4歳になると子どもは、ますます3歳の頃のような赤ちゃんっぽさが抜けて、急に大人っぽくなってきますね。聞き分けが良くなったり、うながさなくても身支度や食事など生活面でも自分からほとんどのことをこなしていきます。
また言葉の発達も大人とほぼおなじように会話をし、コミュニケーションがスムーズになってきます。友だち同士のやりとり、遊びの相談、ケンカの解決もできるようになりますね。
その半面、大人に対して反抗的な言葉を使ったり態度をしたり、無視や言い訳をすることも…。そうかと思えば、いつまでも自分を通そうとして泣き止まなかったり、自分の言いたいことやわからないことを言葉にできず戸惑ったり泣き出す子どももいます。
4歳児は赤ちゃんっぽさを脱し、葛藤しながら成長と後戻りを繰り返していく時期です。 4歳児の成長に添って、子どもが喜ぶおうち遊びや外遊びを保育士ライターの炭本まみが紹介します。
4歳児は、言葉のやり取りや空想・お話の世界をイメージしながら遊んだり、決めたルールを守って友だちと協力して遊んだりする年齢です。
体力や運動能力、見通しも自分自身で理解し始める一方で、好奇心旺盛なので無理なことをしてケガや事故につながらないか、大人はしっかりと見守る必要もあります。
好奇心を刺激される遊び、体を思い切り動かす遊び、そして、人と言葉を介して関わりながら過ごす遊びが4歳児の好きな遊びです。
4歳児は上手にやりたい、自分が勝ちたいという年齢なりにプライドが出てくる時期です。失敗したりゲームなどで負けると、悔しがって怒ったり泣いたり遊んでいたものをぐちゃぐちゃにしたり、もうやらない!ということもあります。
そんなときは、「悔しかったね」「惜しかったね」「だいぶん上手になったじゃない」と共感したり励ます声を掛けて寄り添ってあげましょう。
「そんな風にするならもう遊べないよ」などと子どもの行動や言動をネガティブにとらえた言葉をかけることで、気持ちに寄添ってもらえないと感じた子どもはその遊びが苦手になったり、本当にもうその遊びをしなくなってしまうこともあります。
また、できないからやらない、わかんないからやりたくない、楽しくなさそうなどの臆病な気持ちを持つ4歳児もいます。その気持ちをうまく言葉にすることができず「やりたくない」と言うこともあるでしょう。
そんなときは、「やったことないものね」「まずはママと一緒に練習してみよう」「簡単なやり方から練習してみようか」などと声をかけて誘ってみます。
「なんでできないの」「すぐあきらめるんだから」と、新しいことに不安を抱く子どもに寄添わない言葉をかけることで、新しいことにトライする気持ちを削いでしまうことがあります。
子どもの態度や言葉の裏側にある気持ちは、ママやパパだからこそ察することができるはず。4歳児の楽しさやできることが広がるように、寄り添いながら前向きな言葉をかけたいですね。
体力も言葉も充実している4歳児。おもちゃで遊ぶだけではなかなか満足せず「ひまだよー」と訴えてきませんか。
ママもパパもお仕事や家事でクタクタにお疲れでしょう。座ってできて、準備のいらない室内遊びを3つ紹介します。
4歳頃から少しルールのあるトランプ遊びができるようになっていきます。
神経衰弱などは全てのトランプを使うとむずかしくなるので、10枚くらいからスタートし、15枚・20枚と増やしていくと良いでしょう。
子どもは成功体験をすると、次は少し難しい課題に取り組みたくなるものです。特に4歳児は挑戦したい意欲が高まる時期でもあるので、一緒にトライしてみましょう。
神経衰弱の次におすすめなのは、駆け引きをしない「七並べ」や「ページワンストップ」「ババ抜き」などバリエーションを増やしてみましょう。
集中力や数字の理解が高まりますし、またやりたい!という気持ちになる遊びです。
段ボールなど固い厚紙に単純な線の絵を描き(子どもでもママ・パパでもOK)、その線に添って間隔を開けて目打ちで穴を開けます。(これはママ・パパがしましょう)
子どもはその穴に毛糸を通していきます。毛糸の先端は穴に通しやすいようにセロテープなどで巻いておくと良いですね。
絵の通りに刺繍する、線の通りにする、絵の上を糸がまたがないようにする、穴を飛ばさず順番に通す、裏・表と順番に通していくなど、課題がたくさんあります。 ママやパパがやって見せ、少しずつ難易度を上げていくことで、集中力や挑戦したい気持ちが高まりますよ。
