この夏、わが子のおむつを卒業したいとトイレトレーニングに励んでいるおやこも多いことでしょう。
トイレで排尿できるようになり、日中、パンツで過ごせるようになったら、きっと次の目標は"パンツで寝られるようになること"ですよね。
トイトレは順調に進んだのに夜のおむつがなかなか外せなかったり、逆にトイトレがなかなか進まなかったけれど昼も夜も一緒におむつが外れたり…と、そのタイミングは個人差が大きいもの。
ママ・パパたちからは「夜のおむつを卒業させるタイミングがよくわからない」という声がよく聞こえてきます。
そこで、気になる「夜のおむつ外し」について、保育サロンを運営し、子育てアドバイザー、トイレトレーニングのトレーナーとしても活躍されるビーンズファミリー代表の森田麻琴さんにお聞きしました。
編集部:お友だちがもうパンツで寝ているなんていう話を聞くと、ママ・パパはつい焦ってしまいがちですが、わが子の「夜のおむつを外すタイミング」はどう考えればよいでしょうか。
森田麻琴さん(以下森田):夜のおむつは「外す」というより、「いつか外れる」と気長に待つのが、早く外れるコツといえるでしょう。
膀胱の機能の発達には個人差があり、子どものがんばりだけではどうにもならない部分も大きいです。
「夜も早くおむつを卒業しないと…」などと、親の焦りがお子さんに伝わるとプレッシャーとなってしまい逆効果です。
編集部:まず親がその前提をしっかり理解しておく必要がありそうですね。
そのうえで、わが子がどのような状態なら夜のおむつを外すことを検討してよいのでしょうか。
森田:まずは日中パンツで過ごすことができて、「トイレに行きたい」と排尿を自分で教えられる、または自分でトイレへ行き排尿ができるようになったらですね。
編集部:適している季節やタイミングはあるのでしょうか。やはり、寒い時期は避けた夏などがタイミング的にはよいのでしょうか。
森田:夜のおむつ外しに関しては、季節は問いません。日中のおむつが卒業できたらどのタイミングでもよいかと思います。季節をまたぐこともありますしね。
おもらしをしたときの寝具の洗濯の面では、夏のほうが親御さんの負担は減るでしょう。
編集部:おむつ外しを焦るのとは逆に、夜中にトイレに連れていくためにたびたび起こされたり、おねしょしたりするのであれば、おむつをしていてくれたほうが…と考える親も。「おねしょは困るから…」といつまでもおむつを履かせ続けるのはよくないのでしょうか。
森田:夜もパンツで過ごせそうなら、おむつを卒業してよいと思いますが、「その時期がきたら自然におむつを卒業できるだろう」という考えはプレッシャーを与えないという面ではよいと思います。
そんなときは、お子さん本人に「おむつとパンツどちらで寝る?」などと聞いてあげるのもおすすめ。トイレトレーニングでは子ども自身の気持ちを尊重してあげることが大切です。
編集部:自分の意志を伝えられる年頃になってきていますもんね。
「夜だけおむつ生活」が続いている子に、無理なく卒業するために親がサポートできることを教えてください。
森田:夜寝る前の水分摂取を減らしてみたり、寝る前にトイレに行く習慣をつける。これが基本です。また、繰り返しになりますが、「今日はおむつで寝たい」「このパンツを履きたい」「トイレは後で行く」など、どんなことでもお子さんの意見に耳を傾けてあげてください。
何より子ども本人が一番がんばっていますし、おねしょはしたくありません。
プレッシャーにならないように、普段通りの生活を心がけることがベストです。
森田:夜のおむつ外しは、日中のトイレトレーニングとは別物と考えてください。夜のおねしょは、摂取した水分量だけでなく、心の状態でも変化するほどデリケートな部分があります。
「いつか外れる」と親御さんが焦らなくなったら、急にすんなり外れることも少なくないんですよ。
編集部:気持ちの面が大きいんですね。たしかに、弟や妹が生まれたらおねしょが始まってしまった…という話を聞いたことがあります。
おねしょしてしまったときも、怒ってはいけないとわかっている親御さんが多いですが、どうしても忙しい朝なので、ついお小言を言ってしまう…という人も。失敗してしまったときは、子どもにどんな声かけができることが理想でしょうか。
森田:普段と同じように接しながらも、とても忙しい朝でしたら
「風邪ひいちゃうからすぐに着替えよう!」
「さぁ!お支度しよう」
「ママは○○をするね!、△△は▪️▪️をしてくれると助かるよ」
「お洗濯しよう」
「洗濯機に入れてきてね」
など、失敗にフォーカスした言葉がけではなく、年齢に応じて"そのときにやること"を伝えてあげてください。
1日のはじまりの朝、できるだけ家族みんなで心地良く過ごしたいですよね。
編集部:一度オムツを卒業したけれど、おもらしが続いたらパンツをおむつに戻すのはアリでしょうか。親はどうしても「ここでがんばらなくちゃ」と思ってしまいがちですが…。
森田:そういった場合も、親御さんのみの判断ではなくお子さんと相談して決めることをおすすめします。
そのとき、お子さんがおむつを選択したら「このままずっとおむつだったら…」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。「よし!おむつね!」とママの気持ちを早めに切り替えて「いつか外れる」を信じてください。
編集部:親はつい心配しすぎてしまうもの。でも、もし小児泌尿器科など受診が必要なケースがあるとしたら、その目安はどのようなことでしょうか。
森田:個人差がありますが、小学校中学年頃まで続くようでしたら、一度”夜尿症”について受診されてみるのもよいかと思います。
小学校低学年くらいまでは、怖い夢を見たときや日中の出来事によって、おねしょしたりすることはあります。
でも、何より本人が一番おねしょしたくないもの。その気持ちを尊重しながら、もしも親御さんが心配でしたら、受診するのも良いかと思います。
そのときも、親の気持ちがお子さんにプレッシャーとなって伝わるとよくありませんので、あくまで親の方が「いつか外れるだろう」とドンと構えていることが大切です。
焦る気持ちも本当によく分かりますが、そこも親自身が成長するときかなと思います。
***
日中のトイレトレーミングとは別物だという夜間のおむつ外し。たしかに大きくなってもおむつで寝ている子はいないもの。 親は焦らず、わが子のペースで進められるように寄り添ってあげられるといいですね。
ビーンズファミリー代表 森田 麻琴
保育士・子育てアドバイザー・トイレトレーニングトレーナー。神奈川県・武蔵小杉で保育サロン「コスギビーンズ」を運営。生後1か月〜3歳までの乳幼児を対象に親と子が一緒に参加できるプログラムを提供。
日本中のママ達対象の【トイトレや育児相談】をオンラインでもスタート!丁寧で優しいトイレトレーニング講座も大人気。
■オンライン予約はこちら▷https://beansfamily.page.link/app
■ビーンズファミリー公式HP https://www.beansfamily.co.jp/
■インスタグラム@kosugibeans
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