稲刈り後の田んぼは学びの宝庫!?意外と知られていない”教育的価値”とは

稲刈り後の田んぼは学びの宝庫!?意外と知られていない”教育的価値”とは
元・小学校教員の、かなです。子どもを遊ばせたり学ばせたりしたいなら、公園や習いごとに限定することはありません。何もなさそうに見える稲刈り後の田んぼも最高の学びの場になりますよ。田植えや稲刈り体験に負けないぐらい子どもを伸ばせることをご存じでしょうか。
目次

なぜ稲刈り後の田んぼをおすすめするのか

体験を重視した子育てをされている方なら、農業体験のイベントに参加されたことがあるでしょう。普段食べているお米がどのようにつくられているのか知り、作ってくださる方への感謝の気持ちをもたせることは大切ですね。ですがそれだけでは、田んぼは田植えや稲刈りというイベントだけの場になっていませんか?

子どもたちにとって、かつて稲刈り後の田んぼは遊び場でした。今の子どもたちにとっては、どのような教育的価値があるのでしょうか。

体幹が鍛えられるでこぼこ地面

走り回れるでこぼこの地面は、今の子どもにとって貴重です。園や学校でも、危なくないように邪魔なものを排除しています。細やかすぎるのでは?と感じることもありますよね。 でこぼこ地面は走りにくく、子どもの足腰を鍛えてくれます。 田んぼのあぜ道は、まさにでこぼこの平均台。慣れている子は全速力で走り抜け、ぬかるみだって跳びこえます。 稲株でけがをするのが心配であれば、歩くだけでもバランスをとる練習になりますよ。

藁(わら)や籾(もみ)のことを知る

田んぼには、稲刈りのときにコンバインによって細断されてまかれた藁や籾が落ちています。次の年の肥料になるのだそうです。 よく見ると、稲刈り後の株からは小さな緑の稲が伸びています。わずかですが実をつけることもあるんですよ。できの悪い稲穂も落ちているので、冬は渡り鳥の餌場になっているようです。

昔話の「かさじぞう」では、おじいさんとおばあさんが藁で笠を作ります。藁を知らないために、お話がイメージできず「笠」を「傘」と勘違いしてしまう子もいるようです。 藁を見せながら、稲はお米をとるだけではなく無駄なく使われていたことを、お子さんに教えてあげたくなりますね。

冬越しにそなえる生物たちとの出会い

落ちている藁などの下では、生き物たちが冬支度をしています。運が良ければ、産卵前のコオロギやカマキリなどの昆虫が見つかることも。飼育して卵を産んでくれたら、次の年に幼虫のふ化を観察できますよ。(冬の間は寒い屋外に置いておかないと、春と間違えてふ化してしまうので気をつけてくださいね)稲株の根元では、冬眠しているカエルも見つかります。

田んぼに入るときの注意

もちろん田んぼは農家の所有物。ご迷惑がかからないように遊ばせてもらいたいところです。 所有者の方が見えたら「こんにちは!ちょっと虫取りをさせていただいています!」といったように、感じのよい挨拶をしましょう。その姿を見せるのも、お子さんにとって大切な学びになるはずです。

おわりに

郊外にちょっと出てみると、まだ里山(人の手が入った自然)が残っています。のんびり子どもを伸ばせる場所は、いろいろなところにありそうですね。

ライター/監修:かなせんせい(小学校教諭専修免許状、幼稚園教諭第一種免許状、中学校教諭第一種免許状(理科)、高等学校教諭第一種免許状(理科)、図書館司書教諭)

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監修者

・小学校教諭専修免許状/幼稚園・中学校(理科)・高等学校(理科)教諭第一種免許状/図書館司書教諭免許状資格 かなせんせい

小学校に15年勤務し、教員として子どもや親御さんとかかわってきました。教え方や自分の子育ての経験を保護者に伝えたときに喜んでもらえた経験から、退職してからもライターとして活動しています。

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執筆者

・小学校教諭専修免許状/幼稚園・中学校(理科)・高等学校(理科)教諭第一種免許状/図書館司書教諭免許状資格 かなせんせい

小学校に15年勤務し、教員として子どもや親御さんとかかわってきました。教え方や自分の子育ての経験を保護者に伝えたときに喜んでもらえた経験から、退職してからもライターとして活動しています。

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