子どもが大きくなり、そろそろ自転車にも乗れるように練習しようと考えているママパパは多いのではないでしょうか。
でも、自転車ってどういう風に練習すれば早く上達するのでしょう…。
都内で自転車の乗りかたをマンツーマン指導している『自転車に乗れるようになる教室〜ノレタキッズ〜』の代表・和田光弘さんに、実際に子どもに指導している内容とともに乗れるようになるためのコツを聞きました!
『自転車に乗れるようになる教室〜ノレタキッズ〜』は、都内で子どもを中心にマンツーマンの指導をしている自転車教室。
1時間ほどの指導で補助輪なしでも自転車に乗れるようになる子どもが続出しているのだとか!
今回はこの自転車教室の内容に沿って、自転車に乗れるようになるためのコツをご紹介します!
本格的に始める前に学ぶことは、ずばり「交通ルール」。
「交通ルールなんて、わかってるでしょ…」と思うかもしれませんが、実は意外と知らない大人もいるのだとか。
まず押さえたいのは、自転車の走行車線について。
自転車は基本的に車道の左車線側面を走るのがルールです。和田さんによると最近は親世代が車道の右車線を走っており、注意してもルール違反に気付いてない人もいたとか…。
中にはこのマークがないところであれば右車線通行でもOKと認識している大人もいるのだそう。
子どもに教える親の立場として、改めて正しく理解しておきたいですね。
交通ルールを理解した後は、いよいよ自転車の練習を始めましょう。 基本的に、教室内で行うのは次の3ステップです。
「プチチャレンジ」は和田さんがうまく支えながら2輪の自転車を動かすステップ。
「ノレタチャレンジ」では自分でペダルを漕ぎながら自転車に乗り、支えなしで一人で乗れるようになるステップです。
多くの場合はここまでですが、余力があれば一人でも最初の漕ぎ出しができるようになるためのステップ「スタートチャレンジ」を行います。
自転車の乗りかたはとってもシンプルな2つのポイントを抑えるだけ。それは
これだけなんです。
とってもシンプルですが、そもそも自転車の「真ん中」ってどこかわかりますか?
ずばり自転車の中心は、「車輪と車輪の中心どうしを結ぶ線の真ん中」のこと。 「サドルが中心かな?」と思いきや、どうやらサドルに重心があると全体的に後ろに力が加わって前方向がふらつきやすくなるのだとか。これは意外!
和田さんによると、この位置はペダルを踏み込む時の足が、時計でいうとちょうど1時にくる位置でもあるそう。 上体をやや前傾にしながら1時の位置で踏み込むとバランスよく安定した漕げるので試してみてくださいね。
まずはステップ1.のプチチャレンジから。
自転車の中心を意識しながら、ペダルを回してみます。
しっかり固定された状態で前を向きながら漕ぐだけですが、子どもによっては中心の軸からずれていたりすることもあるそう。
まずはまっすぐ中心を意識しながら漕ぐことで実際に走っているイメージをつけます。
ペダルを漕ぐ練習を終えたらさっそく支えつきで走ってみますが、その前にブレーキの確認から。
ブレーキは左右を同時にぐっと引くようにします。
右だけ、左だけブレーキをかけるひともいるようですが、和田さんによると「ブレーキは両方一緒に」が正解だそう!
ブレーキ確認を終えたら支えつきで自転車をこいでみることに。
さっそく乗れるかな…?と思いきや、乗り慣れてないと少しでもバランスが崩れたらすぐに足をついてしまうクセが。
これではなかなか上達しないというわけで和田さんがとった手段は練習用に「サドルをあげる」こと(※)。
※あくまで練習用の措置。実際に乗るときはかかとが少し浮くくらいの高さが適切です
つま先がつくかどうかくらいの高さまで上げてしまえばバランスが少し崩れたぐらいで足をつける事はできません。この状態で練習再開!
