こんにちは。おやこのくふうライターの西方です。
1人1台デジタル端末を配布する文部科学省の「GIGAスクール構想」の実現や、スマートフォンやタブレットが身近になった昨今では、子どもがインターネットを使用する機会も多くなっています。
インターネットを使ううえで、危険な目にあわないために必要なのが「ネットリテラシー」です。
ネットリテラシーが低いとどのような危険があるのか、また、子どもへのネットリテラシーの教育について解説します。
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「ネットリテラシー(インターネットリテラシー)」とは、インターネットを使いこなす能力のことです。それは、IT機器やインターネットへのアクセスにおける技術的な能力だけでなく、インターネットの情報を正しく理解し、適切に取捨選択して利用できる知識や理解・判断力を指しています。
日々の生活においてインターネットの存在は大きく、子どもに対するネットリテラシー教育の必要性が高まっています。
ネットリテラシー教育が重要である理由の1つは、自分の身を守るためです。インターネットは小さな情報でも簡単に全世界に広まります。その情報には、個人を特定するような情報や、社会への影響力が大きいものもあるのです。何気なく発信したことが原因で、思いも寄らない社会的制裁を受けてしまったり、現実世界でストーカーやいやがらせといった被害を受けたりすることもあります。
それと同時に、自分の発信が原因で、第三者を傷つけてしまうことも考えられます。不快感を与え、トラブルに発展することもあるでしょう。多くの人が目にするインターネット上での発言・発信においては、対面でのコミュニケーション以上に見る人に対する配慮が必要なのです。第三者を傷つけたり、不快な思いをさせたりしないためにも、ネットリテラシー教育が必要です。
ネットリテラシーが身についていないと、子どもが次のような危険やリスクに巻き込まれる可能性があります。
まず考えられるのは、自分や身近な人、会社などの個人情報や機密情報の流出です。何気なく公開した写真から住所などの身元がわかってしまうことは大いにあります。2019年には、アイドルが自撮り画像の「瞳に映った景色」から、自宅を特定されて襲われるという事件も起きています。
同様に、知らないうちに身近な人の個人情報を晒してしまう可能性もあります。加えて、写真は肖像権、イラストなどの作品は著作権などの権利にかかわるため、権利侵害をしないために注意が必要です。
インターネット上には正しい情報もありますが、嘘の情報や信憑性の低い情報もたくさんあります。そういった誤った情報を鵜呑みにして健康被害に遭ったり、精神的ストレスを抱えたりするケースもあります。また、自身が発信したことでなくても、悪意ある嘘の情報を拡散してしまう危険は十分にあります。 例えばスマホを持つ小学生の間では、「このメッセージを〇人に回さなければ不幸になる」といった、「不幸の手紙」形式のメッセージのやりとりが行われていることがあります。
インターネットやSNSも、画面の向こう側には人がいます。インターネット上での発信ややり取りからトラブルに発展し、現実で被害を受けたり、いじめや誹謗中傷に遭ったりすることもあります。書き込んだ後に写真や投稿を削除したとしても、すでに複製されている場合もあり、一度発信したことは「デジタルタトゥー」として一生インターネット上に残り続けます。
このような被害やトラブルに遭わないために、ネットリテラシー教育が重要なのです。
具体的にどのようなネットリテラシーを身につけておけばいいのか、インターネットで情報を受け取るときと発信するときに分けて解説します。
インターネットで知りたいことを検索するなどして情報を受け取るときは、その情報が本当に信頼できるものであるか、慎重に選びとることが大切です。伝聞や憶測で書かれた情報ではなく、専門家や公式サイト、当事者が発信した情報を選びましょう。
外部から受け取るメールや資料などのデータにも注意が必要です。会社の取引先になりすまして嘘の請求書を送り、大金を騙しとる詐欺や、ファイルをクリックさせてコンピュータウイルスに感染させる悪質な行為もあります。少しでも不審だと思ったら安易にクリックせず、送信元に確認するようにしましょう。
自分の名前や住所、メールアドレスなどの個人情報を安易にインターネットに書き込むのは危険です。本当に必要な場合のみ書くようにし、悪用されるリスクを減らしましょう。
また、撮影した写真や動画にも位置情報などのデータが記録されていることがあるので、安易にアップロードしないことが大切です。
どんな情報を発信するときでも、必ず画面の向こうには人がいると心得ましょう。何かを投稿・公開するときには、人を傷つける内容になっていないか、不快にさせる内容や言い回しが含まれていないかを必ず確認しましょう。
