ピーマンをおいしく食べられる子ども大好きレシピ【管理栄養士おすすめ】
たくさんの種類のものが食べられるようになる反面、自我も強くなり好き嫌いが増えたり、お菓子ばっかり要求されたり。毎日のことだけに、わが子の食について悩む親御さんは多い様子。#食のきほんでは、幼児食に特化して、さまざまな角度からアプローチしてきました。今回はその#食のきほんタグの2020年人気記事ランキングを大公開。嫌いな食べ物No.1のピーマン攻略法から、ゆで卵の殻むきのお手伝いまで幅広いラインナップとなりました。
ピーマンがなぜ子どもに嫌われてしまうか、その理由をもとに、管理栄養士・尾花友理さんがセレクトした苦手克服レシピが1位に輝きました。
濃い緑色、ピカピカした見た目。それだけで、口にする勇気がでない子どもはたくさんいます。そんな子には見た目を変えるのが一番! パン粉をつけて揚げる、細かく切って何かに混ぜ存在を目立たなくするなどの調理法を試してみるとよいでしょう。 ピーマンといえば独特の苦味。味覚が未発達で、味の経験が少ない子どもにとって、この苦みは本能的に「毒」のようなものと認識してしまいます。苦味を感じにくくするためには油を使って炒める、焼く、揚げるなどの調理法が効果的。子供が好きな食材と組み合わせて調理したり、子供が喜ぶしっかり味で調味するのもおすすめです。
まずはピーマンが入っているのに気づかないように細かくみじん切りして、子どもたちが大好きなカレーなどに入れてみましょう。見た目が苦手、噛み切れない子にもまずはこれから試してください。
みじん切りのピーマンが食べられたら、続いてのステップは薄切り。ひと口に入るピーマンの量が増えるので、苦みを感じないよう、しっかり味付けをするのがコツです。また見た目で遠慮しないよう、ピーマンの姿が見えない春巻きにすると、子どももパクっと口にしてくれます。子どもが大好きなチーズとウインナーもいっしょに巻けば、食べやすいはず。
姿が見えないピーマンを克服できたら、いよいよ最終段階。油でしっかり炒めると苦みがやわらぎ、うまみとコクが引き出されます。うまみの強い豚肉を合わせて、甘めのケチャップ味で味付けすればさらに食べやすくなります。
ピーマンに含まれる栄養素で特記すべきは「ビタミンC」。体の中に入ってきた菌やウィルスと戦う白血球の働きを助けて免疫を高めてくれるので、病気に負けない元気な体つくりには欠かせません。 通常のビタミンCは加熱すると壊れやすい性質がありますが、ピーマンに含まれる「ビタミンP」のおかげで加熱しても壊れにくく、体に吸収されやすいという利点があります。
ただ、幼児期の子どもは日によって気持ちや体調などの変化が激しいもの。好き嫌いを克服することよりも、食べること自体が嫌いになったり、ピーマンに嫌な記憶を残さないことのほうが大切です。 子どもに悪気はありません。「食べてくれるかな?ダメでも、また次回チャレンジすればいい」そのくらいの気持ちで臨みましょう。
3~5歳の子どもの食事=幼児食(後期)について、量はどのくらい? 栄養バランスはどう考えたらいいの? 気になりつつもいまいち正解がつかめない適切な量と、その量を効果的に3回の食事に取り入れる献立の立て方を、管理栄養士・尾花友理さんに教えていただきました。
3歳〜5歳の子どもが1日に必要なカロリーは、女児で1,250kcal、男児で1,300kcal。これは大人のおよそ半分強になります。また、1日の食事量の中で必要な栄養素のバランスは、大人も子どももさほど変わりはありません。そのため、3歳~5歳の子どもは、ご飯、おかず、汁物などを大人の量の半分強を食べればよいと考えれば、わかりやすいかもしれません。
栄養バランスを整えるために、朝・昼・夜のごはんは主食+主菜(メインおかず)+副菜(サブおかず)+汁物を基本に、一食で炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを取り入れるとよいでしょう。
【主食】ご飯、パン、麺など穀類から炭水化物を摂る
1日に摂るべき量は300g〜350g。1回の食事では、ご飯で子ども茶碗1杯(100~120g)、パンで食パン6枚切り1枚、うどんで1/2玉くらいを目安にするとよいでしょう。
【主菜(メインおかず)】主に肉、魚、卵、大豆などからたんぱく質を摂る
1日で肉、魚、卵、大豆製品などをあわせて150g程度摂るのが理想です。1回の食事で考えると、魚は切り身で1/2枚、肉は薄切りで1枚、ひき肉30g くらいが目安になります。
【副菜(サブおかず)】野菜や海藻、きのこなどからビタミン、ミネラルなどを摂る
野菜には「緑黄色野菜」と「淡色野菜」の2種があります。1日に必要な緑黄色野菜の量は90g。ほうれん草だと2株、にんじんなら小さめ1本(10cm)となります。淡色野菜の必要量は110g。キャベツ2枚、大根2cm程度になります。
ビタミンやミネラルを豊富に含む海藻やきのこも、ぜひ子どもには食べさせたい食材です。海藻、きのこ類の必要量は10〜15g。しいたけ1個、エリンギ1/3本が目安です。さらに、いも類の必要量は40〜60g。じゃがいも1/2個、さつまいも1/4本程度となります。
【汁物】主食、主菜、副菜で足りない栄養素を補足する
わかめやとろろ昆布のお味噌汁、豆腐とわかめの中華スープ、野菜たっぷりのミルクスープなど、汁物にすると献立のバランスが整います。また、果物の必要量は100g〜150g。りんご1/2個、バナナなら1.5本。乳製品の必要量は200g〜250gで、牛乳なら200ml程度となります。
