小学校の大イベントといえば運動会!運動会は秋に1日がかりで開催するイメージもありますよね。けれども最近は地域や小学校により、開催時期や時間帯など運動会のスケジュールはバラバラなんです。
また2023年度は感染症対策が緩和されて、迎える最初の運動会です。今の2~4年生はコロナ禍で入学したため、本来はどんなスタイルで運動会を開催するのか、よく知らない家庭もあるでしょう。
そこで「おやこのくふう」では、小学校の運動会の日程や時間など、最近の開催スケジュールについて調査してみました!春開催・午前中開催の小学校が増えている理由や、みんなが盛り上がる種目について紹介します。
また最近は組体操の是非についての報道も目にします。組体操が廃止傾向にある理由も解説します。
コロナによる行動制限が大きく緩和された2023年。厚生労働省により新型コロナウイルス感染症は「5類感染症」に引き下げられ、生活も少しずつコロナ以前の状態に戻りつつあります。運動会など小学校の行事も本来のスタイルに戻ると予想されますが、2023年度は実際どのように開催されるのでしょう?
「おやこのくふう」では、2023年度の運動会の開催方針について、小学生をもつママパパ165人にアンケート調査をしてみました。
その結果、最も多い回答は「午前中または午後のみ開催」で、全体の57.6%と半数以上を占めていました。次に多かったのは「わからない/未定」で23.6%、続く「朝から午後にかけて」が18.8%でした。
「わからない/未定」の回答が多かったのは、2023年度が始まる時点で学校側が行事についてまだ詳しく決められなかったためと考えられます。新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に引き下げられたのは、5月8日と2023年度が始まってから。
そのため運動会など行事の開催方針について、実際にコロナが第5類に移行されてから協議・決定した小学校も多いのでしょう。
2023年度の運動会の日程について、みんなの小学校の実施方針を聞いてみました。
「2023年度の開催方針は、コロナが5類に引き下げられるのを待っての決定でした。本来のスタイルで全校そろって1日開催、観客の入場制限なしの予定です(神奈川県)」
「5月27日開催予定です。今年度は全校そろって1日がかりで、同居家族のみ入場OKです(千葉県)」
「10月14日開催予定、詳細は不明ですが、全校一斉に集まるため1日がかりだと予想しています(神奈川県)」
「コロナ禍ではお昼まで運動会、午後は通常授業でした。2023年度は10月14日に開催することは年間予定表で確認できましたが、昨年と同様午前中で終了なのか、丸1日開催するのかは未定です(千葉県)」
ママパパの中には、運動会といえば秋を連想する人も多いでしょう。「スポーツの秋」「体育の日(※)」など「体を動かす=秋」のイメージもありますよね。けれども令和の小学校は昔と事情が少し異なります。
(※)2020年に「スポーツの日」に名称変更、10月の第2月曜日
おやこのくふうでは小学生をもつママパパに「小学校の運動会は例年何月に行われますか?」とアンケート調査してみました。その結果「5月に開催される(38.8%)」との回答が最多でした。 続く2位は「10月(35.2%)」で、5月と10月で全体の8割弱を占めていました。そのあと「6月(10.3%)」「9月(7.9%)」との回答が続きました。
5月ならゴールデンウイークが明けて落ち着いた中旬~下旬ごろ、10月ならスポーツの日に近い10月半ばあたりに開催するのが主流です。近隣の幼稚園・保育園や中学校の運動会と重ならないよう配慮して詳細な日程を決める地域もあります。
筆者の住む地域でも、小学校の運動会は5月派と10月派が約半分ずつとなっています。最近運動会は春開催が主流なのですね!
