外資系メーカーで管理職としてバリキャリ街道を進みながら、ワンオペでふたりの男児を育てていた著者の尾石 晴さん(以下、ワーママはるさん)。
平均的なワーママと比べて多忙であろう日々の中で、時間に余裕のない生活に疑問を抱きます。
「忙しいけど、なんだか充実感がない、このままでいいのか?」
自分自身の時間をコントロールできない不安に駆られながら、たどり着いた答えは時間の使い方は自分の「人生の選び方」だということ。
まずは「やめる」ことを見つけようと、自分の24時間を徹底検証し始めます。
この本の中で、ワーママはるさんは
という3つの力についてレクチャー。
日々「時間がない!」とバタバタ過ごしつつも、時間の使い方をそこまで強く意識したことがなかった筆者にとっては、“目かウロコ”な考え方が詰まった一冊でした。
まずは、「見える化力」。
自分が24時間なにをして過ごしたかを紙に書いて、なににどのぐらい時間を使っているかを確認していきます。
ワーママはるさんいわく、「時間もお金と同じように捉えるべし」とのこと。
なにに何分かかっているのか、その時間はムダじゃないか、コストパフォーマンスならぬ「タイムパフォーマンス」を意識して見直すことが大切とのこと。
この考え方、非常にわかりやすい!
さっそく自分も…と思いつつ、ワーママはるさんがすすめる「手書きですべての時間を分単位で細分化する」…というのはハードルが高かったので、スマートフォンの「スクリーンタイム」機能をまずは使ってみました。
この「スクリーンタイム」という機能、筆者はこの本で初めて知り、さっそくやってみたのですが…具体的に1日に何時間何分、SNSやニュース検索しているかがわかって、まさに見える化!
「このSNSを見ている時間とかを減らせれば、もっと余裕ができるかも」という気づきがありました。
(そして週末は子どもたちにスマホを奪われ、YouTube見せすぎ…と反省)
ちなみにこの本の中で、睡眠時間によって計算式で出せる「余白時間の目安」が紹介されていて、5時間睡眠のわたしの場合は2時間弱でした。
つまり、2時間近くは筆者の好きなように使える時間を持てるはず!!
当面はこれを目標にタイムパフォーマンスを高めていこうと思いました。
続いて、「引き算力」。
日常の中の「やったらいいことはたくさんあるが、やらなくても困らないこと」を見つけるために「やりたくないことリスト」を作成していきます。
これが、なかなか難しい。
大抵のことは「必要」なことであり、それは「やらないと困ること」だなあと…。
ちなみに、ワーママはるさんの「やりたくないことリスト」は、
など。
これらをやめるためにどうしたらいいかを考えた結果、
と、うまく生活を変えていったそう。
また、時間が引けない人は、「○○しないといけない」と思い込んでいる場合が多いとも。
とくに子育てに関して「○○しないと」と思い込みロックをしているケースがよくあるという指摘に、思わずドキッ!
ワーママはるさん自身も「子どもの世話は大人がやらないといけない」という思い込みがあったけれど、子どもたちの保育園の棚は子どもたちが「自分で」片づけられるようにできていることを発見。家の中も子どもたちが自分で片付けられるようにレイアウトし直したのだそう。
これらの具体的な体験談は非常に参考になりました。
わが家でも引き算できる時間を作るために、仕組みややり方を見直せるところはたくさん見つかりそうだなと。
「見える化」による「引き算」で生み出された時間を、自分の人生に大事なものを取り入れる時間にしていきましょうとワーママはるさんは提案します。
それが「足し算力」。
何年か先の人生が理想の生活に近づくように、今から少しずつそのときの自分のためにできることをする時間を、とワーママはるさんが提唱します。
1日30分の読書、ヨガなどなど…それらを足していくことが、理想の1日に近づける時間の使い方になるはずと。
たとえば会社員の中には、コロナ禍でリモートワークという新しい働き方になり、通勤時間が減らせている方も多いのではないでしょうか。
その時間を有効活用できているか、この本を読んで考え直すだけでも将来への投資になるかもしれません。
時間の使い方は、自分の人生の選び方。
この本に書かれているこのシンプルな言葉は、目の前のことに日々追われている方にこそぜひ伝えたいと思います。
まずは「時間がないからムリ!」という思い込みをなくして、あなたの24時間を少しだけでも取り戻していってくださいね。
『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
著:尾石晴(ワーママはる)
発行: 実業之日本社
定価:単行本(ソフトカバー)1,650円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,485円(税込)
【わたし的評価】
満足度 ★★★★☆
実践度 ★★★☆☆
読みやすさ ★★★★☆
わかりやすさ★★★★☆
ライター 河瀬 みこと
大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。
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