料理のお手伝いで育まれる7つのこと~キッチンは絶好の「学びの場」~
コロナ禍でステイホームの重要性が叫ばれているなら、おやこの時間をお料理して過ごしてみませんか? ちょっと大変そう…と思うかもしれませんが、ポイントを押さえればとっておきの時間になります。
そこで、今回は子どもとお料理する際のポイントと簡単レシピを紹介します。
子どもと料理をするときいて、楽しそう、でもやっぱり大変そうと思う人は多いのではないでしょうか?
小さなころから料理にふれることには、子どもの成長や将来の味覚形成にとって、とても大きな意味があります。
幼児期は「第2の脳」と呼ばれるほど、脳の次に末梢神経が集まっているところ。そのため、脳の発達が著しい幼児期には、指先を活発に動かしてさらに脳を活性化させるとよいといわれています。
お料理は道具を使う、材料を量る、食材を洗ったり皮をむいたりする、おいしそうに盛り付ける…など手や指先を使って作業することがたくさん。そのため、子どもに料理をさせることは自然と指先トレーニングにつながるのです。
味覚は味蕾(みらい)で受容されるものですが、味蕾の数は幼児期がもっとも多く、その後は年齢を追うごとに急速に減り始めます。また味覚は10歳ごろまでに完成するとも言われています。そのため、幼児期にいろいろな味を覚えて、味蕾細胞を発達させることで、複雑な味もわかるようになり、味覚を育てていくことが大事なのです。
お手伝いすることで「食べてみようかな」「つまんでみようかな」と色々な食べ物にチャレンジすることで、味覚はどんどん育っていくのです。
お料理という体験を通して子どもは、食材にふれ、それがさまざまな過程を経ておいしいものに仕上がっていくことに気づきます。その調理過程を自ら体験すると、食材に対する興味関心や愛着が生まれます。
自分で作ったものだとよく食べる、苦手な野菜などが食べられるようになるなど、食育の観点でもうれしい効果です。
どんな色のおかずをどんな色のお皿に盛る? どんな風に盛り付けるとおいしそうに見えるかな? 上手に盛り付けることはなかなかむずかしくても、そんな風に盛り付けにおやこでこだわっていくことで、美的感覚も育っていきます。
料理には順番がつきもの。どの工程をいつ始めるのか、どんな順番で作ればうまく完成するのか。盛り付けるためにはお皿が必要、マヨネーズを使うなら冷蔵庫からだしておくことが必要…。まだまだ大人のフォローが必要ですが、そうしたプロセスを経て、少しずつ段取りを自分で考える力が身についていくのです。
料理やお菓子作りには化学変化を利用した工程がたくさん! 卵は焼くと固まる、ゼラチンを入れて冷やすと固まる…などそれらはすべて化学変化によるものであり、まるで理科の実験そのものなのです。
食材の色や形の変化を体験することが、ゆくゆくは科学への興味を喚起していきます。
料理して出来上がったものを家族で食べるということも、大切なコミュニケーションの一つ。
おいしかったね、ありがとう…。家族のために作り喜ばれることで達成感も味わえ、またふだん作ってもらっていることへの感謝の気持ちもうまれてくるのです。
子どもが料理に興味を持ち始めるのは、早くて2,3歳。もっとも多いのは5歳くらいといわれています。
前述の通り、子どもがお料理するにはいいことがたくさんですが、子どもに無理やりやらせるのはおすすめできません。
まずは親がお料理する姿を見せてあげること。キッチンに子どもが入ってくると危ない…点もありますが「危ないから気を付けないといけないこと」を教えるチャンスでもあり、子どもの料理への興味を引き出すチャンスでもあります。
また、子どものやる気をうまく育てるには、親の気持ちの余裕も大切です。ですから最初は無理をせず、ふだんの晩ごはんのお手伝いなどではなく、時間と気持ちに余裕のある休日のおやつ作りなどに挑戦するとよいでしょう。
料理の技術を教える時間ではなく、あくまでも「子どもとのコミュニケーションを楽しむ時間」「子どもに食への興味をもってもらう時間」と考え、おやこで楽しく会話をしながら行いましょう。
子どもと料理をするなら、子ども専用の調理グッズがあると、子どものやる気もアップ。さらに小さな手に持ちやすいもののほうが、子どもも操作性が高く、やりづらさを感じずにすむでしょう。
↑料理研究家・関岡弘美さんの息子さんの料理グッズ
また抜き型も子どもの手にあった小さめサイズだと扱いやすいでしょう。
最近は100円ショップに、子ども用の調理グッズが多数そろっています。ぜひチェックしてみてくださいね。
先述のとおり、初めての子ども料理は子どもも大好きなおやつがおすすめです。ここではとっても簡単に作れ、子どもの達成感も大きいおやつレシピ2つを紹介します。
お手伝いデビューにぴったりなのがみんな大好きホットケーキ。市販のホットケーキミックスでももちろんOKですが、大好きなホットケーキがどんな材料でできるのかを知ってもらうために、あえて小麦粉とベーキングパウダーを使うレシピに。
材料(直径12㎝の小さめサイズ5~6枚分)
薄力粉…150g
ベーキングパウダー…大さじ1
卵…1個
牛乳…1カップ
砂糖…大さじ2
詳しい作り方は「料理のお手伝いデビューは"ホットケーキ"がおすすめ☆3歳からできる『混ぜる』に挑戦!」をチェック!
