子どもたちにとっては3月の年度末が一年の区切り。環境の変化にワクワクドキドキしているのではないでしょうか。
そんな子育て家庭にとって、進級や進学は家の中のものを整理するのにぴったりのタイミングです。
新年度の準備もあり、保護者にとって忙しい時期ではありますが、モノを見直しスッキリとした部屋と気持ちで新年度を迎えられるように「年度末にこれだけはやっておきたい!」という片付けについてご紹介します。
まずは子どもの年齢にかかわらずどの家庭でもやってほしい紙類の片付け・収納の見直しから。
忙しい方ほどためこまずこまめにやりたいものですが、1枚ずつ確認していく必要があり、時間がかかりますよね。
プリントは「これから使う紙」「思い出として保管したい紙」「処分する紙」と分けていきます。
保護者が整理するときも、子ども自身が整理するときも同じです。
もう必要なくなったお知らせのプリントであれば、すぐに処分できるでしょう。問題は保管しておくべきか迷うプリントですよね。
たとえば子どもの100点のテストだったらどうしますか?
「100点だったからとっておきたい!」
「100点だから見直す必要がないからいらない」
どちらも正解です。
このとき大切なのは「子ども自身が自分で基準を持って決めること、考えること」です。
子どもの意見を聞く必要がないものも、大人が明確な基準をもって決めることが大切です。
ちなみに、もし100点のテストを「思い出としてとっておく」と決めたら「クラスで1人だけ100点だった」などそのときの思いも書いておくと、"なぜとってあるのか"を忘れずにすむので思い出が活きてきますよ。工夫してみてくださいね。
学期ごとに仕分けして「保管」となっていた紙類も年度末に見直すことによって本当にとっておきたいモノだけが厳選され、モノがあふれるのを防ぐことができます。
溜まったプリント類の整理が終わったら、新学期に紙類の整理で困らないしくみ作りをしましょう。
毎日が大変にならないように、新学期が始まる前に「年間保管」「月間保管」「随時保管」など分類する入れ物を用意して、保管場所を決めておきましょう。このひと工夫で日頃の分類がぐっと楽になります。
小学校に上がったら、子どもと一緒に学校で使用したプリント類を整理するといいですよ。
続いては、保育園や幼稚園での進級、新1年生、小学生での進級の3つの時期に分けて、とくにやっておきたいことを紹介します。
通っている園での進級であれば、気持ち的にも余裕があるこの時期。おもちゃや絵本の整理を中心に行いましょう。
毎月届く通信教育の教材や絵本は月齢に合ったものが届くことがほとんどなので、一年間分を別の場所に移して新しいモノが置けるスペースを確保しましょう。細々としたおまけのおもちゃやおもちゃ箱に入れて忘れていたモノもこの機会に処分するとよいですね。
小学校入学を機に子ども部屋を検討する方は多いと思います。
部屋でなくても自分の場所としてのスペースを用意するだけでも十分です。
専用の場所を与えたら「その場所は自由にしてよいが、責任もある」ということを約束してください。「使ったら元の場所に戻す」「そのスペース以上は増えないようにする」というルールを決めましょう。
自分だけの楽しい場所になるように、収納ボックスを作ったり、お気に入りのものを飾ったりしてみてください。考えるだけでワクワクしてきませんか?
先ほどの紙類の整理のほかに、教科書・ノートの整理を行いましょう。
処分の基準は「使うかどうか」です。
教科書はいつまで保管するか悩むものですが、基本的には処分してしまっても問題はありません。(次の学年でも使う教科書は学校から指示があります)
しかし教科書はお片付けの「とっておくのか、処分するのか」の判断を決めるとても良い教材なので、ぜひお子さんに判断させてみてください。
子どもが「とっておきたい」と言ったならとっておいてあげてください。そして一年後に「使った?」と聞いてみてください。ほとんどのお子さんが見直すことなく「使わなかった」というと思います。
この問いかけで「使わないものは処分してもいいんだ」という実体験につながっていくのです。
全部とっておくとスペースが減るので、"本当に必要なものだけを自分の限られたスペースに収納することが大事"ということを、低学年のうちに身につけられるよう工夫してみてくださいね。
「片付けなさい」と言っても、子どもにとって楽しい春休みに進んでお片付けをするのはなかなか難しいものです。だからといって保護者だけが片付けをやってしまうと、子どもにとって"自分ごと"になりません。一緒に楽しんでやるのが一番です。
この時期の片付けのポイントは、新学年で入ってくるものを置くための「スペース」をあけておくことを意識すること。
「いるか」「いらないか」の判断は子どもに任せます。
「全部いる」となってしまう場合にはすぐ使うものか、思い出として保管したいのかなど分けます。
本棚には新しい本を置くスペースがあるか、クローゼットは今着ている服がとりやすいかと余裕があるかを一緒に確認してください。
新学年では新しいモノが必ず増えます。学期ごとのお休みには園や学校から持ち返ったものの一時置き場も必要になります。
こうしたモノの置き場を先にあけておくことで散らかるのを防ぐことができます。低学年のうちは先を読むことは難しいので、保護者が収納スペースを確保してあげられるように手伝えるとよいですね。
年度末にやっておきたい片付けについて紹介しました。
モノの見直しをすると「色々あったなぁ」と感慨深くもなりますが、お子さんの成長を感じると思います。
一緒にお片付けしながら、「こんな散らかってる部屋だと・・・」というお小言よりも「年長さんらしいすてきなお部屋にしよう!」などとポジティブな声かけでお片付けできると楽しいと思います。
リセットされた新しい環境で気持ちよく新年度を迎えられるよう、おやこで一緒に取り組んでみてください。
整理収納アドバイザー 副島 千尋
大学卒業後、金融機関に勤務。退職後、整理収納アドバイザーの資格を取得し、「ととのYELL」を設立。個人宅の整理収納サービス、コラム執筆、各種セミナー講師として活動中。快適で無理のない「ちょうどいい暮らし」を提案している。おもちゃコンサルタントでもあり、子どもとの関わり方、お片付けにも力を入れている。
「ととのYELL」
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