【全身を使った動き・複雑な動き】5~6歳で経験しておきたい体の動き。運動能力の発達に合わせて遊びに取り入れて

【全身を使った動き・複雑な動き】5~6歳で経験しておきたい体の動き。運動能力の発達に合わせて遊びに取り入れて
文部科学省より平成24年(2012年)に出された「幼児期運動指針」には、幼児期それぞれの年齢での一般的な運動の発達の特性と、その時期に経験しておきたい遊び(動き)の例が紹介されています。年長にあたる5歳児、6歳児の発達段階とはどんなもので、その発達を考慮して、どんな動きを遊びに取り入れたらよいかをご紹介します。
目次

「より複雑な動きができるようになる」5歳から6歳の時期

5歳、6歳は小学校入学を控えた、年長にあたる時期。さらに体力がつき、活発に体を動かして遊ぶようになります。

そんな5歳児、6歳児は、運動能力においてどのような発達段階なのか、それをふまえてどんな動きを遊びの中で経験させておくのがいいのか、「幼児期運動指針」(文部科学省)の内容を抜粋しながら紹介していきます。

それまでの経験をもとに、無駄な動きや過剰な動きが少なくなり、より基本的な動きが上手になっていきます
さらに走ってきて跳ぶといったように複数の動きを中断することなく連続的に行ったり、ボールをつきながら走るといったような易しい複数の動きを同時に行ったりするような、「基本的な動きの組み合わせ」ができるようになってきます

(中略)

また目的に向かって集団で行動したり、友達と力を合わせたり、役割を分担したりして遊ぶようになり、満足するまで繰り返して取り組むようになります。
さらにそれまでの知識や経験を活かし、工夫をして、遊びを発展させていく姿も見られるようになります。

引用:幼児期運動指針(文部科学省) *太字は編集部注

いろいろなルールの遊びに挑戦してみよう

この時期は、全身を使った運動がそれまでよりなめらかで巧みに行えるようになり、全力で走ったり、跳んだりすることに心地よさを感じるようになります

幼児にとって、挑戦してみたいと思えるように組み合わせた動きが含まれる遊びに取り組んでいくことで、結果として「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「用具などを操作する動き」がよりなめらかに遂行できるようになることが期待されます。

そのため、遊具を用いた複雑な動きが含まれる遊びや、様々なルールでの鬼遊びなどを経験しておくことが望まれます。

引用:幼児期運動指針(文部科学省) *太字は編集部注

ルールを理解して楽しむ遊び

パイナップルじゃんけん
じゃんけんをして、勝った人が進みます。スタート地点から、グーで勝ったら「グリコ」と3歩、チョキで勝ったら「チヨコレイト」と6歩、パーで勝ったら「パイナツプル」と6歩進み、先に決めたゴールについた人が勝ち!
園からの帰り道など、親子で手軽に楽しめる遊びですね。

園など、大人数で遊べる時には、椅子を使って行うフルーツバスケットなどもおすすめです。ルールを理解して、みんなで楽しむことがでできるようになっていきます。

思い切り走り回れる、いろいろな鬼ごっこ

影ふみ
よく晴れた日におすすめの遊び。鬼になった人が、人の影を踏もうと追いかけます。影をふまれると鬼は交代。
踏まれそうになったら、物の影に隠れたり、しゃがんで影を小さくしたりと知恵をしぼります。影ができる位置を意識しながら、うまく鬼をかわして逃げられるかな?
時間帯によって影が長くなったり短くなったりすることも知ることができます。

手つなぎ鬼
鬼を決め、鬼はほかの子をタッチ!タッチされた子は鬼と手をつなぎ、一緒に他の子を追いかけます。最後まで残った子が勝ち! 園やお友だちと何人かで遊べるときにおすすめの遊びです。

そのほか、ボール回し鬼(ボールを持った鬼が持っていない子をタッチ)、図形鬼(いろいろな形を地面に描き、鬼はその外から中にいる人をタッチ)、オオカミさん今何時?(鬼のオオカミ役と子ヤギ役に分かれて対面に並ぶ。子ヤギが「オオカミさん今何時?」と尋ね、「夜中の12時」と言ったときだけ子ヤギは逃げてオオカミをつかまえる)など、鬼ごっこのバリエーションはたくさんあります。
どれも、全力で走る心地よさを感じられます。


※幼児の発達は必ずしも一様ではなく、同じ年齢でもできることや興味は様々なので、一人一人の発達の実情を捉えることが大切です。

園生活最後の1年、思い切り体を動かすことを楽しもう

大縄跳びをみんなで呼吸を合わせて跳べるようになったり、鉄棒ができるようになったり、かけっこが早くなったり…
成長著しい5歳から6歳の1年、遊びの経験も増え、お友達と「こうしたらもっと楽しいね」など、独自のルールを決めて、遊びを発展させられるように。

色々な動きが上手になり、幼児特有の危なっかさがなくなってきた、と感じるかもしれませんね。

全力で駆け回ることが楽しい時期、その子どもの気持ちを大切に、思い切り外遊びできる時間をとってあげましょう。

***


ちょっと難しいことができるようになったわが子の姿、親もその成長が頼もしくなりますね。
小学校で始まる体育の授業を楽しみに、この1年は運動遊びや日常生活の中で、いろいろな動きを自然に身につけていけるようにしましょう。


出典:幼児期運動指針(文部科学省)
イラスト/モトスギユミコ

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2020.10.14

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