砂場でのお団子づくりや、粘土遊びなど、子どもはこねて丸めるという作業が大好き!ちょっとひんやり、弾力のある感触を両手で感じることができる、白玉づくりにちょうせんしましょう。つぶつぶの粉が、水を足してこねるうちにもっちりとしたお団子になるプロセスにもきっと夢中になりますよ。
材料(小さめの白玉団子約20個分)
白玉粉…100g
砂糖…10g
水…90ml
ミックスフルーツ(缶詰)…適量
*缶詰は冷蔵庫で冷やしておくとおいしいです
詳しい作り方は「『丸める』に挑戦!両手の感覚をフルに使う"フルーツ白玉"づくり」をチェック!
おやつを体験したら、今度は「ごはん」に挑戦してみましょう。いつもの食卓に自分が作ったメニューが登場するのは、子どもにとって誇らしい気持ちになりますよ。
上から垂直に押すとかわいい型になる、型抜きという作業。平面から形が切り取れるというプロセスに子どもが夢中になること間違いなしです。クッキーのイメージがつよいですが、今回はモリモリたべてほしい野菜で挑戦。食欲も絶対アップしますよ。
材料(2人分)
じゃがいも、にんじん…各適量
カレーライス…適量
詳しい作り方は「食欲もアップ!子どもにとって野菜の『型抜き』は楽しいお手伝い★大好きなカレーがもっとおいしく大変身!! 」をチェック!
ふだんの晩ごはんの献立の一品が子どもが作ったものになると、子どもの達成感と自信はMAXにアップ。ポテトサラダなら冷蔵保存すれば2〜3日作り置いておくこともできるので登場回数も増えますね。じゃがいもの七変化を見るのもとても楽しいお料理です。
材料(2人分)
じゃがいも…2個
きゅうり…1/2本
ハム…2枚
ミックスベジタブル…大さじ5
ヨーグルト…大さじ4
マヨネーズ…大さじ2
塩…小さじ1/4
こしょう…少々
きゅうりの塩水…水1/2カップ、塩小さじ1/2
詳しい作り方は「じゃがいもの七変化に子どもも興味津々!『つぶす』『まぜる』のお手伝いでポテトサラダが完成♪」をチェック!
生卵の殻を割るのはコツが必要なので、年中・年長さんくらいからの挑戦になりますが、ゆで卵をむくお手伝いなら3歳ごろからでもできます。指先をつかって優しくむく必要があるため、脳の活性化につながる指先トレーニングにも!
材料(2人分)
食パン(8枚切り・みみなし)…4枚
卵…2個
マヨネーズ…大さじ2
塩、こしょう…各少々
詳しい作り方は「幼児期に大切な指先トレーニングにも!達成感たっぷりの『卵の殻をむく』お手伝いで卵サンドを作ろう 」をチェック!
いつも食べているご飯がどうやって炊きあがっているかわかるのが「お米を研ぐ」お手伝い。お米を研げるようになったら、お料理も一人前に近づいた気分!自分で研いで瀧田てのご飯は格別のおいしさです。
材料(作りやすい分量)
米…2合
さつまいも…小1本(約160g)
塩…小さじ1
みりん…大さじ1
詳しい作り方は「子どもに教えたいお米の研ぎ方。"おいもごはん作り"でお米に感謝する体験を」をチェック!
ハロウィン、クリスマス、お正月…。季節イベントに季節料理は欠かせません。その一つを子どもといっしょに料理してみませんか? イベントの想い出がさらにかけがえのないものに変わるはずです。
お料理の中でマスターすると幅が広がる「混ぜる」「丸める」「つぶす」「型抜きする」という全作業が含まれているのが、このかぼちゃ茶巾です。かぼちゃの甘みとバターの香りで 子どもも大好きな味わいです。
材料
かぼちゃ…1/6個(正味200g)
砂糖…大さじ1
バター…20g
牛乳…大さじ2
詳しい作り方は「イベント料理はおやこで盛り上がる最高の知育に!簡単ハロウィンメニュー★かぼちゃのジャックオランタン茶巾づくり!」をチェック!
ツリーの中は実はポテトサラダ。そこに緑のブロッコリーや赤のトマト、星形に抜いたチーズやにんじんを飾ります。盛り付け方は、子ども次第なので、世界で一つのクリスマスツリーの出来上がり! お手伝いの作業ポイントも盛りだくさんだから、できあがったらぜひ家族みんなで喜んでくださいね!
材料(作りやすい分量)
じゃがいも…1個
にんじん…1/2本
ブロッコリー…1/2個
ハム…2枚
スライスチーズ…1枚
コーン…大さじ2
ミニトマト…8個
マヨネーズ、ヨーグルト…各大さじ2
塩、こしょう…各少々
詳しい作り方は「世界に1つのクリスマスツリー!子どもと作る「ツリーサラダ」なら野菜も楽しく食べられる♪」をチェック!
おせち作りのお手伝いはまだちょっと早いですが、かまぼこの飾りきりなら簡単かつ華やかなので、子どもでも作れる料理です。ちぎれないようにかまぼこを優しく扱いながら指先をこまかく使うのは指先トレーニングにもつながります。
材料
かまぼこ(板から外す)…1板
ケチャップ、黒ごま…各少々
詳しい作り方は「か、かわいすぎ…子どもと絶対盛り上がる!お正月の【かまぼこ飾り切り】テク大公開」をチェック!
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子どもといっしょのお料理の時間は、旅行などのお出かけ以上のとっておきの想い出になります。大人にとってはちょっと手がかかる部分もあるかもしれませんが、ぜひ楽しい時間を過ごしてくださいね。
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