私がまだ十代で、高校をやめてバイトに明け暮れていたころの話です。
そのバイト先は飲食店で、店長の入れ替わりが激しくてかなりブラックなところでした。 新しい店長は遅刻が常習で、仕事はせずにバックヤードでタバコを吸っていることが多かったんです。
そのお店は忙しいときでも四人で回す少人数体制で、何連勤したかもう数えられないほどでした。 その日も「今日もまたバイトだ…行きたくない…」と気が重くなりながら、土日で混み合う電車に揺られていました。
しかし気が滅入っていたのか、最寄り駅に近づくにつれてポロポロと涙が出てきて、気づけば嗚咽するほど泣いていました。 そんなとき、スーツを着た女性がハンカチを差し出してくれて「どうしたの?」と声をかけてくれました。 「バイトに行かないと」と焦る私をなだめてくれて、次の駅で一緒に降りてくれました。
「辛いなら行くのをやめな」と言って、その女性は母親のふりをしてバイト先に電話をかけてくれました。 休むことになり、少し話をしてその女性とは別れました。
あのときは自分のことで精一杯で名前も聞けず、それ以来一度も会えていませんが、また会えたときのためにハンカチはいつも持ち歩いています。 (女性/27歳/主婦)
つらさで心が折れそうになること、誰にでもあると思います。 そんなときに見知らぬ誰かの優しさに触れると、世界が少しだけ温かく感じられます。
みなさんのまわりでも、思わずホッとした“優しさの瞬間”はありますか?
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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