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4歳になるとルールのある遊びが理解できるようになり、自らルールを守ろうとしたり、他人のルールのミスを指摘するようになります。
割り箸や爪楊枝を高く積み上げるのも楽しい遊びです。三角形・四角形・五角形など、さまざまな形に挑戦し、高く積み上げていくのは達成感と集中力を高めます。割りばしがある場合は捨てずにとっておいて、遊びに使用しましょう。
市販の「ジェンガ」や「ボードゲーム」も楽しめるようになります。ボードゲームは4歳からでも理解して楽しめるものが多く販売されています。
インターネットやゲーム機などの時代ですが、ボードゲームは家族でコミュニケーションを楽しめるゲーム。おすすめです。
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手先・指先がさらに器用になり、ハサミやのり付けが上手になったり、アイデアが浮かんだり、工夫したりとものづくりが楽しくなる時期です。
段ボールや広告・新聞紙、ペットボトルや紙パック、食品トレーなどの廃材でも十分に遊べますよ。
子どもに画用紙に絵を描かせたり、好きな絵をパソコンでダウンロードしプリントアウトしてもOK。 その絵の裏側に色々な形の「線」を描きます。描いた線に沿ってハサミで切り離しましょう。これでパズルの完成です。
子どもが絵を描き、ママやパパが線を描いても良いでしょう。
初めは大まかな線を、少しずつ細かな線を描いてランクアップしていくと盛り上がります。
500㏄のペットボトルを10本用意し、ボーリングのピンに見立てます。ペットボトルに絵を描いたり、イラストを描いた紙を貼りつけても良いですね。
また、各ペットボトルに点数を書いて家族で競うのも楽しいでしょう。
転がすボールがなければ新聞紙を丸め、ガムテープで止めたものでもOK。
ペットボトルは軽くて倒れやすいので、底の方に少しだけ水を入れて倒れにくいようにすると、転がす力が必要になり、楽しみが広がります。
紙飛行機にはさまざまな折り方があり、折り方によって飛び方も変わります。
遠くへスピードを出して飛ぶタイプの紙飛行機もありますが、室内などの狭い範囲でもふんわりと弧を描きながら飛ぶ紙飛行機もあります。
折り方は動画サイトや折り紙の折り方サイトなどですぐに検索できますよ。
大きなカレンダーや、小さなメモ用紙、折り紙、新聞紙など、使用する紙の大きさを変えると、同じ折り方でも飛び方が違う場合もあります。
2階があるなら、階段の途中や一番上から飛ばすのも楽しいですよ。 もしも雨でなければ、完成した紙飛行機を持っておうちの前で飛ばしてみたいですね!
体の使い方が巧みになり、転ばなくなったり危険を回避する能力も高まってきます。 また、個人差はあるものの体力がついてくるので、思い切り体を動かす遊びを好むようになります。 一方で体を動かす遊びが苦手な子どもや、「人の動きを見て覚えてやってみる」ということが苦手な子どももいます。 苦手な子どもには、スモールステップでゆっくりと伝えできたら認める、それから次のステップへ、と進み、運動遊びの楽しさを伝えていきましょう。
お風呂場の高い場所の左右に水濡れにも丈夫なビニールひもなどをピーンと貼ります。 そのひもにティッシュやキッチンペーパー、新聞紙などを洗濯ばさみで留めます。 水鉄砲に水を入れ、早く濡れてちぎれたり落ちた人が勝ちです。
途中で水鉄砲に水を足さないと足りなくなります。水鉄砲に水を入れるには、水の中に沈めて留めつフタを少し動かすか、水を入れる穴を水面から半分程度出しておかなければなかなか入りません。 初めて使う子どもは、水の入れ方を練習してからゲームを始めましょう。
また、排水溝にちぎれた紙類が流れてしまわないように、フタをしておきましょう。
段ボールを広げ、つなげて、子どもが入れる程度の輪にします。そこに子どもが入って手足を使って前に後ろにと進みます。
ブルドーザーのように進みますが、前が見えないのでわくわくしますよ。
お布団を山積みにして山を作ってあげたり、ペットボトルなどを置きぶつからないように進むなど、遊び方はさまざま。
オルを入れて遊んだり、段ボールにお絵描きをしたりと、その後も楽しめます。
