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子どものなぜ?なに?どうして?に答える!

静電気ってなあに?電気とどう違うの?バチッときたら子どもの知的好奇心をふくらますチャンス!

静電気ってなあに?電気とどう違うの?バチッときたら子どもの知的好奇心をふくらますチャンス!
【静電気とは?】静電気が起きる仕組みや冬に起こりやすい理由、電気との違いなどをわかりやすく解説します。
目次

中学高校の理科・情報教員免許をもち、インスタグラムで「365日理科育児」を発信中の5歳と0歳の兄弟のママ、はるかさんに、幼児から楽しく理科分野の関心をふくらませるための身近なヒントを教えていただきます。

今回は乾燥する季節ならでは!静電気がテーマです。

***

寒い日が続きますが、子どもたちは寒さをものともせず屋外で元気に遊んでいますね。

冬、公園のプラスチック製のすべり台を降りるとき、セーターや裏起毛のトレーナーを脱ぎ着するときなどに、パチパチと発生する静電気。

私も公園で子どもがすべり台を滑るたびに、ドキドキしています。
そんなちょっとこわい静電気ですが、パチッとなったときは「これは静電気っていうんだよ」と会話を広げるチャンス。

今回は、そもそも静電気って何?から始まり、私たちの生活に欠かせない電気にまで話を広げて、興味を持つきっかけとなる関わりや遊び方について紹介していきます。

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そもそも"静電気"って何?

静電気と聞くとどんなものが思い浮かびますか?

小学生の頃に何度もやった、下敷きで頭をこすると髪の毛が立つこと。車のドアやドアノブをさわるとパチッと感じるのも静電気ですね。静電気はモノとモノが擦れ合う時などに発生しますが、素材の組み合わせによって、発生したりしなかったりします。では、どんな時に起こるのでしょうか。

全ての物質は原子という小さな物質でできています。そして、原子の周りを回る電子の数によって、原子は電気を帯びます。この状態を帯電(たいでん)と呼びます。

素材によって、プラスの電気がたまりやすい(帯電しやすい)もの、マイナスの電気がたまりやすい(帯電しやすい)ものがあり、このたまった電気を静電気と呼びます。また、マイナスの電子はマイナスに帯電したところから離れたがるという性質があります。

▲出典:花王「応援!くらしのキレイ」冬の静電気対策 パチパチ静電気を防止する3つの対策。服の素材選びにもコツあり!

この図で、繊維の位置が左右離れている組み合わせほど、静電気が発生しやすくなります。

セーターに使われている毛糸やナイロンはプラスの電気がたまりやすく、たとえばユニクロの”ヒートテック”などに使われているポリエステルやアクリルはマイナスの電気がたまりやすい性質をもちます。

ヒートテックの上にセーターを着ていた場合、セーターを脱ぐ時にヒートテックとこすれることで、ヒートテックにたまっていたマイナスの電気が、プラスの電気を帯びやすいセーターへと移動し、パチパチと感じます。

ちなみに、綿・麻・絹などの素材は帯電しにくいので、セーターを着るときの下着を綿にすると比較的静電気が起こりにくくなります。

また、プラスチック製のすべり台の場合、プラスチックはポリエチレンなどのマイナスに帯電しやすい素材でできているので、プラスに帯電しやすいナイロンやウール素材の洋服を着ていると、すべる時の摩擦によって、静電気が起こります。

冬のコートはウールや、ダウンコートも外側はナイロンが多いので、まさに静電気がおきやすい素材どうしをこすり合わせていることになるんですよね!

静電気のことを考えると、それほど寒くない室内すべり台で遊ぶときは綿の洋服を着るとよいかもしれませんね。

子ども解説

物と物がこすれるときに、静電気ができるよ。セーターを脱いだ時やすべり台をすべってパチパチと音がするのは、静電気が起こっているからなんだ。物と物がこすれると何でも静電気ができるのではなく、静電気ができやすいものと、そうでないものがあるんだよ。

なんで静電気は冬にできやすいの?

冬に静電気が起こりやすい理由は、空気が乾燥しているからです。ではなぜ空気が乾燥していると静電気が起こりやすいのでしょうか。

湿度が高いときとは、つまり空気中の水蒸気が多い状態です。水は電気を通すので、物質の表面に水分が多くあると、物質の電気は水を通して徐々に放電されるため、物質自体に電気がたまりにくくなります(=帯電しにくい)。
反対に乾燥していると、物質の表面に水分が少ないので、物質自体に電気がたまる(=帯電する)量が増えてしまい、静電気が発生しやすくなります。

季節だけでなく、もちろん天気によっても静電気の起こりやすさは異なります。空気が乾燥する晴れた日のほうが、くもりや雨の日よりも静電気が起こりやすいのです。

子ども解説

冬は他の季節と比べて空気が乾燥しているんだ。空気が乾燥しているときは、空気中の見えない小さな水の粒(=水蒸気)が少ないから、静電気が物にたまりやすいんだよ。

静電気と電気の違いって何?

