保活のなかでも重要なイベントである、保育園見学。幼少期に過ごす環境は子どもの育ちに大きく関わるからこそ、しっかりと選びたいものです。
子どもが楽しんで園生活を送れることは、ママやパパ自身が働きやすくなることにもつながります。保育園見学の機会を十分に活用できるよう、保育士経験を持つライターが解説します。
認可保育園の入園申し込みは保育園ではなく役所で行うので、見学は必須ではありません。一方、認可外保育園の場合、入園申し込み方法は保育園ごとに異なります。見学をどれくらい重要視するかもそれぞれの保育園によって違い、中には見学を入園申し込みの条件としている場合も。
まずは、入園を検討している保育園の入園申し込み方法を調べることが大切です。見学が任意の場合でも、現場の状況や雰囲気を知るためにぜひ足を運びましょう。
園の見学時間は限られています。なんとなく見てきただけで終わらせては、せっかくの見学も意味がありません。あとになって確認しておけばよかったことばかりにならないよう、事前に確認事項や質問をリストアップしておきましょう。
保育園で遊ぶ子どもたちは、将来わが子がここで過ごす姿そのもの。元気いっぱいに遊んでいる姿は、整えられた衛生環境や栄養たっぷりの給食に支えられています。
のびのびと活動している姿は、子どもたちを認め、失敗も温かく受け止めるやさしい保育士の関わりがあってこそ。子どもたちの様子からも、さまざまなことが読み取れます。わが子がここで遊ぶ姿をイメージしながら、見学してみましょう。
保育士さんが子どもたちと関わっている様子を間近で見れるのも、見学の機会ならでは。やさしく落ち着いた声のトーンや美しい言葉づかいは、言葉を吸収していく時期の成長に大きく影響します。
保育士の態度に対しての子どもの様子も要チェック。もし保育士がふだんと明らかに異なることをしていれば、子どもの顔に表れます。また、認可保育園であれば厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」によって定められた人員配置で保育が行われています。実際の様子を見て、人数バランスが安心できるものか確認するといいでしょう。
保育室の広さは十分か、トイレは清潔に保たれているか、シャワールームには転倒を防止する工夫がされているかなど、施設そのものの状態も確認しましょう。1日の流れをイメージして、動線上に危険がないかシミュレーションすることも確認方法の1つです。
日々の送り迎えも考えて、駐車場・駐輪場の広さや、保育園周りの道路状況も確認しておきたい重要なポイント。
実際の場面で慌ててしまわないよう、保育園見学では事前の準備が肝心。質問リストを作成しておけば、効率よく保育園の様子を知ることができます。
さらに、同じリストを使うことで複数の保育園を比較しやすくなるメリットも。ほかのママやパパもいっしょに参加するかもしれないので、質問は簡潔にまとめておくといいでしょう。
保育園で働いている常勤の保育士や非常勤のパート職員などは、経験年数だけでなく、資格の有無もそれぞれ異なっています。子どもの人数に対する人員配置の実態や、そのなかでも有資格者が何人いるのかなども気になるところ。
より手厚い保育となるよう、自治体や保育園独自の配置基準を設けているケースもあるので、質問することで安心できる回答が得られる可能性もあります。
保育園ごとに、保育方針もそれぞれ。SIDS(乳幼児突然死症候群)への対策は、0歳児なら特に知っておきたいところ。トイレトレーニングや歯磨きなどのしつけについては、保育園での進め方や方針もさまざまです。
家庭での進め方やペースを見て行う方針であれば、保育園で始めてくれることを待っていてはお見合い状態となってしまいます。子どもの発達に合わせて適切に援助できるよう、見学の時から確認しておきましょう。
1日の流れはもちろん、年間を通しての予定も確認しておきましょう。外遊びは年間通して行わず季節によってほかの活動に切り替える保育園もあれば、雨でもカッパを来て外に行く保育園もあります。
夏に水遊びやプールがあれば、家庭で準備する物もあるかもしれません。さらに、運動会や発表会といったママやパパも参加するイベントの時期や開催曜日も事前に知っておけば、予定の調整もしやすくなります。遠足などのお弁当の頻度も知っておくと安心でしょう。
子どもの心身の発達に大きく影響する給食も、保育園によって提供の仕方は異なります。保育園内で作られているのか、調理に関わる人で免許を持っている人はどれくらいいるか、質問してみましょう。
可能であれば、1食の量や実際の献立を見せてもらえると全体のバランスも把握できます。アレルギー対応は具体的にどう行っているのか、離乳食の段階はどう設定されているのかも、必ず確認しておきたいポイント。食事の雰囲気にも関わる食育方針が、共感できるものかどうかもチェックしておきましょう。
