「生きる力」という言葉を知っていますか?
学校からの配布物や学級懇談会などで、なんとなく見聞きしたことのあるママ・パパもいるかもしれません。近年の学校教育では、「生きる力をはぐくむ」ことを重視した教育活動をしています。それは、文部科学省が学習指導要領の中で示しているもので、全国どこの学校でも同様です。
では、「生きる力」とは具体的にはどのような力なのでしょうか?そもそも、学習指導要領って何?と思う保護者も多いことでしょう。
今回は「生きる力」の内容や新学習指導要領で変わったことなどを、元小学校教員の秋野みんみが具体的に解説していきます。
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子どもたちが使う教科書や学校の時間割は、学習指導要領を基に作られています。
学習指導要領とは、全国どこの学校でも一定の教育水準を保つことができるように、文部科学省が定めている教育課程のこと。およそ10年に1度改訂されており、子どもたちが学ぶことや学習する際に配慮すべきことなどが記載されています。
「生きる力」という言葉は具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。学習指導要領を紐解きながら、具体的に見ていきましょう。
学習指導要領では、生きる力とは「知・徳・体のバランスのとれた力」のことを指しています。
「学校と言えば勉強するところ」というイメージが強い保護者も多いと思いますが、現在の学校教育では知識だけでなく、心や体の育成も知識と同じくらい大切にしていることが分かります。
新学習指導要領では、生きる力を支える要素として以下の3つの柱を掲げています。
この3つの柱をもとに、教科書の内容や先生たちの評価の仕方も決められており、教育活動全体においてこの3つの柱を基に「生きる力」を育むことを目指しています。
各教科に関する個別の知識や技能のことで、身につけた知識や技能を社会の様々な場面で活用できるようにしていくことを目指しています。
基礎的・基本的な知識や技能を学びながら、自分の経験や生活と関連づけて活用していくことで、知識を習熟させていきます。
分からないことや困ったことがあった時に、どうしたら解決できるのかを予想したり仮説を立てたりする力のことです。
さらに分かったことをまとめたり、思いを相手に伝える能力のことも指しています。
主体的に学習に取り組み、最後までやり遂げる力や周りと協力して解決に向かう力のことです。学んだことをこれからの人生や社会に生かそうとすることも指しています。
3つ目の「学びに向かう力、人間性など」は今回の改訂で新しく追加されました。「学校で学んだことをその場で終わらせない。子どもたちの未来に確実に繋げていく」ことがいかに重要視されているかが感じられます。
「生きる力」という理念が初めて学習指導要領に登場したのは、平成10年3月改訂版の学習指導要領です。現行の新学習指導要領は、「生きる力をはぐくむ」ことをより重視した内容になっており、いたるところに「生きる力」という言葉が出てきます。
なぜ今回の学習指導要領では、こんなにも「生きる力をはぐくむ」ことが重視されているのでしょうか。
「小学校学習指導要領 総則編」によると、現在、急激な社会の変化やグローバル化、AIの飛躍的な進化など、子どもたちを取り巻く社会は大きく変化しており、成人を迎えるころには予測困難な厳しい時代を迎えると言われています。
そのような中で、子どもたちが社会の変化に柔軟に対応し、自ら課題を見つけ、学び、判断して行動し、それぞれの思い描く幸せを実現してほしい…そのような願いから、「生きる力」のを重視した内容に改訂されているのです。
要するに、社会構造の大きな変化により、将来を担う子どもたちに求められる能力が異なってきていることが「生きる力をはぐくむ」べき大きな要因だと言うことです。
それでは、新学習指導要領が施行されたことで、学校の授業はどのように変わるのでしょうか。
「生きる力をはぐくむ」教育を目指して、以下のようなことに力を入れています。
今回の改定で注目されたのは、プログラミング教育と外国語教育についてです。
必修化されたプログラミング教育では、コンピュータープログラムが社会で活用されていることを、実際に体験しながら学習していきます。プログラミングは、算数や図工、音楽などの教科内で行われるようになっています。
外国語教育は、小学校3・4年生から必修化されました。3・4年生では「外国語活動」として親しむことを目的に、5・6年生になると「外国語」として教科化されています。「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力を総合的に育むことをねらいとしています。 新学習指導要領以前は、「書くこと」「読むこと」は導入されていませんでしたから、改めて外国語の必要性を感じられる改訂です。
その他、国語の学習を中心に言語能力の育成に力を入れています。論理的・多面的に思考したり、伝えたりする力を育んでいきます。
アクティブ・ラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」のことを言います。
このアクティブラーニングの視点から、「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」も重視される授業が始まっています。子どもたちの「知りたい!」「やってみたい!」という気持ちを引き出し、これまでの様々な学習での知識をフル活用しながら、新たな課題に取り組んでいく学びのスタイルです。
また、これまでの学校教育はどうしても受動的になってしまいがちでしたが、子どもたち同士で話し合い、見通し立てて活動していくことで、同じ学習でも学びへの意欲も定着度も変わってくるのです。
このような学習を続けていくことで、主体性をもって学習する能力や課題意識をもって学習に取り組む力への効果が期待できます。
筆者も、実際に現場でアクティブラーニングを取り入れた学習を行っていましたが、子どもたちはイキイキと活動するだけでなく、「どうにかして解決してやるぞ!」と持っている知識をフル活用しようとします。このような学びから得られる主体的な姿は、教科だけでなく学校生活全般で生かされていたように感じています。
「生きる力」を育むために、家庭ではどのようなことができるのでしょうか。文部科学省のホームページには以下のようなことが紹介されています。
すべてを完璧にする必要はなく、できることから始めてみるとよいでしょう。ご飯を食べながら学校の話を聞いてみたり寝る前に一緒に読書をしてみたり、そのような小さな積み重ねから「生きる力」が育まれていくのです。
参照:生きる力 学校・家庭・地域が力をあわせ、社会全体で、子どもたちの「生きる力」をはぐくむために
ママ・パパだけでなく子どもたち自身にも「生きる力」の意味を繰り返し伝えていくことが大切です。ここでは「生きる力」を学ぶことができる書籍を紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
「生きる力」が身につく考え方や誰でもできるコツが書かれています。
中学生向けで非常に分かりやすく書かれているので、ママ・パパが読んで納得したことを子どもに伝えてあげるといいかもしれませんね。
「勉強ができる以外にどんな力が必要なの?」親子で読んで語り合えるように、子ども用のページと大人用のページに分けて、同じ内容が書かれています。
実際に親子で読んだ後、子どもの感じたことをじっくりと聞いてみたいですね。
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社会の変容と共に、今の子どもたちに強く求められる「生きる力」。
「詰め込み教育」「ゆとり教育」どちらとも違う新しい学びに驚いたママ・パパもいるかもしれませんが、ぜひどんなことを学んでいるのか、もっともっと子どもたちに聞いてみてください。そうやって、話を聞くことも「生きる力」に繋がっていきますよ。
学校と家庭が協力して、これからの社会を担う子どもたちの「生きる力」を育てていきたいですね。
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