静電気は物と物の摩擦によって発生する電気のことで、帯電したまま動きません。電流がとても弱いので、電灯をつけたり、機械を動かすようなことはできないのです。

一方、私たちが一般的に電気と呼んでいるのは動電気といわれる流れる電気のことです。電気を便利に使うためには、電流という、電子が移動する一定の流れが必要なんですね。

子ども解説

みんなが使っている電気は、静電気のように動かない電気ではなく、電流という電子(電気の粒が流れているもの)だよ。電気が流れるから、電球が光ったり、機械が動いたりするんだよ。

電気は何に使われてるかな?

電気とは、エネルギーの姿のひとつである電気エネルギーです。電気エネルギーを光のエネルギーや音のエネルギー、運動エネルギーに変えることで、家でも町でも様々な場所で利用できるのです。

以前、息子が「信号ってなんで光るの?」と聞いたときに「電気の力だよ。信号ってどれも電柱についているでしょ、それは電線から電気をつないでいるからなんだよ」と話をしたら驚いていました。

子どもとの遊びのヒント「電気を使っているもの探し」

家の中や町で、電気が使われているものを子どもと見つけて言い合いっこすると楽しめます。
「家の中で電気を使って動いているものはど〜れだ?」
「町は?道路の信号、街灯、エレベーター、お店の電気にレジ、たくさん!」
ヒントは、音や光、風、動くものです。そして、コンセントに挿していたり、電池を使っているものですね。

わが家は昨年11月に停電になった時、電気を使っているものクイズをしました。 「停電でとまったものが電気で動いているものだよ」「道の信号もコンビニの電気も消えていたよ、レジも動かないってお店の人が言っていたよ」など。
冷蔵庫が早く動いてくれないと、中のものが腐るので焦りましたけどね!

電気を楽しく学べるおすすめ絵本

普段の生活で身近な電気ですが、目に見えないものだからこそ、子どもにはなかなかピンときづらいもの。おやこで楽しめる絵本と、子どもに説明できるように、まず大人が正しく理解できるおすすめの本も紹介します。

何気なく使っている電気のしくみを楽しく理解できる

家の電球、近所で見かける電線、山の送電線など、電気って断片的には見たことがあるけれど、電気そのものの形は見えず全体像がつかみにくいもの。この絵本では、どこでどのように電気が作られるかという発電の仕組み、どうやって私の部屋まで運ばれてくるのか、一連の流れを追うことができます。

この絵本が素晴らしいポイントは、水力発電、火力発電と発電方法の具体例を紹介をしたあとで、"磁石を何らかの力で回すと電気が作られる"ことを紹介。「君は何の力で回してみる?」と子どもに問いかけているところ。

学びに置いて、自分の頭で考えてみることってとても大切です。バラバラに見えた発電が、磁石を回すという共通点でつながり、さらに子どもの発想を自然に促す展開。親子で自由に話し合ってみてくださいね。

『でんとうがつくまで』
分・絵/加古里子
福音館書店
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ママ・パパの学び直しに最適な絵本!

2021年8月に初版が発行されたばかりの新しい絵本。小学校高学年から対象と少し幼児には早いですが、豊富な写真とイラストのコマ漫画で、身の回りの事象と物理学を結び付けて紹介する科学絵本シリーズです。

大人にも見ごたえ十分。そもそも電気って何?何で電池を入れると音や光になるの?大人でも理解があやふやなところを、わかりやすく学び直すのに最適です。小学生のころにこんな絵本を読んでおけば、物理分野もすっと入ってくるだろうなと感じました。

物理の基本を楽しく理解できるので、物理に挫折した経験のあるママ・パパもこれなら大丈夫。電気以外にも、光や音、熱、磁力など全10巻ありますよ。お子さんが興味を持ちそうなテーマから読んでみてはいかがでしょうか。

『エレキが伝える 電気のふしぎ』
作:ジョゼフ・ミッドサン
絵:サミュエル・ヒーティー
訳:羽村太雅
くもん出版
amazon購入はこちら

静電気をきっかけに会話をふくらませよう

いかがでしたか。
わが家の息子は先日も登園中に電線が各家につながっているのを観察していました。そのとき「電柱の中って電気が通っているの?」と聞かれて、子どもの発想の自由さに驚きました。
電柱は長い電線を支える役割なんですが、どうしてもあの太い電柱には電気が通っている気がするようです。

パチッとする静電気はちょっと嫌なものではありますが、子どもの電気への興味がふくらんだらしめたもの!おやこでさっそく家の中で電気で動いているものについてお話してみてくださいね。




▼静電気を使った楽しいおうち遊びを紹介!

冬のイヤ〜な【静電気】が室内遊びの強い味方に!おうち時間が増えてもへっちゃら!子ども大興奮の“おもしろ実験“4選

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執筆者

はるか

「日常のなんで?を大切にする理科育児」を実践し、日々の生活で子どもの知的好奇心を楽しく広げるヒントをInstagramで発信中。子どもの頃から理科が好きで、高校は理数科。大学ではバイオテクノロジーを学び、大手メーカーSEを経て私立大学で人の成長を支援する。キャリアコンサルタントの視点から、子育てとわたしらしく生きることの両立を応援する団体「ラシク」を2021年1月に設立。 中学高校の理科・情報教員免許。5歳と0歳の兄弟を子育て中。
モットーは「ママの世界が広がると子どもの世界も広がる」
Instagram: はるかの理科育児日記

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