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絵本ナビ編集長厳選【子どもの気持ちに寄り添う絵本】

野菜なんてだいっきらい!そんな子どもたちに贈る野菜と仲良しになれる夏休みに読みたい絵本3選

野菜なんてだいっきらい!そんな子どもたちに贈る野菜と仲良しになれる夏休みに読みたい絵本3選
【絵本ナビ編集長が厳選】子どもの気持ちが複雑化する幼児期。どんな風に声をかけたらいいのかわからない。そんなとき、子どもの目線に経った、子どもの気持ちに寄り添うような絵本を、読み聞かせしてあげませんか?今回は「好き嫌い」がテーマです。
目次

うれしい、楽しい、悲しい、腹が立つ…たくさんの経験を通して、複雑な感情も持ち始めてくる幼児期。子どものさまざまな感情に、親としてはなんと声をかけてあげていいのかわからないというシーンもしばしば出てきますよね。

そんなときは、子どもの目線に経った、子どもの気持ちに寄り添うような絵本を、読み聞かせしてあげませんか? そんな想いをこめた、絵本や児童書に関する日本最大級の絵本ポータルサイト「絵本ナビ」の編集長・磯崎園子さんによる「子どもの気持ちに寄り添う絵本」連載。

今回は多くの子どもたちがぶつかる「好き嫌い」。中でも野菜がだいっきらい!という子にむけての一冊です。

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私は野菜がだいっきらいー。

ほんとうはおやつをずっと食べていたいのに!!

ママは「野菜をたべなさいー」って目を三角にして怒るの。

野菜なんて食べなくっていいよね?

***

≪磯崎さんおすすめ≫ 大っ嫌いな野菜をよーく見てみたら?

『おやおや、おやさい』

あらあら、そんなこと言わないで。
野菜だって、よく見るととってもチャーミングなんですよ。

この絵本の主役はフレッシュな野菜たち。つやつや、ゴツゴツ、そしてもりもり元気! なんてったって「マラソン大会」を繰り広げちゃうくらいですから。筋肉むきむきのにんにくに、ダッシュが素晴らしいラディッシュ。重そうな体でがんばっているのはかぼちゃです。

あんな色、こんな形、色んな質感、個性的な面々。だんだん野菜に愛着がわいてきましたよ。「そらまめ そろって マラソンさ」「りっぱなパセリは つっぱしる」言葉のリズム感も絶好調! 瑞々しさを保ちながらも、絵本の中を元気に愉快に動き回る姿を描くのは、アニメーション作家としても世界的に活躍されている山村浩二さん。通りで愛嬌があるはずです。

絵本に夢中になった後、本物の野菜を見たくなってくれたら成功です。そう。元気な野菜って、不思議ととっても美味しそうに見えてくるものなんですよね!

『おやおや、おやさい』 (文:石津ちひろ 絵:山村浩二 福音館書店)

そのほかのおすすめ2冊。

『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』

野菜がわの気持ちになってみるのも、一つの手。「やさいのがっこう」には、おいしい野菜になるために、いろいろな野菜たちが通っているのです。

とまとちゃんもその一人。真っ赤になるために、日光よくをしようと出かけるのですが……?

『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』(作:なかやみわ 白泉社)

『ソフィーのやさいばたけ』

その美味しさを感じるためには、やっぱり育ててみるのが一番。夏休みに田舎のおじいちゃんのうちに行ったソフィーは、おじいちゃんの畑でたくさんの野菜に出会います。

土の中にうまったそれらを見て、ソフィーは感嘆の声をあげるのです。「おもしろい!」

『ソフィーのやさいばたけ』(作:ゲルダ・ミューラー 訳:ふしみ みさを BL出版)

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シャキシャキしたり、ちょっと苦かったり、なんだか虫っぽいニオイがしたり。
でも野菜と仲よくなったら、そんな味もおいしいって感じるときがくるかもしれません。

ぜひ絵本で野菜と仲良しになってくださいね。

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お話を伺った方

「絵本ナビ」編集長 磯崎園子

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアでも「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)

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