こんにちは。おやこのくふうライターの西方です。
2月3日は節分です。節分といえば豆まきを思い浮かべる人も多いと思いますが、もともとはどんな意味があるのでしょうか?また、豆まきで鬼を追い払う意味やそのやり方、掛け声のパターンも紹介します。
ほかにも、恵方巻きや節分の飾りつけなど楽しみ方はいろいろ!地域による違いも知って、今年の節分をどう楽しむか、おやこで考えてみてください♪
「節分」は「季節の分かれ目」を意味し、もともとは立春・立夏・立秋・立冬の前日を指していました。その中でも旧暦で1年の始まりにあたる立春が重視され、立春の前日である2月3日が節分として定着したのです。
また、立春は太陽と地球の位置関係で決まる「二十四節気」の1つで、年によって2月2日や2月4日にズレることもあります。2023年・2024年は2月3日ですが、2025年は2月2日が節分です。
季節の分かれ目には邪気が入りやすく病気になりやすいとして、節分には邪気を祓い1年の無病息災を祈る行事が行われていました。その行事が今では「豆をまいて鬼を追い払う」という形で定着しています。なぜ豆をまくのか、鬼が示す意味を解説します。
節分に豆をまくのは鬼を追い払うためですよね。「鬼」はツノとキバを生やし、手に金棒を持つ怪物ですが、節分の鬼は仏教における人の煩悩、つまり、人の心身を悩ませる負の感情を表しています。目には見えない煩悩を目に見える形にしたのが鬼ということですね。
昔は魔除けの力があるとされる米や麦などの穀物で鬼を追い払っていましたが、現在は豆をまくのが一般的です。
これは、京の都を荒らそうとした鬼神の目に豆を投げつけて退治したという逸話から「魔目(鬼の目)を潰す」として豆が使われるようになったという説や、中国の古典に「豆は鬼毒を殺し、痛みを止める」と書かれていることなどが由来とされています。
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豆まきに生の大豆ではなく炒り豆を使うのは、豆まきのあとにおいしく食べるためだけではありません。
昔から、豆から芽が出ることは縁起が悪いと考えられていたため、芽が出ないように炒ってから使うようになったといわれています。また「鬼を射る」ことができるのは「炒り(=射り)豆」だとして豆まきに炒り豆が使われるようになったという説もあります。
実は豆まきには、鬼をしっかり追い払うためのルールや手順があります。地域や家庭によって少しずつ異なりますが、一般的なやり方を紹介します。
豆まきの掛け声は「鬼は外、福は内」が一般的ですが、実は地域によっていろいろな掛け声があります。それらは、地域ごとの言い伝えや鬼の意味によって異なるようです。
宮城県仙台市は「福は内福は内、鬼は外鬼は外、天打ち地打ち四方打ち、鬼の目ん玉ぶっつぶせ!」という、聞いた鬼が怯えて逃げ出しそうな強い掛け声。鬼を退治するには目から潰すのがよいという理由からだそうです。
福島県では「福は内、鬼、外」と言います。これにはかつての領主の名前が関係していて、「丹羽外(にわそと)」という名前だったため「(お)にわそと」と言わないよう、単語で言うようになったそうです。
茨城県つくば市の鬼ケ窪では「あっちはあっち、こっちはこっち、鬼ヶ窪の年越しだ」と言います。これはあちらこちらで追い払われた鬼を気の毒に思って、呼び寄せる意味があるそうです。
群馬県では「福は内、鬼は内」とどちらも「内」で、福が先になります。群馬県では、鬼には悪い鬼だけでなくいい鬼もいると考えられているからです。
東京都台東区の浅草寺では「千秋万歳、福は内」と言います。「千秋万歳」は長寿を願う意味の言葉で、浅草寺では「観音様の前に鬼はいない」という理由から「鬼は外」とは言わないのだそうです。
千葉県成田山の新勝寺に祀られている不動明王は、鬼さえ改心させる強い力を持っているといわれていることから、「鬼は外」と言わず「福は内」と言うそうです。
紀伊半島も「鬼は内、福は内」とどちらも「内」と言います。これは、紀伊半島のかつての領主が「九鬼(くき)」という名前だったため、「鬼は外」と言えなかったからなんだとか。
京都福知山市の大原神社では一般的な掛け声と真逆の「鬼は内、福は外」が使われます。これには、鬼を神社の中に招き入れて、改心して福となったものを地域の家(=外)に出すという意味があるのだそうです。
豆まきには歌もあることをご存知でしょうか。児童・幼児向けの歌が紹介されていた唱歌集『えほん唱歌』(音楽教育書出版協会・昭和6年〜8年)の冬号に節分の歌「まめまき」が掲載されました。
豆まきの音が表現され、福の神に話しかけるようなかわいい歌詞で、現在でも保育園や幼稚園で歌われています。
おにはそと ふくはうち
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ
まめのおと
おには こっそり にげていく
おにはそと ふくはうち
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ
まめのおと
はやく おはいり ふくのかみ
掛け声以外にも、豆まきの豆の種類や節分に食べるものなど、地域によっていろいろな節分行事があります。
豆まきの豆は大豆を使うのが一般的ですが、実は落花生をまく地域もあります。北海道や東北・信越などの寒い地域のほか、鹿児島県・宮崎県でも落花生をまくのが一般的です。
これには、落花生は雪の上でもまいたあとに拾いやすい、あとで食べるのに衛生的という理由があるそう。また、鹿児島県や宮崎県は落花生の産地があるためだと考えられます。
節分にその年の恵方を向いて巻き寿司を食べる「恵方巻き」は、もとは関西地方の風習でした。また、恵方巻き以外にも、地域によって節分に食べる行事食があります。それぞれ縁起がいいとされているものや、寒いこの時期の食文化に由来しているようです。
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関東・関西地方や東北地方の一部では、節分に「柊鰯(ひいらぎいわし)」を玄関に飾る風習があります。柊鰯は柊の枝の先に焼いた鰯の頭を刺したもので、魔除けの効果があるとされているそうです。また、柊のトゲトゲの葉が鬼の目に刺さり、鬼は鰯のにおいを嫌うから、ともいわれています。
地域によって飾り方や期間、処分方法などが異なります。現在では集合住宅が増えたこともあり、柊鰯を飾るのではなく夕食に鰯を食べる家庭もあるようです。
***
「家族みんなが健康に過ごせますように」と願いを込めて、豆まきや節分の食べ物を楽しみましょう。「豆まきの意味をはじめて知った!」という人は、この機会に正しい豆まきのやり方を意識して本格的な節分にするのもおすすめです。
家族で豆まきをする際は、5歳未満の窒息の危険がある子どもには豆を食べさせないように注意してください。ほかの行事食やお面作りなども取り入れて、子どもとの節分の過ごし方を考えてみてくださいね。
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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