乳児の頃に比べ、3〜5歳は食べられる量こそ増えるものの、3食で1日に必要なカロリーや栄養をすべて摂ることは、なかなか簡単ではありません。そこで、おやつを補食と考え、上手に活用していきましょう。上記の1日の食事量を朝ごはん2:昼ごはん3:おやつ1:夕飯4の割合を目安に食事を振り分けてみるとよいでしょう。お菓子はあくまでも嗜好品と位置づけ、ふだんはバナナヨーグルトや焼き芋などをおやつにして、乳製品や果物類、いも類などを上手に補給するのがおすすめです。
成長期の子どもにとって重要な栄養素「たんぱく質」。厚生労働省が定める3~5歳のたんぱく質の摂取基準量は、男女ともに1日25g。たんぱく質がどんな働きをしていて、いかに幼児の体に必要か、どんな食材に含まれていて、どのように毎日の生活に取り入れていくか、保育園の献立作成経験もある管理栄養士の尾花友理さんに伺いました。 わたしたちの筋肉、内臓、血液、髪、爪も主にたんぱく質で形成されています。つまり、子どもは(ひいては人間は)たんぱく質でできているといっても過言ではありません。たんぱく質は糖質、脂質と並んで、人間にとってもっとも重要な「3大栄養素」のひとつで、生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっています。
たんぱく質には大きく分けて、肉、魚、卵、乳製品に含まれる「動物性たんぱく質」と大豆・大豆製品に含まれる「植物性たんぱく質」があります。どちらも主菜(メインのおかず)として使われる食材に多く含まれています。
3〜5歳のたんぱく質の摂取基準量は、男女ともに1日25g。牛肉や豚肉ならば脂の少ないもも肉などの赤身肉、鶏肉ならば鶏むね肉がたんぱく質を多く含みます。
咀嚼力が弱い幼児期は一度に食べられる量が少ないため、たんぱく質の主な供給源であるお肉を多く食べられない、あるいはごはんやパンなど炭水化物ばかりでお腹いっぱいにしてしまうこともあります。3食+おやつでこまめにたんぱく質を摂るようにしましょう。
成長には欠かせないたんぱく質。昨日は少なめだったから、今日はしっかり摂ろうなど、数日単位でバランスをとるようにすれば問題ありません。
丈夫な骨や歯を作るカルシウムは子どもの成長に必要不可欠な栄養素。子どもの食事の中で無理せずカルシウムを上手に摂り入れるコツなどをご紹介します。
カルシウムとは、からだの機能の維持や調節に欠かせないミネラルのひとつで、骨や歯はカルシウムの貯蔵庫。カルシウムが足りないと、その貯蔵庫からどんどん補おうとするので、骨や歯が脆くなったり、その成長を遅らせる原因になります。
このカルシウムは体内で作ることができないため、食べ物で摂取する必要があります。毎日こまめに摂ることで、骨や歯にカルシウムがしっかり貯蔵され、丈夫な骨や歯を作ることができるのです。
厚生労働省が定める3歳〜5歳のカルシウムの目標摂取量は男女ともに550mg。日に必要なカロリーは成人女性のおよそ半分であるにも関わらず、大人に比べて骨や歯の成長が活発な子どもは、成人男女(20歳〜39歳)の目標摂取量600mgとさほど変わらないカルシウム量が目標値になっています。
カルシウムの多い食材といえば、なんといっても牛乳。園で毎日200ml飲んでいるからだいじょうぶ!と思っている親御さんは多いかもしれませんが、200mlの牛乳には200mgのカルシウムしかなく、1日の必要摂取量の1/3強に留まります。
実はカルシウム、決して吸収のよい栄養素ではありません。たくさん食べてもすべてが吸収されるわけではないため、成長期には特に工夫してカルシウムを摂取することが、丈夫な骨や歯のためには必要なのです。 カルシウムの吸収率を上げるために活躍してくれるのがビタミンDとC。ビタミンDを多く含む食品は、鮭、いわし、さんまなどの魚類や、しいたけなどのきのこ類、卵など。ビタミンCを多くのはピーマン、ブロッコリーなどの野菜、いちごやキウイフルーツなどの果物。これらの食材をカルシウムと一緒に「食べ合わせる」ことで、腸からのカルシウム吸収を促進、血液に入ったカルシウムを骨まで運ぶ働きをしてくれます。
ビタミンDは日光に当たると皮膚で作られます。また運動負荷がかかることで、骨の形成が促進されます。丈夫な骨をつくるためには、1日30分程度は外で体を動かして遊んだり、散歩をするようにしましょう。
"料理は最高の知育!"と語る料理研究家の関岡弘美さんに教えてもらう、3歳からおやこで一緒に楽しめるキッチン食育。この中の「ゆで卵の殻をむくお手伝い」が5位に選ばれました。
卵は、毎日の食卓によく登場する子どもにとっても身近な食材の一つ。生卵を割るのは少しコツがいりますが、ゆで卵の殻をむくお手伝いなら3歳ごろからできます。 つるんときれいな卵が出てくる作業はとっても楽しく、達成感もありますね!
また指先を使ってやさしーくむく必要があるので、幼児期にたくさん体験したい指先トレーニングにもなるんです。むいたゆで卵は、子どもが大好きな「たまごサンド」にしましょう。つぶしてはさむのもお手伝い。大人はゆで卵だけ用意すれば、できあがりまで子どもにお任せできちゃいます♪
断面から黄色い卵の色が見えると、わぁっと楽しくなります。自分で作った卵サンドで、気分が盛り上がること間違いなしですね。
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