集中できない子は興味の幅が広いということ。その興味を削ってまで勉強させる必要はないと考えます

集中できない子は興味の幅が広いということ。その興味を削ってまで勉強させる必要はないと考えます
小学校入学を見据えて「そろそろ勉強をさせないと…」と子どもと机に向かう時間を増やしているママやパパもいるのではないでしょうか。子どもの集中力が続かない、なかなかうまくいかず親子でケンカしてしまう…などの声が多い中、これまでたくさんの親子と接してきた家庭教育アドバイザーのTERUさんから、保護者のみなさんへメッセージをいただきました。
目次

この時期の学習は「できなくてもいいか」と思っているくらいがちょうどいい

ひらがなの読み書きや足し算などを教え始めると、個人差があるので、お友だちと比べて「うちの子、覚えが悪いのかも…」と、どうしても焦る気持ちが出てきてしまいますよね。

でも、焦ってよいことなんて一つもありません。

子どもと母親は6歳くらいまでは特に強くつながっていて、母親の精神状態は、ダイレクトに子どもに影響します。
親が焦っていると、子どもはますますうまくできなくなってしまうことがあります。

反対に「今はまだ、できなくてもいいか」「いつかは書けるようになるか」くらいに考えていると、うまくいったりもします。

親が躍起になってしまうと、あまりいい結果にならないことが実は多いと感じています。これは、精神論のように聞こえますが、これまでたくさんの親子を見てきた私の中ではロジックとして成り立っているのです。

集中できない子は「興味の幅が広い」子

勉強を始めると、集中できないことを問題に感じがちですが、私の感覚では、親が思う集中力を発揮できる幼児は1割もいません。
3分保てば上出来じゃないでしょうか。それが普通です。

幼児期の「集中力がない」は実は天才の証だったりするんです。
興味の幅が広くて、いろんなことに興味がわいてしまうから集中力がないように見えるだけ。むしろ長所なんです。

小さなことから勉強をさせる弊害は、その興味を削ることにあります。
この時間は勉強をするべき
文字は小学校までに書けるべき
ちゃんと決めた時間は集中すべき
・・・
こと勉強となると、親は頭がガチガチに固くなり、そうあるべき、と子どもに制限をかけがちです。

幼児期の制限は、「我慢させる力」を育てることにはなりません。
むしろ興味を奪うことになります。
子どもの興味を削ってまで勉強する必要はないと思っています。

一度勉強の時間と決めたけど、他にやりたいことができてうまくいかなければ、まあいいいかと好きなことをやらせる。子どもは満足したら必ず戻ってくるので、そのときにやってみたらいい。
そのくらいのスタンスで、ぜひ「べき」は捨ててみてください。

子どもが好きなことを自由に探求できるのが幼児期です。
それは一生ものの体験で、これよりも大切なことはないと思っています。

どうか柔軟に、気楽に見守ってあげてください。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 赤司 陽子

大学卒業後、製薬会社での勤務を経て、大手教育関連企業に転職。約10年間幼児教育・小学生教育事業に携わる。その後夫の海外赴任に随行し、アメリカで出産・育児を経験。多様な価値観に触れる。帰国後、フリーのプランナー・エディター・ライターとして活動中。現在、5歳女子・3歳男子の年子育児に奮闘中。

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