保育園に通い始めてから、ママやパパに直接関わってくることも事前に知っておきましょう。
連絡帳は紙媒体なのかアプリなどを使うのか、質問や送迎変更の連絡は連絡帳と電話のどちらが良いのか、確認しておくと入園後に戸惑わずにすみます。
保護者会などの行事も、参加方法とともに確認しておきましょう。イベントでは動画配信などを行う保育園も増えてきたので、離れて住む祖父母にもわが子の晴れ姿を見てもらえるかもしれません。
どんなに安全な環境でも、怪我や事故の可能性はあります。保育園内に看護師はいるのか、不在時はどう対応するのか、さらには連携している近隣の小児科の情報も確認しておきましょう。
体調不良や怪我による呼び出し基準も保育園によってさまざまなので、見学の機会に質問しておくとベター。ママやパパの職場によっては、緊急連絡先が職場になるのかどうかも気になるところ。柔軟に対応してもらえるかも含めて確認しておくと安心です。
予定していなかった出費があとから分かる事態はできるだけ避けたいもの。保育料以外に必要となる費用は、意外と多くあります。入園グッズに布団カバーやオムツなどは、家庭ごとに準備するのか、サブスクのサービスが利用できるのかも合わせて確認したいポイント。
延長保育料金の金額も保育園や自治体によって異なるので、通ううちに利用する必要が出てきた時のためにも確認しておきましょう。
そもそも、保育園見学にはどのように参加するのが良いでしょうか。初めての参加であれば、分からないことが多いのも当然。気になるけれど、いまさら聞けない保育園見学の基本を保育士目線で解説します。
スーツやフォーマルなどのあらたまった服装をする必要はありませんが、清潔感は大切。園児たちと触れ合う場面もあるかもしれないので、動きやすさもポイントです。室内では、ストッキングや靴下を履く気遣いも忘れずに。念のためにスリッパも持参しておくと安心です。
園庭を歩くことも想定して、ハイヒールは控えましょう。また、幼い子どもたちが過ごす場所に足を踏み入れることになるので、誤飲の危険につながるアクセサリーもできるだけ身に着けないようにする配慮が必要です。
子どもといっしょに行くことで、保育士たちの関わり方も間近で見ることができます。事前の見学予約の際に相談しておけば、連れて来ることを受け入れてもらえるケースが多いのも事実。場合によっては、一時的に同じ月齢のクラスに混じって過ごせるようにしてもらえることも。
子どもの表情や遊ぶ様子が見られるので、判断の大きな材料の一つとなることでしょう。また、パパや祖父母も連れて行きたい場合も事前の相談が大切。家族みんなで、大切なわが子を預ける環境を選ぶのもいいですね。
ママやパパが質問リストを作成して見学準備をするように、保育園側も見学に際してさまざまな準備をしています。資料を渡したり、担当の職員が場所を案内しながら口頭でも常に説明をしているので、こちらから質問する前に回答をもらえることも多いでしょう。
すべての案内が終わった最後に、まだ分からないことがあればまとめて質問する方法がスムーズです。もちろん、案内の最初に「話の途中でも、気になったことはいつでも質問してください」と一言あればその都度尋ねても大丈夫。できるだけ、疑問点はその日のうちに解決するようにしましょう。
確認しておきたいことが山積みの保育園見学。リストを準備していても確認が漏れてしまったことや、見学を終えて新たに生まれた疑問などもあるでしょう。見学が終わった後に再び連絡するのは勇気が必要なことでもありますが、分からないことを分からないままにしていては満足できる保育園選びはできません。
口頭で確認できることであれば、ぜひ電話で尋ねてみましょう。ていねいに対応してもらえれば、入園後も安心して関係が築けそうだということも分かります。
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働くママやパパの子どもにとって、保育園は日中のほどんどの時間を過ごす場所。ママやパパにとって利用しやすく、子どもにとっても楽しく通えるような保育園とうまく出会えるよう、今回ご紹介したポイントを参考にしながら保育園選びを行ってみてください。
ライター・保育士 Akari
0・1歳の子どもたちと笑い合い、3・4・5歳の子どもたちと語り合ってきた保育士経験を持つWebライター。おやこ生活に役立つ記事を発信していきたいと思います。コスメライターの資格取得を機に執筆を始めたので、美容Webサイトを中心に執筆中。
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