る場面が増えてしまうなど、動画の視聴は親にとっても子にとってもデメリットが多いこと。ひまつぶしに安易に見せることなく、その弊害をしっかり認識してうまく管理するようにしたいですね。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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