そして、自ら発信する場合だけでなく、他人が発信した内容を拡散するときにも同様の注意が必要です。もしインターネット上で不適切な発信や拡散をした場合、匿名だからバレないということはありません。SNSなどは、匿名に見せかけて全世界に公開しているものと考えるようにしましょう。
子どもが1人でインターネットを利用する機会が出てきたら、もしくは、興味が出てきた段階でネットリテラシー教育を始めたほうがいいでしょう。おやこで取り組みたい、ネットリテラシーを身につける方法を紹介します。
次の方法は一度やって終わりにするのではなく、定期的に話し合ったり確認したりする機会を設けましょう。
まず最初に、おやこでインターネットを使うときのルールを決めましょう。それぞれの家庭の方針やインターネットの使用状況を加味しつつ、次のようなルールを定めてみてください。
インターネットを使い始めてすぐは、正しい情報を選んだり発信する内容を精査したりすることが自分では十分にできません。迷ったらすぐに相談すること、慣れるまでは親と一緒に使うことなどを決めておきます。フィルタリング機能を活用するのもいいでしょう。
インターネットばかりにのめり込まないようにコントロールする力を身につけることも大切です。自分で区切るのが難しいうちは、使用できる時間を決めておくといいでしょう。
これらのルールは親が勝手に決めるのではなく、子どもと話し合って決めるようにしてください。そして、ルールを書いて貼っておいたり、ルールを守れているか確認するタイミングを決めたりして、継続して意識できるようにすることが大切です。
インターネットを利用するうえで、紹介したようなリスクがあることを具体的な事例とあわせて子どもに伝えましょう。ルールを決める際にあわせて行うと、なぜそのルールが必要なのか理解しやすくなります。
ただし、過度に恐怖心をあおる必要はありません。大切なのは、インターネットのメリットとデメリットを理解し、適切にインターネットと付き合うことです。
文部科学省のYouTubeチャンネルで、インターネットで起こりうるいろいろな事例が紹介されています。おやこで話し合う際の教材としてもおすすめです。
インターネット上に数多ある情報の中から「正しい情報」を見極めるには、ある程度の練習が必要です。必ず複数の情報を参照し、その発信元を確認するようにします。おやこで一緒に調べる・発信元を確認する・情報を比較するといった作業を繰り返し行うことで、徐々に信頼できる情報の見極め方がわかってきます。
それでも、どんどん新しいサイトや情報が出てくるので、迷うこともあると思います。判断に迷ったときの対処法もあわせて確認しておきましょう。
子どもとネットリテラシーを学ぶときに参考にしたい、おすすめの本を紹介します。
スマホやSNSの基本を、カラフルな絵や図、4コマ漫画で解説しています。
そもそもインターネットはどういう仕組みなのか、知らない人からメールがきたらどうするのかなど、インターネットを使うときにまず知っておきたい知識が身に付きます。ワークシートをダウンロードして活用できます。
クイズを解きながら、インターネットやSNSのルールとマナーが身に付くクイズ本です。インターネットの基本、SNSのルールとマナー、ネット&ゲームのトラブル、著作権などの知識を楽しく身につけられるでしょう。
インターネットやセキュリティの基礎知識、ネットやタブレット・パソコンなどの機器を使用するときの基本ルールを学べます。ネット依存や使い方のコツが身に付くQ&Aもわかりやすいです。第2巻は「SNSとネットトラブル」、第3巻は「著作権とプライバシー」について、しっかり解説されています。
情報リテラシー講師を務める監修者の講演の中で、子どもたちから寄せられた子どもが気になるネットのあれこれをまとめた本。「フォロワーを増やしたい」「YouTuberは儲かるのか」「ネットで恋人ができた」など、子ども目線での具体的な質問から、ネットの適切な使い方を学べます。
「コピペがバレた!」「学校が特定された!」といった中高生のスマホ・SNSでの失敗談からスマホルールを学べる本です。リアルな事例はリアルな対処法を考えるきっかけになります。情報社会を生きる若者が楽しく安全にスマホライフを送るために、読んでおきたい一冊です。
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子どもがインターネットを使うことを考えると、どうしても怖い・危ないというイメージが先行してしまいます。しかし、今の子どもたちにとってインターネットを使いこなすことは生きるために欠かせない技能です。
どんどん進歩するインターネットのことですから、大人も一緒に「今」必要なネットリテラシーを学んでみてはいかがでしょうか。
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ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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