「小1の壁」が話題になるなど、園児の親にとって小学校生活に不安が募ることも多い近年。「人気のランドセルはGWまでに無くなる」「学童はキャンセル待ち」なんて話を聞くと親世代の頃と今の小学校の常識が変わってきていることを感じますよね。
それは就学準備だけでなく、小学校に入ってからも同様。親世代が通っていた昭和・平成から令和、そしてコロナ禍を経て、今の小学校の変化に驚くことも多いかもしれません。
今回は「入学後に驚いた今と昔の小学校の違い」をテーマに小学校に通うママたちの座談会を開催。「昔の常識は今の非常識」というような話も色々飛び出しました!
千葉県在住の小学4年生の娘、2年生の息子がいるママ。
東京都内在住の小学2年生の息子と年少の娘がいるママ。
神奈川県在住の小学5年生の娘、2年生の息子がいるママ。
編集Y:子どもが小学校生活を送る中で、私たちの時代と変わったと感じることは本当によくありますよね。その変化を「これはよい」「これは悪い」とは一概には言えませんが、いろんなものがありますよね。
日々の生活の中で言うとうちは置き勉OKですけど、宿題があるからドリルは必須で持ち帰ります。みなさんのお子さんの小学校はどうですか?
ライターA:うちの小学校は置き弁は一応OKですが、国語・算数の教科書類は毎日持って行っています。昔より科目の増加やタブレットなどの教材が増えて、小学生の荷物が重くなり、低学年は特にかわいそうだなと思いますね。
編集M:ランドセル症候群が問題になって、置き勉OKの学校も増えてきていますよね。うちは置き勉していいのかどうか明確に言われていなくて、基本的に毎日持って帰ってきています。生活や道徳など毎日使わない教科書は、授業後に先生が集めて持つというスタイルです。
ライターA:Yさんとも話していましたが、今の小学校では習字や絵の具で汚れたものをそのまま持ち帰ってきて、家で洗うんです。洗面所が大変なことになって…びっくりしました。
編集Y:そうなんですよね!どうも用務員さんの掃除が大変とか、洗っていると授業時間に食い込むので仕方なく…ということなのですが、小学校生活が昔よりも忙しくなっているのも影響しているのでしょうね。
編集M:市区町村にもよりますが、土曜日授業があったり8月中に新学期が始まって夏休みが短かったり…と授業数の確保と子どもの疲れない時間割など、先生や学校側の苦労も垣間見えますよね。
編集Y:私たちの時代の小学校では常識だったものの一つが「連絡網」。今は学校からの連絡は基本的にメールになりましたよね。
うちは一度引っ越しをしていて、以前の学校では連絡網はなかったのですが、今の学校では連絡網があって…。学校からの連絡よりも、子どものお友だちからの「遊ぼう」の電話に使われています(笑)。
ライターA:かわいいですね(笑)。うちは連絡網はないんです。学校からの連絡は親あてに一斉メールが届きます。
編集M:うちは連絡網ありますけど、使う機会はほぼ無いかな。必要ないんじゃ…と思うんですが、子ども同士のトラブル解決の際に先生を介さず当人同士でやってほしいからかなぁなんて思ったり…。
連絡アプリもあって、主に学年単位の連絡はアプリに来ますね。行事のこととかのいわゆるプリントだったものがデジタル化して。アプリで欠席連絡とかもできるし、その点は昔より楽だなぁと感じます。
編集Y:わかります! コロナ禍以前は、欠席連絡が昔ながらの「連絡帳に書いてお友だちに預ける」システムだったから引っ越ししたてのころに仲の良い友達がいなくて困ったけど、今は楽になりました。
ライターA:デジタル化は親も先生も負担が軽くなりますし、便利なのでどんどんやってほしいなと思いますね。
編集Y:負担減というと、昔からあった家庭訪問も今は無い学校が多いようですね。先生が自宅の場所を確認するだけとか、自宅の玄関前で少しお話するだけとか…。
ライターA:うちも事前に「玄関前で」とお知らせがあって、立ち話を少しする程度のものでした。コロナ禍になってからはそれもなく、自宅の場所確認だけです。
編集M:そうですよね。他県ではやっているという話も聞くので、地域差があるかもしれませんね。
編集Y:ほかに感じる変化で大きいのは、プライバシーや個人への配慮の増加ですかね。
ライターA:それは私たちの時代にはなかったことですよね。うちの小学校でも個人情報の保護は徹底していて、名札は毎日学校内でつけ外ししています。
運動会の日は名前を書いた体操着を着て登校するので、名前が見えないように上着を着て隠すようにと指示があったり…と意識の高まりを感じます。連絡網が無いのも個人情報やプライバシー保護の一環かなと思います。
編集Y:そうですよね。昔と比べて親も学校も意識は高くなりましたね。あとは男女への決めつけを無くすというか、個人を尊重する雰囲気も感じますね。体操着は全員ハーフパンツとか。女子だけブルマなんて、今考えるとありえないなと思いますし。
編集M:そうそう。男女関係なく水泳の授業でもラッシュガードがOKになったり、選択肢が増えるのはいいことですね。
