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保育士が教える小学校入学までに身につけたいこと

【小1の壁対策】先生に体調不良を伝えられる?恥ずかしがり屋でも伝えられるコツや練習方法を保育士が伝授!

【小1の壁対策】先生に体調不良を伝えられる?恥ずかしがり屋でも伝えられるコツや練習方法を保育士が伝授!
保育士ライターの炭本まみさんが小学校入学までにできるようになっておきたいことを教えてくれる連載。今回は、体調不良を伝えられるようになることや鼻のかみ方など気になる健康について教えてもらいました。
目次

幼稚園や保育園では、保育士や先生が「いつもと調子が違うな」と勘づいて先生から声をかけてくれることがほとんどだったことでしょう。
指先などの怪我や痛みは、先生に伝えることができても、熱っぽい・吐き気・けだるい・頭痛などの症状は、子ども自身が自覚できずにいることも多いのではないでしょうか。

小学校生活は基本的には一日が「勉強時間」として過ぎていきます。
時間と時間の間にある10分ほどの時間は、トイレを済ませたり次の勉強道具の用意だったり、移動教室や着替え、校庭への移動時間になり、子どもも先生も非常に忙しいもの。

そのため、何となく調子が良くないなと思っても、先生に話しかけにくかったり、あまりの忙しさに自分の体調の悪さに気づくことができず、辛いまま過ごしている子どもも少なくないでしょう。

また、風邪気味で鼻水を自分でかんだり、使ったティッシュの処理などにも戸惑う子どももいます。

意外と気づかない、「子ども自身の体調管理・把握の自立」や「先生に申し出ること」、さらには「自分でできる体調管理のひとつ・鼻かみ」などについて、家庭でフォローしたり意識して取り組んでおきたいことを、元保育士の炭本まみが紹介します。

先生に話しかけやすいタイミングを教えておく

入学したての頃は、子どもが登校し教室へ行くと担任の先生が教室にいて出迎えてくれるでしょう。その時に、コロナ禍の場合は発熱や健康状態を記した健康調査書を提出したり、検温をしている学校もあるようです。

それでも次々登校してくる子どもたちの対応に追われ、先生に話しかけても「後でね」と流されてしまうこともあります。
また、2か月ほど経過し慣れてくると、先生は職員室にはいるけれど教室にはいなくなります。

授業中はもちろん、授業の合間の休み時間も子どもはもちろん先生も次の授業の準備や、ちょっとした打合せで教室にいなかったり、けんかの仲裁やほかの子どもの対応などしていれば、声をかけにくいと感じることもあるでしょう。

体の調子が良くなくて、先生に伝えたいときはどんな時間にどんな方法で伝えるのが良いのでしょうか。

メモ用紙に書いて渡す

小学校生活に慣れないうちは、何気ないことでも先生に話しかけることがむずかしい子もいます。また、体調不良だと先生に訴えることで、周囲の子どもに聞かれてしまうのが嫌だと思う子も…。

そんな時のために、小さなメモ帳を数枚持たせておきましょう。
おなかが痛いです、頭が痛いです、吐きそうです、トイレに行きたいです、などとあらかじめ自宅で書いておいて持たせるのもいいですね。

言えない場合はそれを先生に渡すようにすれば、先生も一目瞭然。もじもじすることもなく時短にもなり、先生も対応しやすいでしょう。

意外と聞いてもらいやすいのが、授業が始まる直前

授業が終わってすぐは、先生のもとへ行って関わりたいと思う子どもも多く、先生は忙しいもの。
また、中休みや昼休みは、交流を深めるためクラス全員で鬼ごっこやドッジボールなどの遊びをすることもあります。

先生に話しかけやすい、先生にしっかり話を聞いてもらいたい、そんなときは授業がはじまる前、子どもたちがみんな椅子に着席し、チャイムの音が鳴るのを待っている時です。
みんなが座っている時に立ち上がって先生の所へ行くのは勇気がいる、そんな時は手をあげて先生を呼ぶのもよいでしょう。
体調不良を伝えられないかも…と思ったら先ほどのメモを渡すといいですね。

授業中でもOK!

子どもの性格によっては、授業中に授業と関係のないことをいうのはむずかしいことも。 それでも体調不良は吐いたり、おなかを下したりするような体調不良もあり、急を要する場合もありますよね。

最近の小学校では、授業中のトイレも以前ほど咎められません。授業中でもいいから、調子が悪いときは早めに先生に伝えるんだよ、と家庭でも繰り返し伝えてあげましょう。

この時代だからこそ、自分の体調に意識を向けるチャンス!

