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イマドキ親世代に伝えたい・頭のよい子の育て方

頭のよい子が育つ家=コミュニケーション能力が育つ家。それは一体どんなもの?

頭のよい子が育つ家=コミュニケーション能力が育つ家。それは一体どんなもの?
「”本当に頭のよい子”が育つおうち空間の作り方」の連載でもおなじみ、「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)の著者である四十万靖さん。頭のよい子を育てるためにイマドキ親世代にいまこそ伝えておきたいことをテーマに新連載がスタートします。第5回からは「コミュニケーション能力が育つ家」について。
目次

こんにちは、連載「イマドキ親世代に伝えたい・頭のよい子の育て方」では、前回頭のよい子が育つ家とはお父さん、お母さんがいなくても、自然と本を読む習慣や字を書く習慣がつくおうちだという話をしました。そしてそのためには、子どもが「おうちとコミュニケーションする」そんな家づくりが大切なのだということも。

そこで今回は子どものコミュニケーションの相手となるおうちつくりについてお話します。

親子のコミュニケーション能力が育つ家とは? 

双方向コミュニケーションスキルマトリックスを理解する

まずはこちらの図をご覧ください。

主体とは人の成長過程を表しています。コミュニケーションの手段は人の成長と共に変化します。12歳までの子どものコミュニケーションの主な手段と対象を赤字枠で示しました。

乳幼児から3歳くらいまでは、話が通じにくいので、音=聴くがコミュニケーションのきっかけとなります。次に見る、次に嗅ぐ、食べる=口に入れる、そう、赤ちゃんの認知プロセスは五感によっている事が分かります。

そしてコミュニケーションの対象に、じつは家があります。家にあるものに触ったり、見たり、耳をすましたりすることで、子どもは家からメッセージを受け取り、また家に対して思いを発信しているのです。

小学生になって話が出来るようになると、人が加わって来ますが、大人がいない時間帯、子どものコミュニケーションの対象は引き続き家であることに変わりはありません。

コミュニケーションというとどうしても「会話」を想起しがちですが、実はそれは最終発達段階の手段です。

多くのお子さんは、話が上手に出来ない、自分の考えを上手く伝えられない場合、話すではなく、絵などを含めて「書く」ことによって自分のメッセージを大人に伝えているのです。

お子さんによって個人差ありますが、お母さんが〝ちゃんとお母さんが分かるように話をしなさい!〟と言わなくなった時が会話のコミュニケーションが成立し始めた目安といえるでしょう。

子育てはナラティブであってストーリーではない事を理解する。

もう一つ理解してほしいのは、子育てとはナラティブであるということです。

ストーリーとナラティブの違いを説明すると、ストーリー、物語は起承転結で、今、結論ありきである事に対し、ナラティブは、過去・現在・未来と進行形であるところが違います。

子育ては現在だけではありません。過去の積み重ねが現在であり、その先に将来があるのです。今流行のSustainable=持続化です。 持続化させるには、その舞台が重要です。それが家なのです。あの時・・・とお子さんと一緒に振り返ることが出来る時間と空間のあるおうち、これが家とコミュニケーションをするということなのです。

昔の日本のお家には柱の傷がありました。柱の傷はおととしの5月5日の背比べ…。

子育て世代の家つくり、それは過去・現在・将来と、コミュニケーションの持続化を可能とする家なのです。

12歳までのこどものコミュニケーションの家つくり

つまり、子どものコミュニケーション能力を育む12歳までの家作りで大切なことは次の2つになります。

1)人間の五感に訴える家つくり
2)空間の過去・今・将来の継続を考えた家つくり

ひと言でいうと、結論を急がないという事です。お子さんの成長に合わせたコミュニケーション能力の最大化を常に考えてください。

次回は集大成である空間工学理論について、皆さんと一緒に考えて見ましょう。

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執筆者

一般社団法人 四十万未来研究所 代表理事 四十万靖(しじまやすし)

慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事入社。退社後、2003年、慶應義塾大学とのライセンス契約による、住宅の総合コンサルティングを行う、事業投資会社eco-s corporation設立を設立。2006年4月より慶應義塾大学SFC研究所所員 (訪問)として慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリ生活産業プロジェクト代表を兼任。2008年、eco-s corporationをスペース・オブ・ファイブ株式会社に社名変更。2014年、一般社団法人 四十万未来研究所を設立。著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)、「頭のよい子が育つ本棚」(学習研究社)、「頭のよい子の家にある『もの』」(講談社)など。http://shijima-mirai.or.jp/

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