最初は2輪で進む感覚に慣れるために、子どもは漕がずハンドルだけを持っている状態。この状態で和田さんが支えながら前に進めます。
この状態で緩やかな坂道を下りながら子どもは重心のかけどころとハンドル操作に集中し、バランスをとることを習得していきます。
なお、ここではお腹まわりに「タオル」を巻いて支えていますが、このタオルを使った練習は経験を積んだ和田さんだからこそできる方法です。
バランスを崩したときに力を入れられず子どもを支えられず、事故につながることもあるので、ママパパがそのまま練習に取り入れるのには向きません。
では、親が練習に付き合うときはどうすればいいでしょうか。
親が支えるときは肩やお腹のまわりに触れるか触れないかくらいの距離で付き添いながら併走するのがおすすめです。
子どもがバランスを崩したときや走り出しの時だけ手を添えて支えてあげるようにしましょう。
なお、ここでのポイントは自転車のコントロールを極力子どもにさせること。
サドルの後ろからしっかり支えながら持つと子どもが何度か倒れそうになっても支えてくれることに安心し、バランス感覚を鍛えることにつながりません。
ハンドルを一緒に握りながら支えると子どもがコントロールすることすら意識しなくなるため練習での効果は発揮できません。
バランスがうまく取れるようになったら、ここからはステップ2の「ノレタチャレンジ」へ。
今度はペダルをこいで自分で進む練習です。
踏み込むときに重心が移動してバランスを崩しやすくなったり、スピードが出ないことで安定感がなくなったり…。先ほどよりも難易度がぐっと上がります。
ここでも和田さんの支えを借りながら自分自身でバランスを保って進む感覚を覚えます。
ある程度こげるようになったらお次は「全力ダッシュ」!
全力ダッシュとは、文字通り全力で走ってみること。
和田さんいわく、自転車は「速いほど安全な乗り物」なのだそう。
たしかに、スピードが遅くなるほど左右にふらつき、止まると絶対に倒れますが、スピードが出ていればまっすぐ進むことができますよね。これには納得。
この感覚を体感するために、後ろから押しながら走り、安定して走るにはある程度の速さが必要なことを子ども自身が経験します。
ここまで自転車で走るのに慣れてきたら、最後は一人でこぐ「ノレタチャレンジ」!
まずはスタートは体を支えてもらいながらスタートしますが、ある程度スピードが出てきたところで支えをなくします。
…
……
………
ノレタ!!!
並走しながらではありますが、一度も触れずに一人で50mほど走りきることができました。
わずか1時間弱でここまで乗れるようになるとは、編集部員もびっくり!
ステップ3のスタートチャレンジはこぎ始めの練習。
この日は延長はせずノレタチャレンジまででしたが、止まっている自転車にまたがって最初のひとこぎからスピードに乗せる作業は子どもにとってはなかなか難易度が高めだそう。
自転車をこぐ感覚を覚えたら後は家でじっくりこぎ始めの練習をするのがよさそうですね。
ここまでがノレタキッズの練習風景ですが、和田さんによるとこれまで300人以上に自転車の乗りかたを指導してきたそう。
上達が早い子にはどんな特徴があったのか聞いてみたところ、一番大切なのはバランス感覚などではなく、「子ども本人の熱量」なのだとか。
じつはHPの参加前の対象者確認事項にも
「参加者本人が『乗れるようになりたい!』と切望している」
…という記載が!
どういうことか聞いてみたところ、納得の答えが返ってきました。
タオルをつけた状態で自転車を漕ぐ練習がこの乗れたチャレンジでの1番のポイントなのだけれど、これがなかなか難しい…。
子ども自身はこけそうになれば支えてもらえるという安心感があるために、バランスを崩しても元に戻さず身を委ねてしまうことがあるそう。
こうなるとバランスを保ったまま漕ぐ練習ができなくなり、ノレタチャレンジも成功しなくなるのだとか。
だからこそ、練習するのは子ども自身が「やりたい!」と熱意を持って言ってきたときが一番とのこと。
また、子どもの集中できる時間はせいぜい1時間から1時間半程度。飽きずに熱量を保てる短時間で正しく指導すれば早く乗れるようになるようですよ。
これまでのノレタキッズの練習の流れをおさらいしましょう。
ここまでが一人で漕げるようになる(ノレタチャレンジ)までの基本的な流れです。 今回はノレタキッズの練習風景とポイントをご紹介しましたが、自宅での練習で参考になる要素もいくつかあったのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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