コロナ禍となり、発熱やけだるさ、節々の痛みや、眠気など、咳や鼻水以外にも見た目ではわかりにくい体調不良について、自分の調子を改めて確認することが増えました。

学校によるかもしれませんが、筆者の子どもの学校では登校する日は、体温計測結果と、自分の感じる体調、調子の悪い点などを書いていき、朝玄関にいる先生に手渡します。

親がそれを記入するのではなく、子どもに記入させることで、自分の体調の悪さに初めて気づくこともありますね。

欠席するほどでもないけれど何となく頭が痛い…そんな日は「頭が痛いです」と書いたメモを持たせ、今よりも痛くなったら先生に渡すよう子どもにも伝えてあげましょう。

今の時代は、小さくても「いつもと体の調子が違う」「何となく頭が痛い」など、自分の体に心を向けて観察するチャンスでもあります。
自分の体調の良し悪しを把握できることは、大人になっても大切なこと。今後成長する上でも生活の仕方や睡眠時間の考慮など、さまざまなことへつながっていくでしょう。

ママやパパと1分だけ、話す時間を作る

家族みんなが忙しい朝は、追い立てられるように登校しているというのが日常なのではないでしょうか。

例えば1分間だけ、ママやパパと向き合って抱きしめたり、おでこに手を当てたり(発熱の確認)、おなかに手をあてたり、背中をさすったりすることで、何となく体調の悪さや元気のなさが分かることもあります。
さらに、ちょっと痛かったおなかが、手を当ててあげることで安心して治ることもあります。

朝は誰もが忙しい…けれど1年生は特に毎日の新しい生活で知らずに疲れているものです。子どもの体だけではなく、心も健康に保つため、1分間だけお子さんと向き合ったり話す時間を朝作ってみませんか。

具体的な痛み、調子の悪さの伝え方を練習しよう

痛みの経験がまだ浅い子どもは、痛む場所や、痛みの度合い、痛みの様子を表現することが難しいと言われています。吐き気、発熱、頭痛…と症状に分けて表現できないのが普通で、すべてを「眠い」「おなか痛い」だけで表現することもあるでしょう。

「痛いなと思う場所を、人差し指1本だけで教えて」
「ちくちく・ずんずん・がんがん・ずーん・きりきり、どれが近い?」(痛みの度合い)
「いつから痛かった?調子悪かった?」
「お薬飲むくらい?お休みしたいくらい?」

などと聞いてみましょう。
慣れてきたら、「ここ(おなか)が、ずーんずーんって心臓の音が鳴るみたいに痛くて、起きてからずっとなの。お休みしたい。」と言えるようになってきます。

本当はどこも痛くない…そんな時も子どもに寄り添って

調子が悪そうにしているけれど、本当はどこも痛くない、調子も悪くない、そんな日もあります。それは学校へ行きたくないサイン。
それでも「本当は行きたくないから言ってるんでしょう」などと言わず、「おなかが痛いんだね、学校は行けそう?」と聞き「休みたい」と言ってきたら気持ちよく休ませましょう。

大人だって仕事に行きたくない日があるように、子どもも行きたくない日があります。
学校のことを忘れ、おうちでゆっくりテレビを見たり、好きな遊びをして過ごしたり、好きな食事を用意してあげましょう。
そうすることで、心が充電され、翌日は行けるかもしれません。

もしかしたら次の日もお休みするかもしれませんが、数日すれば学校が恋しくなることが多いようです。
無理に学校へ送りだすことは、子どももどうしてよいかわからず、心も体も休まらず、欠席が続いてしまうこともあります。たまの「休みたい・お腹痛い」は、受け入れてあげたいですね。

「鼻かみ」自分でできるかな?

花粉症や風邪などで子どもによく見られる鼻づまり。
鼻水が垂れていても気にしないで過ごしている子も時折見かけます。できれば幼稚園や保育園のうちから、鼻かみの練習をしておきたいですね。

まずはママ・パパが出ている鼻水を拭くだけではなく、鼻を片方ずつ抑えフン!と息を鼻から吐かせる練習からスタートです。 それができれば、自分で鼻を片方ずつ抑えて鼻かみができるようになりますよ。

また、ポケットティッシュは出す時にそっと出さないと破れたり、上手く出せないことも多くあります。それが面倒で鼻をかまない子どももいるのだとか。
ケースを使っている場合には、ティッシュを1枚ずつ破れないように上手に出す練習もあわせてしておきましょう。

「子どもがうまく鼻をかめない」問題、あっけなく解決!?鼻かみが楽しく練習できるアイデアグッズを3歳児が検証!

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なんでも親が先取りしてフォローしてしまうのはよくありませんが、子どもが学校生活を快適に過ごすためにも、自分の子どもの性格をよく見極めて、どうすることがベストなのかおうちでもできる対策をしておくと安心ですね。

失敗もしながら、少しずつ自分の体調の管理や調子の悪さを大人に伝えることも難なくできるようになります。鼻かみも、あれ?と思うほどあっという間に上手に自立していくはず。

親が少しだけ意識を持って、子どもの自立の援助になれるといいですね!

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執筆者

炭本まみ

保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。

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