アメリカの子育ての声かけには、英語ならではのポジティブな表現があふれている!NY在住ママに日本語の会話でも使えるおすすめのフレーズを紹介してもらうこの連載。
小さな子には難しいネガティブな気持ちの切り替え。スムーズに切り替えられるための声かけはあるのでしょうか。
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こんにちは。ニューヨークで3歳の娘の子育てに奮闘中の駆け出しママ、三枝由里香です。
ニューヨークは日中も氷点下の日が多くなってきました。2月の初めには市内で40センチの大雪が降り、一面の雪景色に子どもは大はしゃぎ。スキー場に行くような完全防寒着で公園に出かけました。
公園では大きな雪だるまを作ったり、ソリ滑りをしたり、かまくらを作ったりして楽しんでいる人がたくさん!まだまだ屋内でお友だちと遊べる状況ではないこんなときだからこそ、外での冬の遊びを楽しんでいます。
さて、子どもにはいつもポジティブ思考を心がけてほしいものですが、なかなかそうもいきません。怒り、悲しみ、嫉妬、不安など、ネガティブな感情も人生にはつきものです。
そんな負の感情を持ってしまったときに使えるフレーズ「This feeling will pass.」を紹介したいと思います。
「This feeling will pass.」は、「この気持ちはすぐになくなるよ」という意味で、子どもがイヤな気持ちになってしまった時に落ち着かせ、気持ちを切り替えるために使うフレーズです。
例えば、おもちゃの取り合いなどでお友だちとケンカしてしまったとき。子どもはお友だちのことを「○○くん嫌い!」と言ってしまうかもしれません。
そんなときに「そんなこと言っちゃダメ!」とイヤな気持ちにふたをして、なかったことにしてしまうのではなく、「今日はケンカしちゃったからね」とネガティブな気持ちを一度受け止めてあげてから「But this feeling will pass. You can play with him tomorrow again.(その気持ちはすぐになくなるんだよ。明日はまた一緒に遊べるよ)」と教えてあげます。
また、たとえば、妹や弟が産まれてみんなの注目を奪われてしまったとき。
親の関心を得たくていたずらをしたり、言うことを聞かなくなってしまったりする子もいますよね。不安や嫉妬などの感情が生まれるのは当然。しかも、そんな気持ちになるのは初めてで子ども自身戸惑っているのかも。
そんなときは、まず子どもの話を聴きながら不安な気持ちを理解し、その上で「What you are feeling is normal.(そう感じるのは普通のことなんだよ)」But this feeling will eventually pass.(でも、いずれなくなるから大丈夫だよ)」と説明し、安心させてあげます。
このように「怒りや嫉妬や不安を感じるのは普通のことなんだよ」とネガティブな気持ちを受け止めてあげることも重要なステップです。
近所の公園などで親子のコミュニケーションを見ていても、何かトラブルがあったときに、親はまず、子どもの気持ちに寄り添い、どうしてそうなったかを理解しようとすることが多いように感じます。
まずは子どもの気持ちに寄り添い、状況を理解し、もしそれが理にかなったことであれば「そう感じるのは悪いことじゃなくて普通のことなんだよ」と受け止めて安心させてあげる。それが、ネガティブな気持ちを切り替える第一歩なのかもしれませんね。
さあ、このフレーズを日本語に取り入れてみましょう!
まずは「子どもの気持ちに寄り添い、理解する」ことを忘れずに。そして、少し大きい子には「そう思うのは普通だし、その気持ちはなくなるから大丈夫だよ」と説明してあげれば、気持ちの切り替えを理解できるかもしれません。
まだ語彙の少ない小さい子には、難しく説明するよりも「いたいの、いたいの、飛んでけー」と同じ要領で「イヤなの、イヤなの、飛んでけー」と言ってあげた方が、気持ちの切り替えが上手にできそうですね。
感情のコントロールは、大人でもなかなか難しいもの。ネガティブな感情ともうまく付き合いながら、気持ちを上手に切り替えてポジティブに過ごしていきたいですね!
ライター 三枝 由里香
東京の企業でマーケティング業務に携わった後、新規事業立ち上げメンバーとして台湾に駐在。5年間の台湾生活を経て、2012年から2017年までニューヨークの出版社に勤務。現在は、台湾系アメリカ人の夫とともに、3歳の娘を日英中のトライリンガルにするべく、家では中国語、外では英語、ママとは日本語というトライリンガル子育て奮闘中。