運動会は小学校の行事に欠かせませんが、コロナ禍では感染対策のためやむを得ず延期・中止する小学校もありました。十分に感染対策しつつ子どもたちが楽しめるようにするには、運動会をどう開催するのか。多くの小学校で取り入れられていた変更点について解説します。
コロナ禍で多くみられたのは、時間を短縮しての開催でした。それまで1日がかりだったものをお昼で終了し、ママパパの滞在時間を減らして少しでも感染リスクを下げる工夫をしていました。
なかには運動会ではなく「スポーツフェスティバル」などと名称を変え、学年ごとに日程や時間を分けて開催した小学校もあります。
運動会では騎馬戦や綱引きなど種目により子ども同士の接触が多くあります。しかしコロナ禍ではこれら感染リスクのある競技は中止され、徒競走やダンスなど一定の距離を保てる種目が中心でした。
筆者の子どもの小学校でも、リレーのバトンや大玉送りの玉などみんなが触れるものがある競技では、子どもたちは軍手を着けるなど対策していました。
多くの小学校が、運動会を観覧できるのは「各家庭1人のみ」など人数を制限していました。それに伴い、来賓の招待や未就園児・卒業生のレースもなくなりました。
人数制限を徹底するため、観覧予定者を事前に調査し健康管理シートを提出してもらうなど対策した小学校もあります。
コロナ禍ではママパパは立ち見での観覧にして観覧エリアを広く取り、お互いに距離を取りやすくする工夫が見られました。またママパパの観覧をなしにする代わりに動画を生配信した小学校もあります。
筆者の子どもの小学校では、観覧スペースの密を避ける目的で、子どもの学年別に色分けした紙製のリストバンドが事前に配布されました。観覧スペース最前列は特に混み合うため、競技中はその学年カラーのリストバンドを着けた親のみ最前列に立てる仕組みでした。
先述したアンケート結果にも反映されたとおり、最近は春に運動会を開催する小学校も多くあります。昔は運動会といえば秋だったのに、なぜ春開催が増えたのでしょう?それにはいくつか理由がありました。
秋にはさまざまな行事があり、行事を分散させるために運動会を春にする小学校が多くあります。筆者の子どもの小学校も遠足や社会科見学、修学旅行、PTAバザーなど9~11月にかけて行事が目白押しです。
そのうえ運動会も秋にあると、バタバタ慌ただしい印象に。どの行事も楽しみですが、あまり重なるとおやこともに負担になってしまいますよね。
また地域により前期・後期の2学期制を導入している小学校もあります。その場合10月上旬に1週間ほど「秋休み」を取ります。このように秋は何かと予定が詰まっていることから、行事をうまく分散させるため運動会を春にしています。
秋は気候がいいイメージもありますが、長雨など天候が不安定で台風が多く発生する季節でもあります。天候不良のために運動会前に十分に練習できなかったり、当日に台風が直撃して順延になったり。秋の運動会は意外に不安要素が多くあります。
雨天延期になると子どももソワソワして落ち着きません。またママ・パパも何度もスケジュールを調整する必要があります。気候が安定している春なら、当日も天気に恵まれ運動会を無事に開催できる可能性大。運動会を予定通りに開催できれば親としても助かりますね。
運動会を春に開催する理由に、熱中症対策もあります。秋開催の場合、9月~10月に行う小学校が大半です。10月中旬~下旬なら暑さも和らいできますが、9月はまだまだ残暑が厳しく、地域により熱中症警戒アラートが発令される日もあります。
また9月開催の場合、夏休み明け早々に運動会の練習が始まります。夏休みからの生活ペースがまだ戻りきらないなかで運動会の練習で体力を消耗すると、それだけ熱中症につながりやすくなります。
5月ごろの春開催なら、夏本番を迎える前の心地よい五月晴れの中で開催できます。ただ、地域により5月でも最高気温が30度を超える日もあります。体が暑さにまだ慣れておらず、熱中症による搬送事例が増える時期でもあるため、5月といえど注意が必要です。
ママパパが子どものころは、運動会は丸1日がかりで朝から夕方までありましたよね。お昼時間になると、レジャーシートにお弁当を広げて家族みんなで食べるのが主流でした。
けれども最近はコロナ禍に関わらず、運動会は午前中のみで終わる小学校が増えているんです。その理由を探ってみました。
運動会の競技数を減らして練習時間を減らし、その分ふだんの授業時間を確保することが、午前中開催の理由としてまず挙げられます。2020年度から小学校でも英語の授業が必修化され、以前より多くの授業時間が必要になりました。
そのため現在は従来のように運動会の練習に時間を割けなくなっています。運動会の競技数を減らして午前中開催にすれば、それだけ練習時間を減らせ授業時間を確保できるわけです。
しかし運動会は「自分が持てる力を出して精一杯成果を出す」という、子どもの成長に重要な役割があります。運動会の練習や本番を通じてふだんの授業では得られない体験ができるのは、子どもにとって貴重なこと。時代の流れとはいえ、自分たちには当たり前だった運動会のスタイルがなくなっていくのは、少しさみしいかもしれませんね。
