お菓子大好きの娘。家にいるとお菓子を置いているところに行き、ねだってばかりです。最初は与えていますが、ごはんが食べられなくなるので「もうおしまい」というと怒ってしまい…また「お菓子食べたい」の繰り返し。
「ご飯をちゃんと食べるのよ」と約束して与えてもそうはいきません。どうルールを決めて、守らせたらよいのでしょうか。
子どもはお菓子が大好きです。でも、食べ過ぎると体によくないし、食事にも影響するので、適度な量にしたいものですよね。
「それはわかっているのだけれど…」という声が聞こえてきましたので、今日はお菓子の与え方について考えてみたいと思います。
子どもへのお菓子の与え方については、保育園の方法がかなり参考になると思います。
保育園はおやつも基本手作りであることも多いので、よく「お家でも手作りおやつを」などと言われたりしますが、家庭ではなかなか難しいですよね。
そこで、それ以外の「保育園のおやつに学ぶ点」をご紹介したいと思います。
まずは与えるタイミングです。
ご家庭では、1日何回おやつタイムがありますか?
保育園のおやつタイムは基本、一日一回です。
ただしお迎えが18時を過ぎる子どもには、夕方もう一回おやつタイムがあります。
つまり、仮に8時から18時まで12時間預かっていても、おやつタイムは2回しかなく、それまでに帰る子どもは1回しかないということです。
でも、それで不服を言う子どもはいません。
なぜなら、子どもは「決まりごと」には忠実で、決まっているものは「そんなもの」だと思い、それを受け入れる傾向があるからです。
おやつをねだられるとつい…というご家庭も多いと思いますが、決まりごととして、例えば「おやつは3時と6時の2回だけ」という風にしておくと、子どもはその「おやつタイム」を楽しみにするようにもなり、まるで一日中食べているかのようなおやつの「ダラダラ食い」も防ぐこともできます。
夕食時間が早めのご家庭は、2回目はなしにしてもOKです。その場合は、午前中に一回、「朝のおやつタイム」を設けてもいいかもしれません。
保育園でも、3歳未満児に限っては10時前後に「朝のおやつタイム」があります。ただし内容は、牛乳とウエハース1枚だけといった軽いおやつにしていることが多いようです。
普段は我慢させ、「おやつは"おやつタイム"だけ」というルールにする限りは、子どものためにも、その「おやつタイム」が楽しみになるような演出をしてほしいと思います。
それも保育園のやり方が参考になります。ポイントは、容器・種類・楽しい演出です。
保育園では、スナック菓子でも中身を出してそのままテーブルに置いたり、袋ごと与えたりすることはほとんどなく、毎日決まったお皿に入って出てきます。それだけでおいしそうに見え、特別感も出るからです。
ご家庭でも、お子さんのお気に入りのキャラクターの絵のお皿やコップを「おやつ専用」にし、毎日それに入れて出すことをおすすめします。お皿に入れるとおうちの人の優しさのようなものも伝わり、「おやつタイム」がより楽しみになりますよ。
おやつの内容ですが、保育園では同じおやつが毎日続くことは滅多にありません。ご家庭でも、さまざまなおやつを「日替わりメニュー」で与えると、「きょうは何かな」と、子どもは「おやつタイム」を楽しみに待つようになっていきます。
種類は、量さえ気を付ければ、2種類でも3種類でもいいと思います。複数あると子どもには「豪華なおやつ」に見えます。
量は「多くても、ひとつのお皿に入る量」を目安にしましょう。その意味でもおやつ専用のお皿があるといいですね。 おやつタイムにBGMがあれば、よりゴージャスな雰囲気になります。毎回子どもの好きな音楽をかけると、大人になってからもその音楽を聞くだけで、子ども時代の楽しかったおやつタイムを思い出したりと、"いい想い出"として残っていきますよ。
ご家庭の事情などで、決まった時間に与えることができない場合は、お菓子をねだられるとつい与えてしまうようなこともあるかと思います。
そのときに注意してほしいのは量とカロリーです。
特に袋菓子は、与えると全量を食べてしまい、かといって途中で奪うと怒る、という子どもも多いので、袋菓子はできるだけ小袋を与え、大きな袋菓子は、適量に減らして与えるようにしましょう。
市販のお菓子には塩分・糖分・カロリーの数値が高いものが多いので、購入するときは裏に書かれてあるそれらの数字を見て、少しでもその数値の低いものを選ぶようにしましょう。
例えばどちらを買うか迷ったときは、箱や袋の裏を見て、仮にそれぞれ「200kcal」「150kcal」と書いていれば、迷わず「150kcal」の方を買いましょう。たかが50kcalの差ですが、10日では500kcal、ひと月では1500kalと、大きな差となってきます。
ねだられるとどうしても与えてしまう、というような場合は、与えても「少しだけ」にしておきしょう。
子どもは、例えば「小さなおせんべいを1枚もらったか、まったくもらえなかったか」では、満足感は100とゼロくらいの差がありますが、「1枚もらったか3枚もらったか」では、満足感にそれほど大きな差はないのです。
特に食事前はそうしてみてください。
でも、家庭でのおやつは、子どもが勝手に食べているということは案外少なく、なんだかんだ言いながら親が与えている場合が多いものです。
お伝えしたことを実行するのも、もしかしたら親は心を鬼にしないといけないかもしれません。
でも、頑張って実行すると、鬼になっただけの甲斐がある「よいこと」がたくさんやってきますよ。
→幼児のおやつ、量はどのくらい?どんな風に選べばいい?食べすぎに注意するには?【適量の目安を解説】
→好き嫌いが多い子はわがまま?好きなものしか食べない、野菜を食べない…そんなわが子に悩んだら
こどもコンサルタント 原坂 一郎
1956年、神戸市生まれ。関西大学社会学部卒業。神戸市内で23年間6か所の保育所勤務を経て、2004年「こどもコンサルタント」に。笑いと笑顔をキーワードに、子どもおよび子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演を全国で展開。『読むだけで子育てがうんと楽しくなる本』(春陽堂)、『男の子のしつけに悩んだら読む本』(すばる舎)ほか著書多数。
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