裁判やオークションで使われるこちらの小槌(こづち)。裁判官が「静粛に!」と言いながら小槌をたたいている姿を、映画やドラマで観たことがある人も多いはず。その小槌には一体どんな名前がついているのでしょうか?
「子どもに教えたいモノの名前」シリーズ第17弾は、裁判やオークションで使われる木槌の名前について出題します。
【ここでヒント】カタカナ3文字のちょっと強そうな名前です。
正解は…
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「ガベル」でした!または「ギャベル」「オークションハンマー」とも呼ばれていて、英語ではそのまま「小槌」を意味する「gavel」と書きます。
ガベルが使われるようになったのは、1789年にニューヨークで行われた記念すべき第一回目の上院議会から。アメリカの初代大統領ワシントンのもとで当時副大統領をしていたジョン・アダムズが、議会でガベルを使用したのがきっかけになり、以来ガベルをたたいて開会を示すのがきまりになったと言われています。
議会以外では裁判やオークションなどでも使われていて、注目を集めて静かにさせたい時や注意喚起するとき、判決や落札者の決定が下される瞬間の区切りの合図として使用されています。
ガベルを打ち付ける板は「サウンドブロック(打撃板)」と呼ばれています。ガベルもサウンドブロックも広葉樹という、サクラやブナの硬くて傷つきにくい木材を使って作られているのが一般的。サウンドブロックには叩いた音を響かせる効果があるため、広い会場やざわついた中でも遠くまで音が届くんですね!
実はガベルは日本の裁判では使われていないって知っていました?ガベルが使われているのはアメリカやヨーロッパ圏で、私たちが持っている「裁判=ガベル」のイメージも海外の事件の再現ドラマや海外の映画のシーンから生まれたものです。言われてみると日本の映画やドラマでは見かけませんよね。
日本でガベルを使用するのは参議院の本会議のとき。開会を示す時の合図として使用されています。
日本の裁判で使用しない理由については諸説ありますが、「日本では競りの風習があり、発声された内容が重要視されているから」「静かで礼儀正しく秩序が保たれている日本の裁判ではガベルを鳴らす必要がない」と考えられています。
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日本でガベルが使われていないことは意外でしたが、理由を知るとちょっと誇らしい気持ちになれますよね。
さまざまな文化を背景にして、違いがあるのも面白いですね。ほかにも一般的なイメージのルーツがあるものはいろいろとありそう。「日本ではどうか?」「そのイメージはどこからきたのか?」とおやこで探してみると、新たな発見があるかもしれませんよ。
ライター Ichika
山梨県生まれ。関西、九州での生活を経て11年ぶりに地元に戻りライター業をスタート。身内や友人に教育関係者が多く、たくさんのヒントを得ながら自分なりの育児を模索中。子育て経験をもとにした体験談やコラムも発信しています。
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