元・小学校教員の、かなです。 キャッシュレスが身近になり、子どもへのお小遣いもキャッシュレスという方もいらっしゃいます。一方で、算数の問題に出てくる「おつり」や「両替」が分からない子どもが増えているようです。
「おつりはいくらですか」という引き算の問題がよくあります。 引き算がイメージできない子がいるなと思ったら、「おつり」とは何かよく分かっていませんでした。
出したお金よりも代金が安かったときに、余分に払ったお金が返ってくるのがおつりです。 言葉で説明しても、ぴんときませんよね。
現金の買い物をすると、レジでは代金よりも大きなお金を出して、よぶんに出したお金をおつりとしてもらうことを自然と学びます。 値段のちがいがおつりということを分かっていれば、算数で「ちがいを求めるのは引き算ですよ」と言われてもすぐに納得できるはずです。
「高い」「安い」の感覚は、数の「大きい」「小さい」を比べることです。 数として勉強すると難しいですが、お買い物だとすんなり理解できます。
130円のジュースを買いたいけれど、おさいふの中は10円玉だらけ…。 10円玉が10枚で100円ということを知っていれば、10円玉が13枚あれば買えることがわかりますね。
また、100円玉を5人で分けるなら、10円玉10枚で考えるとかんたんですね。 これは、繰り上がりや繰り下がりの計算の基本です。
大きな数は、小さな数が集まってできている。 これがわかれば、筆算のやり方を暗記するのではなく、数の仕組みをきちんと理解した上で計算できるようになります。
1000+1000を考えるときに、1000が1個と1個なので1+1と考えますよね。 1000などのまとまった数を1と数えることは、算数を理解するためにとても大切な考え方です。 高学年になると、中途半端な数を1とみて割合を考えます。 そのときに基本となるのは、1ではない数をひとつのかたまりとしてみることです。
自分の欲しいものを現金で買おうとすると、自分の損得を考えながら必死でやりくりしますよね。 手を動かして現金を数えたり、分けて考えたりすることは、算数のセンスをぐんぐん伸ばします。 リアルな体験を通して力をつけてあげたいですね。
数の大きさの感覚がないまま買い物をしてレシートの値段を見ても、数字がただ並んでいるだけにしか見えません。お店でお買い物するのはもちろん、おもちゃのお金を使ったお店屋さんごっこでも算数の基礎を育てることができます。キャッシュレスの世の中ですが、時にはあえてお子さんに現金をつかわせてあげることをおすすめします。
ライター/監修:かなせんせい(小学校教諭専修免許状、幼稚園教諭第一種免許状、中学校教諭第一種免許状(理科)、高等学校教諭第一種免許状(理科)、図書館司書教諭)
・小学校教諭専修免許状/幼稚園・中学校(理科)・高等学校(理科)教諭第一種免許状/図書館司書教諭免許状資格 かなせんせい
小学校に15年勤務し、教員として子どもや親御さんとかかわってきました。教え方や自分の子育ての経験を保護者に伝えたときに喜んでもらえた経験から、退職してからもライターとして活動しています。
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