知っていますか?幼児期にやっておきたい「36の動き」と遊びを楽しむことの重要性
2020.10.14
3歳、4歳とは、いわゆる年少にあたる時期。多くの子が幼稚園や保育園などで集団生活を経験するようになり、運動においても、ぐんとできることが増えていく時期です。
いろいろな動きができるようになり、お友だちと一緒に体を動かして遊ぶ楽しさも知っていきます。
そんな3歳児、4歳児は、運動においてどのような発達段階なのか、それをふまえてどんな動きを遊びの中で経験させておくのがいいのか、「幼児期運動指針」(文部科学省)の内容を抜粋しながら紹介していきます。
まずは、運動能力の発達において、3歳から4歳はどのような段階なのでしょうか。
基本的な動きが未熟な初期の段階から、日常生活や体を使った遊びの経験をもとに、次第に上手にできるようになっていきます。
特に幼稚園や保育所等の生活や家庭での環境に適応しながら、「体のバランスをとる動き」「体を移動させる動き」「用具などを操作する動き」といった多様な動きが一通りできるようになります。
そして心身の発達とともに、自分の体をコントロールするようになります。 基本的な動きを何度も繰り返すうちに、次第に身体感覚を高め、より巧みな動きを獲得するようになっていきます。
引用:幼児期運動指針(文部科学省) *太字は編集部注
集団生活の中で、お友だちの動きに興味を持ったり、まねしてみたり。
たくさんの遊びの中からいろいろな動きを経験していくこの時期、とくに「体のバランスをとる」「体を移動させる」「用具などの操作」の大きく3つの動きが発達していきます。
たとえば1~2歳のときに比べ、転ぶ回数が減ったなと実感できるようになるのは、徐々にバランス感覚が養われてきたため。
まだ動きに力みやぎこちなさがありますが、この3歳から4歳の時期にさまざまな動きを繰り返し行うことで、ムダな動きが減り、どんどんその動きが上手になり、さらに複雑な動きができるようになっていきます。
それらの発達段階を踏まえて、どんな動きを遊びに取り入れるのがよいのでしょうか。
この時期の幼児には、体を使った遊びの中で多様な動きが経験でき、自分から進んで何度も繰り返すことにおもしろさを感じることができるような環境を構成することが必要になります。
例えば、屋外での滑り台、ブランコ、鉄棒などの固定遊具や、室内での技巧台やマットなどの遊具の活用を通して、全身を使って遊ぶことなどにより、立つ、起きる、回る、渡る、ぶら下がるなどの「体のバランスをとる動き」や歩く、走る、跳ぶ、上る、這う(はう)などの「体を移動する動き」を経験しておくことが望まれます。
引用:幼児期運動指針(文部科学省) *太字は編集部注
こちらの記事でも紹介しましたが、まず前提として、幼児にとっての運動とは「楽しく体を動かす遊びを中心に行うこと」が大切です。3歳から4歳はまだ飽きっぽく、まだまだ気分にむらがある気まぐれも多い時期。おもしろくないと、繰り返して遊ぶ気にはなりませんよね。
そのうえで、多様な動きが経験できるように様々な遊びを生活の中に取り入れることがポイントとなります。
以下のような動きが自然と遊びの中で行えるよう、見守ってあげてください。
細いところを落ちないように橋渡りをする・横歩きでそろそろ進む、はしごを渡る、傾斜のついた斜面を歩く、鉄棒などにぶら下がる…などで、バランス感覚を身につけていきましょう。
バランスをくずしそうになったときにスッと立て直すことができるためには、このような動きの経験の積み重ねが必要となります。
最近はコロナ禍でおうち時間が増えましたが、室内でもバランスを取る遊びはできます。
たとえば、大人が両手足をついた状態になり、子どもが馬に乗るようにまたがって、わざとゆさぶり落とすように動かしたり…親子でスキンシップを取りながら一緒に楽しんでください。
段差のあるところを上ったり下りたり、高いところからジャンプしたり。
シンプルな動きではありますが、体の重心を移動させることは体幹を鍛えることにもつながり、運動能力を高めることには欠かせないものです。
寝転がった姿勢でコロコロ体を移動させる動きは、室内で布団などを使うとよいでしょう。
たとえば、布団やベッドで高低差を作って上ったり下りたり、マットを傾斜をつけておいて滑り台のように楽しんだり、掛け布団に跳びこんだり…室内での"布団遊び"は、手軽に楽しく「体を移動する」動きを経験できます。
安全に遊べるよう、大人が見守ってくださいね。
ちなみに、用具を使った動きが上手にできるようになるのは、もう少し発達が進んでからになりますが、この時期から、ボールをはじめとするスポーツ玩具などいろいろな用具を、見て、ふれて使ってみる経験をしておくことも大切です。
※幼児の発達は必ずしも一様ではなく、同じ年齢でもできることや興味は様々なので、一人一人の発達の実情を捉えることが大切です
3歳、4歳児にいろいろな動きを経験させるのに、公園はぴったり!いろいろな遊具を使い全身を使って遊びましょう。
たとえば滑り台。座って滑ることのほかに、横になって滑ってみたり、立ったまま下りてみたり、斜面を登ってみたり…ひとつの遊具でも遊びがぐんと広がり、色々な動きの経験につながります。
***
気づくと上る必要のない段差を上ったり下りたり、
やたら塀の上に上って歩きたがったり、
高いところから跳び下りたがったり…
考えてみると、子どもが好んでする動きは、じつはその時期に「経験しておく必要がある動き」だったりするんですね。
大人は子どもが安全に遊べるように見守ることが大切ですが、つい「危ない」などと言い過ぎて、子どもが自ら経験しようとしている色々な動きを制限してしまわないように留意することも必要です。
この時期に経験させたいさまざまな動きを紹介しましたが、「この動きをさせなくては!」と気にしすぎるたり、むりやりさせる必要はなく、楽しく遊ぶ中でおのずといろいろな動きが経験できるよう、おやこで一緒に体を動かして遊べるといいですね。
出典:幼児期運動指針(文部科学省)
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