たくさんあるおもちゃの中で、とくに子どもにも親にも人気のあるのが「レゴ ブロック」。室内遊びおもちゃの代表的な存在ではないでしょうか。
そのレゴ ブロック、遊ぶことでの知育メリットが注目されています。
過去の調査※では、東大出身者の約7割がレゴ経験者であり、そのうちの85%が「子どもの頃にレゴで遊んだ経験が自身の能力やセンスに影響があった」と回答したという結果もあり、子育て中の親にはとても気になるところ。
※「レゴと知育の関連性に関する調査」(東京六大学出身者系600名への調査・2018年)
具体的にどのような力が期待できるのか、親子の遊びにどのように取り入れたらよいのか、レゴジャパン株式会社のシニアマーケティングマネージャー橋本優一さんに伺いました。
レゴには大きく2通りの遊び方があります。
決まったパーツを使って付属の説明書の通りに組み立てる場合と、持っているパーツを使って自由に好きなものを組み立てる場合。そのどちらでも、さまざまな知育メリットが期待できます。
まず、説明書の通りに組み立てる場合。
必要なパーツを探し、手順通りにひとつひとつ組み立てていく過程では、かなりの集中力を必要とします。1つのことに集中して取り組める力は、とても大切です。
また、間違いなく正確に組み立てることが必須なので、ときには前の工程での間違いに気づき、壊してそこまで戻ってやり直す作業が必要になることも。
せっかく時間をかけて創ったものを壊してやり直すのは子どもにはとてもショックなことではありますが、この"たとえ失敗しても気持ちを持ち直して、完成するまでやり抜くこと"は、生きるうえでとても大切なこと。いま注目されているレジリエンス(辛い逆境や困難に落ち込んでも耐える力、そこから回復する力)が鍛えられるのではないかと考えています。
一方で、自由に好きなものを組み立てる場合は、上記の能力に加えて自分で何を創るかを考える創造力、それを決定する意思決定力、何かを創ろうと思った際に、それを今手元にあるブロックでどのように表現するかを考えることで、目の前の課題を解決する力などが育まれると考えます。
また、家族や友だちと一緒に組み立てる場合には、そこにさまざまなコミュニケーションが生まれます。協力して創り上げたり、創った作品に対して自分で考えた物語を伝えたり…。どんな遊び方でも共通し育まれる価値ではありますが、コミュニケーション能力の向上も期待できます。
発達とともに、子どものレゴ遊びはどのように広がっていくのでしょうか
小さなお子さまでも安心して遊べる安全性は、レゴ ブロックが誇れる価値のひとつです。誤飲や角でケガすることがないよう、製品設計には多くの試験、安全検査を行い製品化しています。
その上で恐竜、乗り物、マリオやディズニーなど、子どもの興味関心(パッションポイント)に対応したたくさんの商品をそろえています。自分が好きなものから自然にレゴで遊ぶことにつながり、遊びながら色々な能力をはぐくむことができます。
段階はそれぞれではありますが、最初にピース数の少ない小箱や中箱でまずは説明書通りに創ることを楽しみ、そこで"できる喜び"(達成感)を感じられると、次は大箱や複雑なセットを組み立て、さらに自信をつけていくことができます。
並行して、作ったものをリビルド(創り変え)で楽しんでいただき、さらに広がっていく楽しさが醍醐味であると思います。
さまざまな知育メリットを得るためにに、子どものレゴ遊びに親はどう関わったらよいのでしょうか
遊びへの親御さんのサポートや関与はとても大切です。「LEGO Play Well Study 2020_Parents+Children」という弊社で行った調査では、2人に1人の子ども(55%)が「自分の考えを他の人が気に入らないのではないか」と心配している、10人に8人の親(79%)が「子どもたちがもっと創造性に自信を持って欲しい」と回答しているということがわかりました。
まず、子どもが作ったものに対して関心を示すことは大切です。
そのとき、誇らしげにしていればぜひほめて、感想を伝えてあげるといいと思います。また、どのようなストーリーが背景にあるのか、どんな想いで創ったのかなどを聞いてみるといいですね。
家族に自分の創ったものに関心を持ってもらい、いろいろ聞いてもらえることで、自分の考えや創ったものに対する自信が生まれ、「もっと新しいものを創りたい!」と創作意欲がかき立てられます。それが次の作品、次の学びにつながっていくと考えます。
1人でじっくり集中して組み立てるのもいいですが、家族で一緒にレゴで何かを創ることでよい影響がたくさんあります。
たとえば、自分の創りたいものを伝える、何を創るか決める過程でコミュニケーションが増える、他者のアイデアを聞いて理解することでひらめきが広がる…など。
そのような親子のやりとりは、社会性や他人の意見や価値観を尊重するダイバーシティなど、多くの価値を育むものであると考えています。
このように一緒に遊ぶことで、できあがった作品そのものもさることながら、会話の中でわが子の成長を感じられるすばらしい機会になると思います。
持っているパーツを問わずに、簡単に家族で楽しめる遊び方があれば教えてください
先に説明した「説明書通りに創る」「自由に創る」以外にも、遊びの"システム"を提供するレゴ ブロックならではの様々な楽しみ方ができます。レゴを使った簡単なゲームを紹介します。
小さな子におすすめの遊び。
「赤い四角いパーツを探そう!」など、神経衰弱のように色や形のお題を親御さんが出し、子どもがお題に合ったパーツを探すシンプルな遊びです。
制限時間を決めて、その時間内にどれだけレゴを高く積み上げるかを競うゲーム「タワーバトル」。
自立して倒れなければ、どのパーツを使ってもOKですが、どう積めば効率よく高さをかせげるかを考えるのがコツです。大人でも楽しめるゲームで、家族全員で挑戦しても盛り上がります。
こちらも大人でも楽しめる遊び。お題を提示し、そのお題のモノを設定した制限時間内に創ります。
たとえば「アヒル」のお題で、同じパーツを使ったとしても、人によってイメージするアヒルは異なり、できあがるものはさまざま。「あれ…どんなだっけ…!?」など言いながら組み立てる工程や、創ったものを比べたりするのが楽しいですよ。
さらに、〇✕ゲームやトランプの神経衰弱、オセロなど、ボードやカード、駒もレゴで創って遊んでみるなど、クリエイティビティ1つで盛り上がる遊び方は無限大です!
レゴ自体で新しい遊びを自分で創ることができるのも魅力のひとつだと思います。
また、現在レゴジャパンが行っている「Rebuild the Worldー創造力が、世界を変えるー」キャンペーンでも、興味深い遊び方が紹介されています。
それは、説明書通りに作り上げた完成済の作品からスタートし、それをリビルド(創り変え)して新たな作品を生み出すというもの。完成された作品を壊して、新しいストーリーを考えながら生み出す工程で、クリエイティビティを存分に発揮することができます。
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最近は「大人レゴ」と呼ばれる大人向けの商品も人気ですが、子どものレゴ遊びをきっかけに大人がレゴの魅力にハマることも!親子共通の楽しみを持つことができます。
また、耐久性があり長く使えるので、きょうだいやお友だち、親からレゴを譲り受けて遊んでいるという家庭も多いようです。何世代にも渡って遊ぶことができるという魅力は、他のおもちゃにはなかなかないものですよね。
知育メリットはもちろんですが、家族の絆を感じることができるレゴ ブロック、ぜひ親子の毎日に取り入れてみてください。
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