子育てでよく耳にする「ほめて伸ばす」。
ですが、謙遜を美徳とする日本人はとかくほめ言葉を発するのが苦手です。
いっぽう、アメリカの子育てには英語ならではのポジティブな表現にあふれている!と語るNY在住の三枝由里香さん。
わが子を愛しい、もっともっとほめてあげたい、そんな万国共通の想いをきちんと言葉で表現するために、英語のフレーズから学んでみませんか?
第1回は「I'm proud of you」です。
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はじめまして!
アメリカのニューヨークで3歳の女の子の子育てに奮闘中の駆け出しママの三枝由里香です。
生まれも育ちも日本ですが、2012年に渡米、アメリカ人の夫と結婚し、2017年にニューヨークで長女を出産、現在はブルックリンで子育てをしています。
夫は英語が母国語なので、これまでも夫の家族や親戚とは英語で会話していましたが、実はそれ以外では英語でコミュニケーションをすることはあまりありませんでした。
でも、子育てをするようになってから、街の中でいろいろな人が話しかけてくれたり、公園で他のお母さんたちと情報交換をしたり、子ども同士を遊ばせたりと、思った以上に英語に触れる機会が多くなり…。
子どもに対する声かけに、英語ならではのポジティブな表現や、素敵な言い回しがたくさんある!ということに気づいたんです。
そしてその表現や言い回しはポジティブな子育てにぴったりなものばかり!そんなフレーズをママやパパたちから聞いたら、きっと子どももHAPPYになれますよね。
というわけで、この連載ではアメリカの子育て現場でよく使われている、ポジティブ子育てキーワードをご紹介します。ぜひ、日本語で子育てをするときにも参考にしてくださいね!
今回ご紹介したいのは、おなじみのほめ言葉「I'm proud of you.」。
直訳すると「あなたを誇りに思います」。
受験英語でも出てくる代表的なほめ言葉ですが、誇りに思う…とはあまり日本語のふだんの会話では使わないので、この言葉を知っていてもどういうシーンでどんな風に使うのかいまいちイメージできない…という人のほうが多いかもしれません。
でもこの言葉、じつは子育ての中でと~ってもよく使うんです!
この言葉がよく使われるのは、子どもが賞を取ったときや、頑張って何かを達成したとき。
親ははそれまでの努力や過程も含めて「I'm proud of you!」と言い、子どもをほめたたえるのです。
また、保護者以外の人も「Your mom will be so proud of you to hear that.」(これを聞いたらお母さんもきっとあなたを誇りに思うよ)と言って"それはとても価値があることなんだよ"ということを子どもに伝えてあげます。
単純なほめ言葉の「Good Job!」「よくできたね!」などを使うよりも、子どもは「自分の信頼する人に認めてもらえた!」ということを実感できるんです。
また特別な場面以外の、もっと日常的な場面でも気軽に使うことができます。
たとえば、トイレトレーニングがなかなか成功しない子どもがやっとトイレでおしっこをできたとき、日本語では「すごいね!」「よくできたね!」という単純なほめ言葉を使うことが多いかもしれません。
しかし、英語ではこのような日常生活の中の小さな成功に対して、単純なほめ言葉である「Good job」とか「You did it」などと同じくらい「I'm so proud of you!」を使う人も多いんです。
この言葉には結果だけでなく、その努力や過程も含めてほめたたえるニュアンスがあるというのが特長です。
日常生活でもこのフレーズを使い、子どもが頑張って成し遂げたことについて、ママがどれだけうれしいかをダイレクトに伝えることによって、子どもは自分自身に自信を持ち、次の成功へのモチベーションアップにもつながっていくのです。
さあ、早速このフレーズを日本語に取り入れてみましょう!
日本語で「あなたを誇りに思う」というとやはり堅苦しくなってしまうので、ストレートに「ママもうれしい!」と伝えてみるのはどうでしょうか?
ちなみに、英語の「I'm proud of you.」という表現は目上の人が下の人を評価するようなニュアンスになってしまうので、子供と対等の関係を築きたいママの中にはあまり使いたくないという人もいるそうです。
その場合は「I'm proud to be your mom!」。「あなたのママになれてよかった!」と少し工夫してうれしい気持ちを伝えることもできます。
日常の小さな成功を見つけたらぜひ「ママもうれしい!」「○○ちゃんのママでよかった!」と使ってみてください。きっとお子さんの自信にあふれた素敵な笑顔が見れますよ!
使用シーン:子どもに日々の小さな成功を見つけたとき
日本語で取り入れるなら:
「ママもうれしい!」
「●●ちゃん/くんのママになれてよかった!」
ライター 三枝 由里香
東京の企業でマーケティング業務に携わった後、新規事業立ち上げメンバーとして台湾に駐在。5年間の台湾生活を経て、2012年から2017年までニューヨークの出版社に勤務。現在は、台湾系アメリカ人の夫とともに、3歳の娘を日英中のトライリンガルにするべく、家では中国語、外では英語、ママとは日本語というトライリンガル子育て奮闘中。