子どもの「叩く・噛みつく」行動への対応|保育士が実践する、優しく毅然としたアプローチ

子どもの「叩く・噛みつく」行動への対応|保育士が実践する、優しく毅然としたアプローチ
「友だちを叩いてしまって…」「噛みついて困っています…」 子どもの「叩く・噛みつく」行動に悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。 そうした行動は、子どもの成長の過程でよく見られるもの。 大切なのは、子どもの気持ちに寄り添いつつ、毅然とした態度で向き合うこと。 保育の現場で培ってきた経験をもとに、「叩く・噛みつく」行動への向き合い方をお伝えしましょう。
目次

1. 子どもの行動の裏にある気持ちを汲み取る

「叩く・噛みつく」行動は、子どもなりの理由があって起こるもの。

まずは、その行動の裏にある子どもの気持ちを汲み取ることが大切です。

イライラしている、悔しい思いをしている、言葉で伝えられずもどかしい。 そんな子どもの内なる声に耳を傾けてみましょう。

園では、子どもの表情や態度から、心の状態を読み取ることを心がけています。

ご家庭でも「どうしてそんなことしたの︖」と問いかける前に「気持ちを聞かせて」と語りかけてみてください。

子どもの行動の理由を一緒に探ることが、適切な対応への第一歩となります。

2. 毅然とした態度で「ノー」を伝える

子どもの気持ちを受け止めつつも「叩く・噛みつく」行動については、毅然とした態度で「ノー」を伝えることが肝心です。

「友だちを叩くのは絶対にダメ」「噛みつくのは良くないことだよ」と、穏やかでも毅然とした口調で伝えましょう。

園でも、問題行動があったときは、あくまで行動を否定し、子ども自身は否定しないように配慮しています。

子どもの人格は尊重しつつ、行動の善し悪しを教えていく。 その姿勢が、子どもの規範意識を育んでいくのです。

3. 言葉で気持ちを表現する力を育む

「叩く・噛みつく」のは、言葉で気持ちを伝えられずにいる子どもの悲鳴かもしれません。 だからこそ、気持ちを言葉で表現する力を育むことが大切。

園では、日頃から絵本の読み聞かせや歌遊びを通して、言葉に触れる機会を多く設けています。

ご家庭でも「嫌だったんだね」「悔しかったんだね」と、子どもの気持ちを言葉にして共感してあげましょう。 そして「嫌だったら、『やめて』って言ってごらん」と、言葉で伝える練習を重ねていくことが肝心です。

言葉の力を育むことが「叩く・噛みつく」行動の予防につながるのです。

4. 子どもの自尊心を大切にする

「叩く・噛みつく」行動を繰り返す子どもは、自分に自信が持てずにいるのかもしれません。 だからこそ、子どもの自尊心を大切にする関わりを心がけたいもの。

園では子どもの良いところをたくさん見つけ、認めるように努めています。

ご家庭でも、子どもができていることを具体的に褒めてあげましょう。 「お友だちのおもちゃを取らずに待てたね」「言葉で『貸して』って言えたね」。 小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自信につながります。

自分に自信が持てる子どもは、問題行動に頼らずに上手にコミュニケーションできるようになるはずです。

5. 周りの子どもたちへの配慮も忘れずに

「叩く・噛みつく」行動のある子どもへの対応とともに、周りの子どもたちへの配慮も忘れずに。

叩かれた子、噛みつかれた子の気持ちに寄り添い、しっかりとケアすることが大切です。

園でも、トラブルに巻き込まれた子どもたちに、保育士が寄り添い、安心感を与えるようにしています。 ご家庭でも「痛かったね、怖かったね」と共感し「〇〇ちゃんが悪いんじゃないよ」と伝えてあげましょう。

そして「もし同じことがあったら、先生やママに助けを求めてね」と、問題解決の方法を具体的に教えることも忘れずに。

子ども同士の関係づくりを優しく見守っていきたいですね。

まとめ

子どもの「叩く・噛みつく」行動は、成長の過程でよく見られるもの。 大切なのは、行動の裏にある子どもの気持ちを汲み取りつつ、毅然とした態度で「ノー」を伝えること。

そして、言葉で気持ちを表現する力を育み、子どもの自尊心を大切にすること。 周りの子どもたちへの配慮も忘れずに、優しく毅然とした対応を心がけていきたいですね。

ご家庭でも、どうか子どもの成長を信じてあたたかく見守ってあげてください。 ゆっくりでも着実に「叩く・噛みつく」は「話し合う・考える」になっていきます。

子どもの一生の土台を作るかけがえのない時間です。 一つひとつの関わりを大切に、暮らしていきましょう。

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執筆者

保育士 でん吉

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