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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

英語よりまずは算数!12ヶ国語を操る世界的数学者が言い切る「子どもの英語学習」を焦らなくていい理由とは?

英語よりまずは算数!12ヶ国語を操る世界的数学者が言い切る「子どもの英語学習」を焦らなくていい理由とは?
小学校での英語必修化が始まり、高まる英語教育熱…。幼児のうちから始めさせたいという家庭も多いですよね。いつから、どんな教育が必要なのか。そんな悩みを抱えているかたに読んでほしいのが『子どもの英語教育はあせらなくて大丈夫!』(草思社刊)。まさに4歳の娘を英会話スクールに通わせ始めたばかりというライター・河瀬みことさんがレビューします。
目次

こんにちは。4歳と2歳の姉妹を子育て中のライター・河瀬みことです。

わが家では、迷いに迷った結果、英会話スクールに4歳の娘を通わせ始めたばかり。そんな時に書店で目に入ってきた言葉が

「子どもの英語教育はあせらなくて大丈夫!」

…まさかのタイトルの本に「えっ、そうなの!?」と拍子抜け。
とはいえ、どんなことが書かれているのかやっぱり気になります。心してページをめくり始めました。

『子どもの英語教育はあせらなくて大丈夫!: 12ヵ国語を操る世界的数学者が、今伝えたい、子育てで本当に優先すべきこと』(草思社刊)の著者は、数学者で大道芸人のピーター・フランクル氏。
世界110ヶ国を回り12ヵ国語ができるという、ハイパー国際人!ハンガリー出身ですが、30年以上日本で暮らしています。

国際的な視点を持っているピーター氏が、子どもの英語教育をはじめ、子育てそのものに悩んでいる人向けに、どのような教育がこれからの国際人を育てるのかを、非常にわかりやすく書いています。

※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

「英語に慣れるなら小さいうち」は本当?その答えは…

ピーター氏は、英語はできないよりできたほうがいい、英語ができることは将来有利になると言い切ります。

そうなのです、自分自身が「話せない・聞き取れない」コンプレックスがあるからこそ、わが子には幼いときから苦手意識なくできるようになってほしいと思い、娘を英会話に通わせ始めたわけで。しかし…

「2、3歳から英語教室に通わせたり、英語の教材で遊びながら学ばせたりするだけで英語の力が付いていくかというと、残念ながらそれはありません。」

という言葉が……ガーン!!
その理由は、外国語の習得にはそれなりの努力と繰り返しが必要。何より、本人の学びたいという意欲が不可欠。未就学児にそれを求めるのは厳しいのではないか、とのこと。

ただ、早期の英語教育は英語という言葉に慣れさせる意味では、ある程度の効果がある。
でもそれは「親しませる」程度に考え、ネイティブのように話せるといった過剰な期待は持たないほうがいいとのこと。

振り返ると、筆者自身も学校の「詰め込み式」の英語教育で「読む」「書く」はある程度身についても、コミュニケーションに大事な「聞く」「話す」力をつける機会を持たず、ここまで来てしまった状態。
だから娘には幼いときから外国人と接したり、英語という言語が身近にある環境として英会話スクールを活用できればいいのかな、と前向きに思い直すことにしました!

そうなのです、タイトルは「あせらなくて大丈夫」であって、「子どもの英語教育はムダ」とは言っていないのです。

英語力を伸ばすために、子どもには「ルーツ」と「自覚」を

本書の中には、子どもの英語力についての興味深い話が数多くあります。 たとえば、

  • 「ネイティブ発音」はあまり必要ではないが、「聞き取る力」は重要
  • 興味を持ったときに教えるのが力を伸ばす近道

など。
そして、英語力だけではなく、子どもの可能性を広げるために必要な教育についても書かれています。

例えば、子どもたちが将来どこで活躍するにしても「自分は大丈夫」という自信と誇りを持ち、スキルとしてではなくコミュニケーションとして英語を活用できるのは大切なこと。
そのために、まずは自分はこういう人間で、こういうことができる、という「自覚」を子どものうちから養っていくことの大切さを訴えています。

そのために、ピーター氏は親には英語教育よりもまずは心のよりどころとなる「ルーツ」を子どもの中にしっかり育ててあげてほしいと言います。

「ルーツを持つことが安定した心につながり、それがあることで能力を伸ばしていける」
――そんなことは今まで考えたこともなかったので、ハッとさせられました。

算数の力は、幼いうちから身近なものでどんどん伸ばせる!

英語と同じように、算数や数学の苦手意識を持つ保護者のかたも多いのではないでしょうか。
数学者でもあるピーター氏は、「英語はあとからでもいいが、算数は小さいうちから力をつけたほうがいい」とのこと。これは非常に気になる!

ピーター氏は、「算数嫌いは人生の損になる」と言い切ります。算数は「物事を論理的に考える力や、答えを導き出す発想力」を伸ばしてくれるのだとか。

大切なことはわかるのだけど、幼児のうちからどうやって身につけられるの?と思っていたら…なんと算数力は、ゲームやパズルを幼いときからやることでどんどん伸ばしていけるそう。

たとえばトランプの「七並べ」。勝つためにどうすればいいか頭を使うことが、算数力を伸ばすいいトレーニングになるそう。
ほかにも、空間図形の問題のように考えながら取り組める「組み立て式家具」を親子で作ることや、旅行の計画、料理をすることも算数力を身につけるのに有効なんだそう。

読みながら、親が少し意識するだけで、意外と手軽に算数力のトレーニングができるんだ!とうれしく思いました。

子どものために何が一番か、を思い悩んでいるママ・パパへ

子どものために何かしてあげたい、でも何をどうやって?と悩みがちでしたが、この本にはまず、「大切な考え方や想い」が書かれていて、そのうえで具体的なやり方のアイデアが数多く紹介されています。

いわば、子育て・子どもへの教育の「道しるべ」的な一冊。
読めば、パアーッ!と子育ての見通しがよくなるような、そんな読後感に。ぜひ、多くのママ・パパたちに手に取ってほしい一冊です。

『子どもの英語教育はあせらなくて大丈夫!: 12ヵ国語を操る世界的数学者が、今伝えたい、子育てで本当に優先すべきこと』
著者:ピーター・フランクル
発行:草思社
定価:単行本1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,463円(税込)

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【わたし的評価】
満足度   ★★★★★
実践度   ★★★☆☆
読みやすさ ★★★★☆
わかりやすさ★★★★★

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執筆者

ライター 河瀬 みこと

大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。

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