『おやこのくふう』編集部で子どものしつけや生活習慣に関する悩みを調査したところ「おやつばかりを食べる」という声が圧倒的多数を占めました。
子どもにとっては楽しみでもある「おやつ」。その楽しみを取り上げたくないけど、いつまでもだらだら食べている、もっともっととせがまれる、晩ごはんに響いては困る…とヤキモキしてしまいますよね。
そこで、そんな悩みを解消するおやつに関する基本を管理栄養士の尾花友理さんに教えてもらいました。
おやつに何を食べさせたらいいのかという質問をよく受けます。成長や体型にも個人差があるため、まずは子どもの体を知ることからはじめることが大切です。
乳幼児の発育状態を知る目安になるのが、ご存じ「カウプ指数」です。
カウプ指数は「体重(g)÷(身長(cm)×身長(cm))×10」で導き出される数値で、その数値によって、やせぎみ・普通・太りぎみと分かれます。
3歳から5歳の場合14.5以下はやせぎみ、14.5から16.5は普通、16.5以上は太りぎみになります。
例えば身長が100cmで体重が15キロの子どもの場合 15000÷(100×100)×10=15 なので、普通の体型となります。
その結果に合わせて、おやつの中身については下記のように考慮するとよいでしょう。
「うちの子の食事量たりてる?多すぎ?」管理栄養士が教える、幼児食の献立の簡単な考え方とは?」 でも紹介をしましたが、3歳〜5歳の子どもが1日に必要なカロリーは、女児で1,250kcal、男児で1,300kcalです。
そのうち、おやつでは1割程度、つまり125〜130kcal程度を目安にとるようにしてみましょう。もちろんたくさん外で遊んだ日や、昼食が量などによってお腹のすき具合もかわりますので、その日によっておやつの量も増減しても構いませんが、多くとも200kcal以下にすると、おやつの食べ過ぎで夕飯が食べられないといったことになりません。
実際に市販のお菓子などを使って、基準となるおやつの量の組み合わせをいくつかご紹介しましょう。
かっぱえびせんの小袋タイプ(12g入り)とクウーの飲むゼリー(125g)のセットです。
子どもたちの大好きなスナック菓子ですが、油で揚げているポテトチップスなどはやはり脂質も高く、高カロリー。食べたいのであればノンフライのものを選びましょう。
まただらだら食べにならないように、小袋のものを食べきったら終わりなどとルールを決めましょう。
コンビニのミニシュー3個にキウイフルーツを半分あわせてみました。
フルーツはその時期のものでOK。いちごなら3粒程度、バナナなら半分、りんごなら1/4個、みかんなら1個を目安にしてください。
おせんべいにはチョコレートを合わせてみました。
食べ過ぎを防ぐために、袋ごと置いたり、大皿にのせてみんなでつまむという方法ではなく、1人分を小皿にのせて「今日のおやつよ」と言って目の前に出す習慣をつけましょう。
最近はパッケージを見ると、原材料などと並びカロリー表示されているものが多いので、目安にするとよいでしょう。
ちなみにポテトチップスは1袋(60g)で300kcal超え、ショートケーキは大きさにもよりますが250kcalを超えてしまいます。ですから、日々のおやつにはちょっとカロリーオーバー。特別な日の楽しみにするくらいにしておきましょう。
ここまでカロリーの観点から見たおやつの適量の話をしてきましたが、今度は嵩(かさ)の適量を簡単に知る方法をひとつご紹介します。
その方法は、子ども手のひらで片手にのる量を目安にするというもの。この量を守れば、お腹いっぱいで夕飯が食べられなくなっちゃったなんてこともなくなります。
①お菓子は片手に軽く乗る量を 甘いお菓子やスナックは片手に軽く乗る量を目安にしましょう。
②デザートは手のひら大を プリンやケーキなどのデザートは手のひらサイズを目安にしましょう。
1回のおやつは「〇〇ちゃんの手のひら分」と教えれば、子どもも理解しやすいはず。お菓子を買う時や、取り分けるときに子どもの手にのせて説明してみましょう。
管理栄養士・料理研究家 尾花 友理
給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談などを経験。料理研究家のアシスタントを経て、大手レシピサイト運営会社にてレシピ開発や動画撮影に従事後、独立。管理栄養士としての豊富な知識とリアルな生活者の気持ちや暮らしに寄り添った、取り入れやすい栄養アドバイスやレシピに定評がある。
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