縄を回して跳び越す。じつにシンプルな運動である"なわとび"ですが、コツをつかむまでは跳ぶタイミングが合わなかったり、連続して跳ぶことが難しかったりと、幼児には難しいことも。
なかなか跳べない…と苦戦するわが子に、親はどのようにアドバイスをすればいいのでしょうか。
日頃、幼児の子どもたちのトランポリンの練習に、なわとびを取り入れているというトランポリンコーチの河村和哉さんに、なわとびが跳べるようになるためのスムーズな練習のコツを教えてもらいました。
なわとびは、練習なしで最初から上手にできるようにはなりません。段階を踏んでポイントを押さえていくことが肝心なので、今回は3つのステップで紹介します。
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自分で縄を回して跳ぶ前に、まずは単に跳び越す練習をしてみましょう。縄の片方を柱などに足首くらいの高さで結び、もう片方を大人が持って、ピョンと跳び越してみましょう。
これを何度か繰り返して、子どもに"縄を跳び越す"という感覚を身につけていきます。
ただ行ったり来たりするだけでは飽きてしまうので、縄を上下に動かして「波だよー」、左右に動かして「ヘビさんだよー」などとバリエーションをつけると、楽しみながら縄を跳び越す練習ができます。
次は、自分で縄を回す練習です。
まずはなわとびの持ち手を2つ合わせて半分に折り、片手で持って、その場で床につくようにグルグル回してみましょう。最初はジャンプする必要はありません。
グルグルと連続してリズミカルに回せるようになったら、なわとびと同じ要領でその場でジャンプしてみましょう。"縄が下りたときに跳ぶ"というタイミングをつかんでいきます。
いよいよ、自分で縄を回して跳び越す練習に入ります。ただし、なわとびに慣れていない子どもは跳ぶタイミングをつかむのが難しく、縄を回すと同時にジャンプしてしまったりしがちです。
まずは、"縄を回すこと"と"ジャンプすること"を別々にとらえられるようにしていきます。
最初はジャンプするのではなく、縄をまたいで越すのでOK。慣れてきたらピョンと跳び越してみましょう。
"縄を越す"と"手首を返す"の順序ですが、縄を歩いて越しているうちは"縄を越してから手首を返す"と、縄をしっかり回すことに意識がいきやすくなります。ジャンプで跳び越せるようになったら、縄を回す→手首を返す→ジャンプ→縄を回す→手首を返す→ジャンプ・・・の順にしたほうが縄を連続してスムーズに回しやすくなります。
この、ふわーっ→パタン→ピョン、ふわーっ→パタン→ピョンという基本の動きを、少しずつスピードを上げていくうちに、いつか自然に「できた!」という瞬間が訪れ、うまく跳べるようになります。
自分で回した縄を跳ぶとき、つい力が入って腕をブンブンと振り回すだけで縄がダルーンとなってしまう子が多いもの。
うまく回すために大切なのは、回すときに"縄の重さ"を感じさせること。といっても子どもに「縄の重さを感じて…」と伝えるのはなかなか難しいので、うまく回せない子どもには「あわてずゆっくり、ふわっと大きく回そうね」と声をかけましょう。
繰り返すうちに、縄の重さを意識して、自然と頭の上に弧を描けるようになります。
どうしても縄がうまく回せない子には、中央にプラスチックのおもりがついた二重跳び専用のなわとびを使うと、縄の重さを意識してゆっくりふわっと回せるようになるかもしれません。
また、縄が自分の身体よりずっと前に落ちてしまい、うまく跳び越せないときは「もっと足の近くに、縄をパタンとさせようね」とアドバイスを。
次第に、縄を正しい位置に下ろせるようになります。そしたら、ピョンと縄を跳び越させます。
1回は跳べても2回目3回目でリズムが崩れて、なかなか回数を続けられないというケースが、練習し始めたころにはよくあります。跳びたいという気持ちから前のめりの姿勢になってしまい、バランスを崩してしまうことも。
これは、繰り返し練習していくうちに必ずクリアできますので、あせらず気長に取り組んでいきましょう。「ちゃんとできているよ。あわてないでゆっくり回せばいいよ」と落ち着かせてあげられるといいですね。
まずは、両足を揃えての前跳びが安定的にできるようになりましょう。
後ろ回しに挑戦するのはその後でOKです。一見、難しそうな後ろ回しですが、前跳びがうまくできるようになれば、何度か練習するうちに後ろ跳びもコツをつかむことができるはずです。
後ろ回しのポイントは、背筋をまっすぐに伸ばすこと。どうしても前かがみの姿勢で腰が引けてうまく跳べない子どもには「背中を曲げずにまっすぐ飛ぼうね」と声かけしてあげましょう。
なわとびは、100均やコンビニでも手に入りますが、すぐに切れたり、持ち手が壊れてしまうものも。私が愛用しているアシックスの縄跳び「トビナワ」はとても丈夫で、レッスンでもう10年近く使い続けています。跳びやすく丈夫ななわとびを探している方にはおすすめです!
まわりのお友だちがピョンピョンとうまく跳んでいると「早く跳べるようになりたい!」とついあせってしまうこともありますが、なわとびの練習で一番大切なのはあせらない・あわてないこと!
手の動作と縄の動きがうまく連動できず、子どもが「もうイヤ!」と投げ出してしまいそうになったら、「あわてずゆっくりでいいよ」と言い聞かせて、「ふわーっ→パタン→ピョン」の基本に立ち返ってください。少しずつフォームを整えていくことで、きれいに跳べるようになります。
ぜひ、親子であせらずに取り組んでみてくださいね。
トランポリンコーチ 河村 和哉
福岡県北九州市にある、日本初のトランポリンだけに特化した常設トランポリン専門教室「スペースウォーク」のインストラクター。
幼児から大人まで幅広い世代へのトランポリン指導を行っている。
Instagram@k.kazuya118newでは「毎日宙返り」を継続中!多くの人を笑顔にする「廻る人」としてファンも多い。
ライター 福田チヅコ
主として大手通信教育会社にて未就学児や小学生向けの教材や告知物の編集・原稿執筆を担当。
その他、女性誌やWEBでインタビューや対談記事を手がけている。
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