ライターA:ほかにも個人の尊重という目線で見ると、先生が子どもに、困りごとがないかを定期的に聞いてくれてるらしいんですよね。面談までいかないけど授業の合間に廊下とかでちょこっとコミュニケーションを取ってくれて。いじめやトラブルまでいかなくても、些細なことでも聞いてくれて対処してくれるのにはびっくりしましたし、安心感が上がりました。
編集Y:それは頼もしいですね。学校側のいじめなどに対する意識は昔に比べて敏感になっているのかも。うちの学校でも半年に1回くらい「いじめに関するアンケート」というのがあって、よく遊ぶ友達は誰ですかとか、いじめをされてるとか、してるとか、目撃したとかを書くみたいです。
編集M:小学校自体の変化ということではないですが、この数十年間で「気候」は大きく変化しましたね。それに伴い学校でも熱中症などへの危機管理もされるようになりました。
編集Y:小学校でもエアコンの設置が増えましたよね。過去に小学校で熱中症での死亡事故があったことも影響して、令和2年の時点では全国の約93%もの教室に設置されているみたいです。
ライターA:そうですよね。うちの小学校にもエアコンは設置されています。水筒も私の子ども時代は持って行って無かったですけど、今は当たり前になりましたね。
編集M:昔は学校の水道水飲んでましたね。
編集Y:朝礼も今は放送朝礼が基本みたいです。昔って炎天下で先生の話を立って聞いて倒れる子とかいましたけど、猛暑の中では危なすぎますもんね。コロナで密を避ける理由もあるかもしれませんが。
編集M:熱中症指数なども考慮されていて、体育の授業が中止になることもありますよね。
編集Y:ここまでちょこちょこお話に出てきましたけど、親世代の頃との違いはもちろん、やっぱりコロナ流行の以前以後では小学校も大きく変わりましたね。
編集M:密を避けるとか、学校閉鎖などをきっかけに学校行事のオンライン化が進みましたね。うちは授業参観がオンライン併用になりました。仕事を休まなくても時間を作れば職場から見られるし、夫も見られるのでそれはいい傾向に感じます。
運動会はリアルタイムでYouTube配信して、自分の子どもの出番のときだけ学校に行くようにするとか密を避けるための工夫を感じますね。
ライターA:うちは運動会は各家庭1人の人数制限でしたね。寂しくも感じますけど、お弁当などの大変さが減ったのはありがたいです(笑)。オンラインは地方のおじいちゃんおばあちゃんも見られていいですよね。
編集Y:コロナになってから体育とかの授業で人を分散させるために時間割がコロコロ変わったりってしませんか?
ライターA:そうそう、あります。大変ですよね。結局準備するもの全部学校に持っていくようにしているので…。
編集M:学校からの連絡を見逃すとアウト…ですよね。
編集Y:コロナの影響は意外なところにもありますね。コロナ禍でPTAが簡素化されてると聞きますが、Aさんは役員やってるんですよね?
ライターA:そうなんです。PTA副会長をやってますが、かなり簡素化してきましたね。集まりを減らしてLINEやメールで連絡し合ったり、印刷物は配布せずにPDF化して配信するとか…コロナを言い訳にじゃないですけど、人の手を介さない工夫をしやすくなりました。
編集M:ベルマークとかもベタベタ触るから衛生的に良くないと無くなりましたよ…ありがたい…。
編集Y:ベルマーク! あれは本当に大変ですからね。PTA主催の行事も大幅に減って…やるなら今かも!っていう空気になっています(笑)
編集M:ただ、今年はだんだんと通常運転になりつつありますね。うちは数年ぶりにお祭りが復活しちゃったのでちょっと大変なんです…。
ライターA:うちでもまさにそういうことがありまして…。「今年こそバザーをやりたい人」という方が一部いたんですけど、まだコロナの状況もあるし、この時期だし食品系は危ないからと説得して七夕飾りにしました。飾るだけやって写真を撮ってねという感じに。
編集M:働いているとなかなか行事参加も大変だから、このまま楽になるといいなぁなんて思ったりします。ピークの頃より感染状況が収まってきて通常モードに戻っていることも多々ありますが、よいところは残していって欲しいですね。
***
親世代の子ども時代と比べての変化、コロナ以後の対応など小学校は絶えず変わり続けています。
時代とともに変わるものもありながら、変わらないのは「学校は子どもたちのためにある」ということ。1人でも多くの子どもが、楽しく通える小学校になっていくといいですね。
ライター 松永あつこ
目が合うと即座に変顔をしてくれる5歳と、ごはんは口に運んでもらう主義の3歳の女の子のママ。主に育児・教育系メディアの編集&ライターをしています。趣味はファミキャン!将来の夢は家族でオーロラを見に行くことです。
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