首にかけるようなサイズのタオルをなるべく小さくたたみます。床に置き、子どもをジャンプさせます。できたら、畳んだタオルをひとつ広げます。最後はタオルを畳まない状態でジャンプできたら成功です。
ママやパパは子どもがジャンプする横に座り、転びそうになったら支えたり手を貸してあげましょう。また、ジャンプする地点・着地する地点に滑るものがないか確認してからトライしましょう。 タオルやバスタオルだけではなく、新聞紙や大きなカレンダーでもできますよ。
子どもの運動機能や、見通す力、成功・失敗体験、失敗から学ぶ体験、挑戦する粘り強い気持ちなど、運動遊びには成長をうながす要素がたくさんあります。
1日1時間程度を目安に外で遊ぶようにしたいですね。お休みの日にお買い物や大人の用事以外に子どものための時間を作るのは大変なことですが、午前中・夕方の1時間と子どもと時間を決めて過ごしてみましょう。
4歳になり理解力や判断力がついてきています。それでも突然道路に飛び出したり、遊具で危険な遊び方をしたり、衣類が遊具にひっかかるなど、予想もつかないことが起きることもあります。 大きくなってきましたが、ママやパパは子どもから絶対に目を離さないようにしましょう。
4歳の頃は、キックボードや補助輪付きの自転車に乗っている子どもが多いかもしれません。自転車をこいで風を感じる爽快感や、ママやパパと一緒にサイクリングに行くのはむずかしいですね。
補助輪のない自転車に乗れる子どもなら、いつも車や電車で通るルートをサイクリングすると楽しいでしょう。車なら通り過ぎてしまう小道や、知らなかったお店や風景をママやパパと一緒に発見するのは探検気分で盛り上がるはずです。
補助輪付きの自転車の子どもは、思い切って補助輪を取る練習をしてみませんか。 全く乗れなかった子どもでも30分で乗れる場合もあります。転んでも痛くない芝生の公園や、できればゆるやかな坂道があると素早く乗れるようになります。 動画サイトなどを参考にしてみてください。
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お正月でなくても、風が少しあれば凧揚げが楽しめます。
レジ袋の持ち手にビニールひもを結び、3メートルほどの長さのところで持ち手になる輪を作ります。レジ袋に油性ペンでイラストを描くと愛着がわきますよ。
広い公園でそれを持って走ると空気が入って浮かび上がります。 本物の凧揚げのように空高く舞い上がることはありませんが、ちょっとした凧揚げ気分を味わえますし、子どもは必死に走るので体力がつきますね。
子どもが興味を持ったら、レジ袋やストロー、セロテープや余っている毛糸やビニールひもなどでもっと飛ぶ凧を簡単に作ることができますよ。
凧が上がっても上がらなくても、子どもにとっては自分の作ったもので遊ぶのは楽しいことです。また、成功すれば達成感や充実感を味わえます。
虫眼鏡や双眼鏡、使っていないスマートフォンやカメラがあれば、子どもに持たせてお散歩してみましょう。近くに堤防や森がなくても、公園や街路樹でも良いのです。
葉っぱや虫、花や草をズームして観察することで見えてくる世界を味わったり、カメラで記録に残し、帰宅してから図鑑やインターネットで調べると、名前や特徴が分かって楽しいですね。 知的好奇心を刺激し、知りたい・覚えたいという気持ちや、調べて勉強したという気持ちが自信につながります。
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なるべくママやパパが動かなくても良い・疲れない遊びを紹介していますが、もちろん一緒に遊んで運動不足解消を目指してもOK!ママやパパの遊び方は自由です。危険やケガのないように楽しみましょう
ママやパパが疲れているときは、動画サイトの閲覧、ゲーム、習い事、頼れる人や預かり保育に預けるなど、負担がかからず子どもが楽しめる方法がたくさんあります。
子育てに無理なく、子どもは楽しく、双方が快適に過ごせる方法を選択し、余裕があるときはこのような関わりを参考にしてみてくださいね。
炭本まみ
保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。
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