ママ・パパが子どものころに比べ共働き世帯が増えたことも、運動会が午前中開催になった理由に関係します。運動会当日は大がかりなお弁当作りや場所取りがあり、親も何かと忙しいもの。ママパパともに休みならいいですが、両親とも仕事だったり、ひとり親世帯だったりすると負担はとても大きくなります。
このような家庭への配慮から、最近は午前中のみ開催の小学校が全国的に増えています。運動会が午前中で終われば午後から仕事に行けたり、お弁当も子どもの分のみ作ればOKだったりと、少しでもママパパの負担を減らせます。
春の開催が増えたとはいえ、5月も熱中症が心配です。真夏と違って5月ごろは体がまだ暑さに慣れていないため、そこまで気温が高くなくても熱中症にかかるおそれがあります。
運動会を丸1日開催すると疲れも溜まるもの。子どもも大人も体への負担が大きくなり、体調を崩す可能性があります。
小学校の種目というと徒競走や玉入れが定番ですよね。令和の小学校ではほかにどんな競技があるのでしょうか?またなかには廃止されつつある競技も見られます。小学校の運動会の種目について解説します。
最近は小学校の運動会では、徒競走やダンスなど定番のほか、ちょっと変わったおもしろい競技も目にします。運動会の種目について、定番・おもしろ系に分けてまとめてみました。
運動会の競技で多く見かける種目として、昔と同じく徒競走や綱引き、ソーラン節などがあります。ただ同じ競技でも昔と違いがあるんですよ。例えば徒競走の走順です。昔は背の順で走る順番を決めていましたよね。
今は実際に50メートル走のタイムを計り、タイムを元に走順を決めるケースもあります。これなら走るのが苦手な子も1位になれるチャンスあり!どの子も楽しんで競技に参加できると、筆者も目からうろこでした。
最近は定番競技をアレンジするなど、お楽しみ要素の強い競技も見られます。筆者の子どもの小学校では、障害物競争や借り物競争など定番の競技に人気ゲームやアニメの要素を取り入れたり、校長先生も巻き込んだりしてアレンジしていました。
デカパン競争やムカデ競争など密になりやすい競技も、2023年度以降どんどん復活しそうです。「ちぇっこり玉入れ」は踊りがかわいらしく、低学年でよく見かけます。踊るパートで上級生もいっしょに踊りだし、妙な一体感が生まれることも♪
ママパパ世代の運動会では、定番種目に組体操もありました。6年生など高学年に多く、迫力ある演技は運動会の目玉でした。けれども最近は多くの小学校で組体操を中止・縮小する動きが高まっています。一体なぜなのでしょう?
組体操が廃止傾向にある理由は、事故の多さにあります。ピラミッドやタワーなど子どもが何段も重なる技は、どこか1ヶ所でもバランスを崩せばたちまち崩壊してしまいます。それで児童が転落・骨折するなど、組体操の練習中や運動会本番での重大事故が多発していました。
倒立や肩車など1~2人による技でも、子どもの重大事故が報告されています。なかには組体操の練習中に子どもが死亡してしまう悲しい事例もありました。
組体操による事故の件数は、2011~2014年度の間でなんと年間8,000件を超えるほど。特に小学校での事故が多く、2014年度に起こった件数は約6,330件と全体の73%も占めていました。
組体操中の事故が絶えないことを受け、近年は多くの小学校で運動会の組体操を中止しています。存続させるにしても、ピラミッドやタワーの段数を大幅に減らし、練習の過程で無理だと判断したら実施を見合わせるよう国も呼びかけています。
小学校高学年は第二次成長期に差しかかり、子ども1人1人の体格差が大きくなる時期。事故が起きやすい技には特に慎重になる必要があります。
「組体操は運動会の花形で欠かせない」「全員が一丸となって技を成功させる達成感を味わわせてあげたい」との意見もありますが、一番大切なのは子どもの安全。組体操にこだわらず、子どもが楽しく練習の成果を発揮できる運動会が望まれます。
***
2023年度はコロナが5類に引き下げられ、運動会の日程や内容など以前のスタイルに戻りつつあります。けれども地域や小学校により対応はさまざま。引き続き制限を設けて開催する小学校もあるでしょう。
従来どおりに開催するとしても、しっかり感染対策し適度な距離を保つなどの対応が必要です。少しでも体調に不安があるなら参加を見合わせるなど、親として観覧マナーを守り、みんなが楽しめるよう参加したいものです。
また春・秋開催にかかわらず、運動会の練習中や本番は熱中症対策が必要です。ママパパはこまめな水分補給や十分な睡眠・栄養など、子どもの体調管理をしっかり心がけてあげてください。
《調査概要》
・調査方法:インターネットによる調査
・調査時期:2023年5月8日~10日
・調査対象:小学生以上の子どもがいるママ
・調査対象者数:165名
ライター Ayako.O
学校ではしっかり者、家では甘えんぼな姉と、最近料理に目覚めつつある弟、2人の小学生を持つママです。子どもたちの成長はうれしい反面、小学生ならではの悩みも新たに生まれて、まだまだ子育てに模索する毎日です。
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