家庭教育アドバイザーのTERUさんに、子どもとの約束の仕方について教えてもらうシリーズ第2弾。
前回の記事では、子どもと約束をすればするほど約束に対して無責任になってしまう、本末転倒な結果を引き起こす親の対応について解説しました。
では子どもとはどんな約束をして、どうしたらしっかり守らせることができるのでしょうか。
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約束の効果や最適な方法は子どもや家庭のタイプにより異なります。
そして、今回紹介する約束の仕方も、子どもの成長から考えた"理想論"の側面もあります。ただ、約束の仕方を見直すことで育児のストレスが減ったという声も多くあります。
子どもの行動が改善され、責任ある行動が増えていけば、子育てがぐっと楽になりますよね。すべてを実行しなければいけないとは思わず、「うちの子に合いそうだな」と感じる方法があれば、ぜひ試してみてくださいね。
大前提として、約束における親の役割はなんなのでしょうか
子どもと約束をする際の親の基本的な姿勢として、約束したらその約束を守るための行動の過程は子どもに任せ、親は口出しをしないように意識しましょう。
過程がどうであれ、最終的に子どもが約束の時間を守ったり行動できたりすればOKです。一方、子どもが約束したことをできなかった場合は、親は子どもに約束を守らせるためにパワーを使わなければなりません。
できなかったらデザートを食べられない約束なら"デザートを出さない"、テレビを見ない約束なら"テレビを見せない"など、徹底して守ります。
子どもは泣いたり怒ったりするかもしれませんが、「でも約束したからね」と最終的な約束の責任を取ることにパワーを使いましょう。
そうやって親が約束を守るようにしていくと、親子間で"約束は守られて当然のもの"になっていきます。そして、そんな親の姿を見ている子どもも約束したことに対して責任ある行動ができるようになっていくでしょう。
約束の根底には「約束を守る責任感のある人間になってほしい」という親の願いもありますよね
子どもの行動改善につながる"意味のある約束"をするためには、次のポイントを意識してください。
約束をしたあとの行動を子どもに任せるのは、約束の内容が”子どもが自分ができること”であるのが前提です。
まだ年齢的に難しい部分があれば、親がサポートしてあげましょう。約束をするのであれば、完全に親がやってしまうのではなく、子どものレベルに合わせてあくまでサポートに留めるのもポイントです。
「〇時までに〇〇してね」というように時間を意識して動いてほしいことがありますよね。しかし、まだ時計を読めるようになったばかりの子や、時間感覚が身についていない子には、自分で時間を意識して行動するのは難しいことです。
時間感覚を養うために「時っ感タイマー」のようなツールを使ってサポートしてみましょう。「時っ感タイマー」は、針が進むだけでなく色でどのくらい時間が進んだかが視覚的にわかる時計です。
子どもが時計を読めるようになるためのステップはこちらの記事を参考にしてください。
⇒子どもにとってちょっと難しい【時計の読み方】。自然と読めるために暮らしに取り入れたい“プチくふう”
親は子どもが約束したことができなかったときに、”約束を守らせるためにパワーを使う”とお伝えしましたが、約束の時間が来たからといっていきなり怒ったり叱ったりするのは避けましょう。怒らず、でも有無を言わさない態度で進めるのがポイントです。
たとえば「出かけるから〇時までに食事をすませようね」と約束をしている場合。約束の時間が来たら「はい、時間だね〜」と淡々と食器を片付け、子どもが泣いてぐずっていてもさっさと準備をして「はい、行くよ〜」と子どもを抱えて家を出るなど。
たとえ子どもが泣いてしまったとしても、淡々と必要なことを進めるのです。
もちろん、毎回子どもの気持ちに寄り添って共感するのも素晴らしい関わり方です。敏感タイプの子どもなど、淡々と進めるのが合わない場合もあります。
あくまで子どものタイプによりますが、親が約束を守らせること以外にはパワーを使わず、淡々と関わる方がおやこともにラクである場合が多いのです。
子どもの行動を改善するのに、約束が万能なわけではありません。まだ約束を意識して行動するのが難しい低年齢の子どもや、おやこともにバタバタしていて約束が曖昧になってしまいそうなタイミングなどにわざわざ約束をする必要もありません。
「〇〇しないと〇〇できないよ」と頻繁に約束しても、すぐに親側から約束を破ってしまうという状況では、子どもの成長につながりにくいでしょう。約束の使いどきを意識して、しなくていい約束はしないのも大切です。
***
大切なのは親は子どもの状態や生活スキルに応じて必要なサポートをし、子どもとの約束において一貫した態度をとること。
何か改善したい子どもの行動があるのであれば、子どもが動きたくなる楽しい仕組み作りをしたり、できたときに褒めて成功体験を積み重ねたりと、約束以外のアプローチを試してみてもいいでしょう。
一例として、こちらの記事で子どもの朝の準備を早くするための工夫を紹介しているので参考にしてみてください。
⇒急いで!早く!何やってるの!?をもう言わずに済む【子どもの朝の準備が早くなる6つの方法】
今回紹介した約束の仕方はあくまで一般論であり、実際は家庭ごと、子どもごとに対応が必要です。
でも、完璧に守れなかったとしても、これらのポイントを意識するだけで、約束により生じる親の負担やイライラが少なくなることも。
本来子どもに大切なことを伝えるための約束が効果をなくさないように、約束に対する考え方のポイントを心に留めておけるといいですね。
こちらの動画ではTERUさんご本人がくわしく解説しています。ご本人の語りでさらに納得!ぜひチェックしてみてください♪
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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