「自分は算数が得意!」と入学後自信をもたせるために、いまのうちから覚えさせたいこととは?
そもそも算数は小学校からのカリキュラムなので、入学前にわざわざやらなくてもいいのでは?と思うかもしれません。しかし、入学後に始まるのは算数だけでなく、ほかにも何教科もある「お勉強」そのもの。一度にやってくる試練に、自信をなくしたり勉強嫌いになったりしないように、入学までにできる範囲でふれさせておくと安心ですよね。
算数の土台となるのは「数の理解」です。家庭教育アドバイザーのTERUさんによると、数を「知っている」だけではなく「理解」するためには、数えられるだけでは意味がないと言います。
まず小学校入学までに、「20までの数の概念を理解できる」ことを目指しましょう。なぜ20までなのかというと、1年生の算数の難関である「くり上がり・くり下がりの計算」でのつまずきをなくすためです。
ここで言う「理解できる」とは、数字を読める・書けること以外に、「だいたいこれぐらいかな?」という量感を持てることが大切です。加えて、「10をひとつのかたまりとして考えられる」10進法を身につけること。10から11になるにはひとつの区切りがあると理解できると、くり上がり・くり下がりの計算の理解がスムーズになります。
さらにTERUさんは、「九九の暗記は幼児期までに済ませておくといい」と言います。九九は小学校2年生で習うものですが、幼児期におすすめするのは、幼児期は暗記に圧倒的に有利な時期であるから。確かに、子どもの記憶力に驚かされること、ありますよね。
九九の始め方としては、「九九の歌」がおすすめ。大事なのは、九九を完璧に理解することよりも、九九を言えることで「僕は算数が得意なんだ」と自信を持てること。幼児期から九九を自信満々に披露して、「すごいねぇ、もう言えるんだね!」とほめられる経験が、算数への前向きさを育んでいきます。
では、数の概念を理解するには、どう教えていけばよいのでしょうか。
TERUさんは、実は数をお勉強として教える必要はなく、子どもが「数でどれだけ遊べるかにかかっている」と言います。そのために親が日常生活で心がけたいことが大きく3つあります。
まずは、「おうちの中で『いつも数字が目に入る』環境を作る」こと。
数字の表のポスターを貼る、数字の積み木やブロックで遊ぶなど、数字を目にする機会を増やします。
次に、「日ごろから親子の会話にとにかく『数』を入れる」こと。
数を音として理解するために、なんでも「1、2、3……」と数えましょう。そのときに、なにもない「0」を意識することも大切に。数を増やしていくだけでなく数を減らしていくのもぜひ取り入れてください。
そして、「物を使って、増える・減るの変化を見せる」こと。
物と数をリンクさせることを意識して、とにかく日々の暮らしや遊びの中で繰り返し声かけしていくことが大切です。指を使って物を数えるときには、数とリンクするように、必ず数の分だけ指を用意しましょう。
声かけでは、補数(補う数)を意識してみてください。「残りいくつで、いくつになる」と補っていく概念はくり上がり・くり下がりの計算の素地になっていきます。声かけするときの表現のバリエーションも大切です。「足す・合わせる・増やす」「引く・減らす・なくなる」など、物の増減をいろんな表現で伝えていくようにしましょう。
数の概念の中でも算数でつまずかないために大切な、その数はどれぐらいかという「量感」と、10をひとつのかたまりとして考えられる「10進法」を身につけるためには、「見て知っている体験」が大切です。
たとえば、おはじきやビー玉を使って10以上の物を数えるときに、10をひとつの山にして置いて「10と1だから、11って言うよ」と話しながら並べて見せてあげましょう。 10というのはこのくらいの量で、次にまた10のかたまりを新しくを作るという物の動きを一緒にやってください。
そして、数えられなくてもいいので、できるだけ大きな数を「これくらいの量」だと見せてあげられるといいですね。たとえば、1円玉1枚と100枚を並べて比べてみます。実際に見てみることで、「100ってこんなに大きい(多い)から、1って少ない」と実感できます。こうして量感が身につくと、明らかにおかしな計算間違いは起こらないと言います。
お外遊びにも大きな数に触れるチャンスがあります。石を集めて数えてもいいですし、どんぐりや貝でもOK。数える前に、「いくつくらいあると思う?」とパッと見てどれくらいか答えてもらう遊びもおすすめです。おおよその数を見通す「概算」ができると、量感覚はさらに磨かれていくのです。
数でたくさん遊んでもらうために、子どもがハマりやすい「数の学びにつながる」10のツールをご紹介します。
1.はかり
「何かを載せると、その重さが出てくる」という変化が、子どもにはとてもおもしろく感じられます。自分の周りのものを計って、重さを比べるなど、量感が身につくツールでもあります。
2.計量カップ
飲み物が出てきたら1回計ってから飲む習慣がついた子も。 毎日飲む水がどのくらいの量なのか、計ることで見えてくることがいろいろあります。
3.体重計
体重がおもしろいのは、増える・減るの概念があること。「前よりも大きくなっているね」と声もかけやすいですね。
4.定規・メジャー(巻き尺)
定規やメジャーは、渡すと家の中のものをいろいろ計って、それだけで遊びになります。
5.サイコロ
どの数が出るか分からないので、ただ振るだけでも子どもは楽しく熱中します。繰り返すことで、振って出た目を見て数を瞬時に答え、量感を育むのにも役立ちます。
6.ストップウォッチ・キッチンタイマー
数字が動いていく様子は見ているだけでも楽しいですし、子どもがなにかをする時間をはかって速さを競うのにも役立ちます。また、60で一区切りという時間の概念を確かめることにもつながります。
7.カウンター
押す回数に応じて数字が増えていくので、「1、2、3……」と数えながらその数字を目で見ることができます。数を数えはじめのころや、数えられるようになってさらに定着させたい時期におすすめです。
8.カレンダー
いつでも見られるようにしておくと、自然と「今日は○日」と確かめるようになります。カレンダーを見ながら会話することで、日付感覚・曜日感覚も身につきます。
9.車のナンバープレート
外出したとき、通る車のナンバーをおやこで見てみましょう。おもしろいナンバーを見つけたり、通る車のナンバーをすばやく読み上げたり、移動中の時間が楽しくなります。
10.子どもの好きなもので「数字がのっているもの」
一番効果的なのは、子どもが好きな数字に関するアイテムです。
電車が好きなら時刻表、サッカーや野球に興味があるなら選手の背番号がわかる図鑑、お菓子づくりが好きな子なら分量が載っているレシピを一緒に見てみるのもよいでしょう。
幼児期は勉強ありきにせず、数に興味を持てるように親が種まきをしてあげることが大切です。あくまで自然に興味をもたせるよう誘導して、子どもが遊び始めたら「おもしろいね!」と一緒に楽しみましょう。
子どもが楽しんでできることが、算数が得意になる一番の近道です。子どもの興味やペースに合わせて、できることから生活に取り入れてみてください。
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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