子育てをしていると、靴下や体操服につく泥汚れ、なぜこんなところにまで!?と驚く食べこぼし、擦り傷や切り傷による血痕などとにかくいろんな汚れが服につくのは日常茶飯事!
汚れ別にシミの落とし方が分かれているのはなんとなくわかるけれど、汚れの種類別に落とし方を覚えるなんて面倒ですよね。
でもじつは、汚れの種類って大きくわけてたったの3種類しかないって知っていましたか? 今回は自宅でのクリーニング歴15年以上の洗濯マニア・ハナが、子育てでよくある衣類汚れの落とし方にまとめていただきました!
覚えるのは次のパターンのみ!
これらの汚れは、付着してすぐなら水で落とせます。
必要なものは、子育て中のママ・パパなら誰もが持ち歩いているであろうウェットティッシュ とティッシュ。
ウェットティッシュがなければ、ティッシュを水でぬらして使っても大丈夫です。 です。
まず汚れの裏側に乾いたティッシュをあてて、表からウェットディッシュ(水で濡らして硬く絞ったティッシュ)で汚れをつまんだり叩き込んだりして取り除きます。
汚れが目立たなくなったら、あとは洗濯機でいつもどおりの洗濯でOK
これらの汚れは水で拭くと広範囲に広がるだけで落とすことはできません。
そこでオススメなアイテムが「メイク落としシート」です。 メイク落としシートは油性のメイクを落とすものなので、衣類についた油性の汚れもよく落とします。
食器用洗剤も油性の汚れと相性がいいですが、出先だと使いにくいのでコンビニでも簡単に購入できるメイク落としシートはとっても便利!
落とし方は水溶性の汚れと同じ。汚れの裏側に乾いたティッシュをあてて、表からメイク落としシートで汚れをつまんだり叩き込んだりして取り除きます。 汚れが目だたくなったら洗濯機で洗いましょう。
泥汚れは「不溶性」の汚れといわれ、水にも油にも溶けない困った汚れです。 どろんこ汚れが付いてしまったら慌てて水で洗ってしまいがちですが、じつはこれはNG!
泥汚れだけは唯一、すこし放置した方がいい汚れなのです。
▲ついたばかりの泥は繊維の表面にとどまる
付いたばかりの泥は布の表面にとどまっているのですが、水で洗ってしまうと細かい砂の粒子が繊維の奥に入ってとたんに落としにくくなります。
▲水で流すことにより泥が繊維の中に潜り込む
どろんこ汚れがついたら、慌てずにまず乾くまで待ちます。
乾いたら、洗濯ブラシなどを使って泥をよくはらい、ウタマロ石鹸などの固形石鹸で予備洗いしたあと洗濯機で洗うときれいに落ちますよ。
水溶性、油性の汚れは付いてすぐなら簡単に落とせるものの、時間がたつと繊維の中まで汚れが浸透して固まって落としにくい汚れへと変化します でも、あきらめなくて大丈夫。
少し手間はかかりますが厄介な時間の経った汚れも落とせます。 汚れ別に落とし方を紹介します。
色の濃いブドウなどの汚れはとくに目立って落としにくいですよね。 果汁は酸性なので、逆の性質を持つアルカリ系の重曹を使います。
必要なものは酸素系漂白剤(液体)と重曹。
酸素系漂白剤(液体)と重曹を1:1で混ぜてペースト状にし、そのペーストをシミに叩き込んで、スチームアイロンのスチームを当てましょう。
スチームアイロンがなければケトルやお鍋で沸かした水の湯気をあててもOK。やけどをしないように気をつけてください。
スチームを使って温度を上げることでアルカリの性質が強くなり酸性の果汁汚れをよく落としてくれます。 「ペーストをぬる」「スチームをかける」を何度か繰り返して汚れが目立たなくなったら洗濯で洗ってください。
水溶性の汚れも時間が経つと落としにくくなります。 水だけで落とせない場合は、漂白剤でつけ置きして汚れを浮き上がらせてから洗います。
オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を40度〜50度のお湯に溶かして1時間ほどつけ置き
その後洗濯機で洗うときれいに落ちますよ。
カレーやミートソースなどの食べこぼしは油性と水溶性の汚れが混ざっていたります。 メイク落としシートで落とし切れなかった水溶性の汚れはオキシクリーンなどの酸素系漂白剤で落とせます。 オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を40度以上にお湯に溶かして1時間ほどつけ置きして洗濯機で洗います。
また、カレーに含まれるターメリックは紫外線で色素が分解されるので、洗った後に日光に当てると色がうすくなって目だたくなります。 ネイル用の紫外線ライトでも同じ効果が得られますよ。
血液や卵などは、乾いて時間がたつとタンパク質が固まって頑固な汚れになります。
これらを落とすにはタンパク質を分解する必要があります。 タンパク質は酵素で分解されるので、酵素入りの洗剤に1時間ほどつけ置きするとよく落ちます。 自宅にある洗濯用洗剤の成分表を確認してみてくださいね。
タンパク質は「ジアスターゼ」という成分でも分解できるので、自宅に酵素入りの洗剤がなければジアスターゼを含む大根の絞り汁につけ置きしてもOK!
ここまで紹介してきた汚れの落とし方についてまとめると次のとおり。
水溶性、油性、不溶性など汚れがついてすぐなら意外と簡単に落とせます。 泥汚れ以外はついたらすぐに処理するとこが、洋服にシミを作らないための何よりの対応策です。
***
子育て中は本当に忙しくて大変ですが、子どもの服は汚れるものとして洗濯カゴに入れる前に汚れがないか確認するようにしてみてください。
ハナ
クリーニング歴15年以上、自宅でスーツやダウンジャケットなどを洗っています。失敗や成功を繰り返しつつも "誰でも家庭で洗える"をコンセプトに、失敗なくお気に入りの衣類を長くきれいに維持できる洗濯術に向き合う日々。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識は本当なのか? 売れている商品は本当に使えるのか? そんな疑問を解消する実験ブログ「洗濯ラボノート」を運営しています。
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